高い成長を期待して、アマゾンへの投資を考えています。これまでのアマゾンの株価の推移やチャートの特徴はどんな感じですか?
過去には株価が大きく急落したこともあるようですが、アマゾンの株は買いですか?
今回は、このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
・アマゾンの株価推移(チャート)と急落から上昇した要因とは ?
・アマゾンの株価推移:停滞期(2000年頃~2009年)のチャート
・アマゾンの株価推移:直近1年のチャート
・アマゾンの株は成長期待で買いか?
アマゾンの株価推移や株価の急落に関して、以下をツイートしました。
米国市場における成長株の代名詞ともいえるアマゾンですが株価推移は凄まじいの一言です。株価は20年で400倍ですが、
・2000年のITバブル崩壊 -95%
・リーマンショック -60%
・昨年末のアップルショック-36%
と大幅下落している時期があります。この時期に保有し続けるのは神レベルで難しいですね。— かいまる (@leverage_toushi) 2019年7月12日
米国市場における成長株の代名詞ともいえるアマゾンですが株価推移は凄まじいの一言です。株価は20年で400倍ですが、
・2000年のITバブル崩壊 -95%
・リーマンショック -60%
・昨年末のアップルショック-36%
と大幅下落している時期があります。この時期に保有し続けるのは神レベルで難しいですね。
今回は、上記を深掘りします。
自分は、投資歴20年で米国株を中心に1,000万円以上の資産を運用しています。今回は、これらの経験を踏まえて記事を書いています。
目次
アマゾンの株価推移(チャート)と急落から上昇した要因とは ?
米国市場における成長株の代名詞ともいえるアマゾン。ここでは、20年間の長期株価推移(チャート)と上昇の要因について簡単に取り上げます。
アマゾンの株価と株価推移(過去20年のチャート)
アマゾンの株価データ(2019年12月10日現在)を簡単にまとめました。
- 株価:1738.3ドル
- PER:75.90%
- 配当金:-
- 配当利回り:-
成長株の代表銘柄なこともあり、一時期ほどではありませんがPERが高いですね。アマゾンは今だに配当金を出しておらず、成長のために株主還元ではなく莫大な投資を行っているということです。
以下が、アマゾンの過去20年のチャートです。この株価推移を見ると、凄まじく株価が上昇しているのが分かりますね。

この20年間の底値と最高値を見ると、
・最安値(2001年後半): 5.5ドル
・最高値(2018年後半):2,050.5ドル
となっており、株価は約400倍近く上昇しています。
この20年間はインターネットなどのIT技術隆盛期にあたり、アマゾンの業績の急拡大しているんですね。
アマゾンの株価上昇の要因はクラウド事業の成功
実は、アマゾンの株価が上昇している主な要因は、主力事業であるインターネットの通信販売事業(EC事業)の拡大はいうまでもありませんが、世界的に大きなシェアを奪うに至ったAWSと呼ばれるクラウド事業の成功にあります。
アマゾンの主力であるEC事業は、薄利多売で利幅が薄いわりには、倉庫などの物流インフラ整備に多額の投資が必要になるので、あまり利益にならないんですよね。
他方、クラウド事業のAWSは、アマゾン全体の売上高に占める割合は10%程度ですが、利益の50%近くを占める稼ぎ頭となっています。
なので20年で”400倍”という株価上昇は、クラウド事業への投資が成功したことが大きな要因の一つとなっています。
アマゾンの株価推移:停滞期(2000年頃~2009年)のチャート
長期的には成長期待で大幅に上昇しているアマゾン。しかし、金融危機などがあると大きく売られるんですね
例えば、
・ITバブル崩壊:113ドル ⇒ 5.5ドル(-95%)
・リーマンショック:101ドル ⇒ 34.7ドル(-60%)
と株価が急落していますね。
この時期のチャートは以下のとおりで、これら金融危機の際に株価が暴落しているのが見て取れます。

今でこそ大幅に株価が上昇しているアマゾンですが、2000年の高値113ドルから10年間は株価が停滞していますね。
アマゾンは配当金を出していないので、この時期にアマゾン株をホールドしていた人の大半は、パフォーマンスが非常に悪かったことになります。
アマゾン株を持ち続ければ大きな利益を出せたと言われますが、ITバブル崩壊により、インターネット関連の多くの新興企業は倒産しました。
なので、このような時期にもアマゾンに投資して、今の時期までホールドし続けるのは現実的には非常に難しいといえますね。
アマゾンの株価推移:直近1年のチャート
クイックに見ていきますね。
以下が直近1年の株価推移(チャート)です。株価は大幅に下落した後に、回復しているのが見て取れますね。

2018年末のアップルショックで、
・2018年末:2,033ドル ⇒ 1,307ドル(-36%)
まで大幅に下げましたね。
GAFAを中心としたIT企業は、ここ数年S&P500などの株価指数よりも値上り幅が大きかったこともあり、アップルの決算悪化をきっかけに大幅に売られました。
ITの成長株ということもあり、短期的には値動きが非常に大きくなるということですね。
アマゾンの株は成長期待で買いか?
アマゾンは業績の拡大や成長を期待する”グロース株”ですが、現時点ではあまりおすすめできない銘柄であると言えます。理由としては、
・株価は上がりすぎ(高PER)
・配当がでない
・株価の変動が激しい
・これまでのような大幅な成長は期待できない
ということ。
人工知能(AI)などの期待もあり、IT企業には資金が集まっていますが、アップルショックのように、少しでも悪材料がでると大きく株価が下げる傾向あります。
本来、”GAFA”などのグロース株は企業の高い成長率に期待して投資するもの。アマゾンも年間の売上高が25兆円を超える巨大企業になっており、これまでのように急速な業績拡大は難しいですね。20年間で”400”倍という株価上昇は期待できないと思います。
現に、アジア地域でのEC事業展開は苦戦が続いており、また期待されているクラウド事業も世界シェア首位の座をマイクロソフトに奪われました。
詳細は以下の記事でまとめていますが、高配当ディフェンシブ銘柄のように、配当を再投資して長期的な資産拡大を目指すという戦略がとれないことを考えれば、長期投資には向いていない銘柄と言えます。

「アマゾンの株価推移」まとめ
今回は、アマゾンの株価推移ということで、過去20年間の株価の上昇と株は買いかについて述べてきました。
アマゾンイフェクトという言葉が示す通り、アマゾンは既存の小売り店からインターネットを通じた売買へ消費者の消費行動を大きく変化させました。
米国内はもとより、日本でも百貨店やショッピングモールが閉鎖に追い込まれるなど、旧来型の消費関連企業に大きな影響を与えています。
他方、EC事業は利幅が薄く、競争も激化していることから、これまでのような成長を期待することはできないと考えます。
なので、20年で”400倍”という高い株価の上昇を期待して、アマゾン株を保有するのはおすすめできないといえます。
それでは。
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