KDDIの株価が過去に暴落した理由とは?【株価下落の背景と業績を分析】




KDDIは、高配当のディフェンシブ銘柄だけど、株価が大きく下落することがあります。これまでの暴落のタイミングと株価下落の背景や要因は何ですか?今後の業績へのリスクは何?

今回は、このような疑問を持つ方に向けて記事を書きました。

今回の記事の内容

・KDDIの株価と暴落の時期について

・KDDIの株価暴落の要因について

・KDDIの将来の業績悪化リスクについて

KDDIから株主優待のカタログが届きました。配当+優待利回り5%越えと通信株らしい高配当株です。他方、政府による利用料引き下げ圧力の影響により2015年と2018年の2回、株価が短期間で暴落してます。

今年は楽天の通信事業参画があり、政府の介入も続くでしょうから、これをどう乗り切るかですね。

これを深堀りします。自分は、投資歴20年以上、KDDI株も保有していますので、今回はこの経験を踏まえて記事を書いています。

KDDIの株価と暴落の時期について

KDDIは、いわずと知れた総合通信大手ですね。日本の携帯事業は、KDDIが展開するauブランド、NTTドコモ、ソフトバンクの3社に占められています。

その他、KDDIは光回線を展開するとともに、最近ではじぶん銀行やカブドットコム証券への出資を行い、金融事業などの非通信事業への展開を模索しています。

次に、KDDIの株価について見ていきますね。

KDDIの株価と株価推移について

KDDIの株価データを簡単にまとめました。

KDDIの株価データ(2019年5月31日現在)
  • 株 価:2,774円
  • P E R:10倍
  • P B R:1.5倍
  • 配当利回り:3.97%
  • 優待利回り:1.08%

やはり、通信株らしく配当利回りが4%近くあって高配当ですね。以下のグラブのように18期連続の増配が予定されています。ちなみに、株主優待は100株保有して3,000円相当のカタログギフトの株主優待が年1回送られてきます。

1株当たり年間配当推移 (注2)

以下のチャートは直近5年間の株価推移です。

チャート画像

2014年後半から2015年にかけて株価が2,000円から3,000円超えて大幅に上昇したのち、長らく3,000円前後のレンジで推移しています。

通信株は売り上げが景気に影響しないディフェンシブ銘柄であり、高配当+優待で人気も高いことから、下げても買いが入りやすい安定した値動きを示してます。

KDDIの株価暴落のタイミング

KDDIは、業績が安定し株価も底堅く推移しています。しかし、実は過去5年の間に3回、1~2ヵ月程度の短期間で株価が20%以上、大きく暴落しています。

20%以上株価が暴落したタイミング

・2015年8月~9月頃

・2017年12月頃

・2018年10月頃

以下、その要因を見ていきますね。

2015年:KDDIの株価暴落の要因

2015年頃の株価推移と暴落

以下のチャートは2015年付近の株価推移です。

 

2014年後半から順調に株価が上昇してきましたが、2015年の8月~9月にかけて大幅に株価が3,300円付近から、2,650円まで20%以上暴落していますね。

2015年の株価暴落の要因

この株価暴落の主な要因は

2015年の株価暴落の要因

①料金競争リスクが意識されたこと

②政府による通信料金引き下げ検討

この2点です。

①は、iphone6s 発売とあわせて、KDDIとソフトバンクが5分以内の国内通話がかけ放題になる料金プランを発表したことで、料金引き下げのリスクが意識されたもの。

②は、安倍首相が当時の総務大臣に対して、携帯電話料金引き下げの検討を指示したことで収益悪化懸念につながりました。翌日のKDDIの株価は、1日で8.5%安となるなど大幅下落。

2017年~2018年:KDDIの株価暴落の要因

直近2年間の株価推移と暴落

以下のチャートは、直近2年間の株価推移です。2年間という、わりと短期間に20%近い暴落が2回ありますね。

チャート画像

1つ目が2017年12月の下げ。3,200円近辺まで上昇していた株価が突如崩れて、2ヵ月程度で2,600円付近まで大幅下落となっています。

2つ目が2018年10月頃の下げ。株価が持ち直し3,200円近辺まで上がってきましたが、1カ月程度で2,400円近辺まで暴落してますね。

最近の株価暴落の要因

直近2年間における株価暴落の主な要因は

最近の株価暴落の要因

①楽天の通信事業参入

②政府による通信料金引き下げ検討

③料金競争リスクが意識

この3点ですね。

2017年の暴落は、楽天が携帯電話事業者への参入を発表したことによるもの。もともと、大手から設備を借りることで通信事業を運営していたけど、自前で回線や設備を整備して、10年後を目途に1500万以上の契約件数を目指すという発表。

2018年の暴落は、NTTドコモが、菅官房長官の「携帯事業者は料金を4割下げることができる」との発言があったことを受けて、突如、料金体系を見直して携帯の利用料金を最大で4割ほど値下げすると発表したことによるもの。

会見翌日の11月1日にKDDIの株価は16%程度売り込まれたのは記憶に新しいところです。

KDDIの将来の業績悪化リスクについて

過去5年の株価暴落を見ると、KDDIの今後の業績や株価を左右する要因が見えてきますね。

具体的には、

KDDIの収益先行き懸念要因

・料金競争による収益下落リスク

・政府からの通信料値下げ圧力

この2点。以下、クイックに見ていきますね。

料金競争による業績下落リスク

日本の通信事業は長らくNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社に独占されていて、利用者にとって料金体系が複雑で、競争が起きにくいことから携帯料金は高どまっていると言われています。

なので、2015年や2018年の暴落の時のように、3社のうち1社でも料金体系の見直して、通信料金を値下げすると発表すると、業績悪化懸念から大きく株価が売られるということになります。

さらに、楽天が2019年から通信事業に参入するのもKDDIにとってみれば大きな業績下落リスクですよね。楽天は、シンプルで低料金な利用プランを用意すると言っているので、これらが発表されるとKDDIの株価は、下落基調を強めるかもです。

政府からの通信料金の値下げ圧力

楽天の通信事業参入に次いでリスクが高いのが政府からの値下げ介入ですね。通信事業に活用する周波数は、政府から割り当てられることになるので、通信事業者は政府の意向には正面切って逆らえないんです。

菅官房長官からの「圧力」でNTTドコモが発表した最大4割の引き下げるという新料金プランは、実は恩恵を受けられるのはスマートフォンを利用する契約者の4割程度。端末購入負担は上昇するので、利用者全体への恩恵は少ないんですよね。

KDDIやソフトバンクも同じような新料金プランなので、通信事業者の大きな業績悪化にはならないと考えられています。今回の政府からの圧力は、うまいこといなした格好ですが、引き続き政府の介入は続くと思います。

「KDDIの株価暴落」まとめ

今回は、KDDIの株価暴落の要因について述べたうえで、これらの要因から将来的な業績悪化リスクについて書いてきました。

政府の介入や楽天の通信事業参入など、ディフェンシブ銘柄らしからぬ株価の暴落を見せるKDDIですが、売り上げは非常に安定しており、18期連続増配と、今のところ業績に問題はありません。

他方、これらの懸念以外にも金融などの非通信事業への参入や5Gへの巨額インフラ投資などがあり、これらの事業への成否がKDDIの将来的な業績を左右するものと見ています。

それでは。

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