吉野家 860円のすきやき重バカ売れで販売一時休止!高いメニューが定番に?




吉野家が8月14日に販売を開始した「特選すきやき重」。高い価格にもかかわらず多くの店舗で品切れが続出、販売が休止したことで吉野家HPで謝罪掲載する事態となりました。

15日からは「11時からその日の食材がなくなるまで販売」ですきやき重の提供が再開されましたが、30分で売り切れになる店舗があるなどバカ売れしています。

このすきやき重は、50万食限定商品となっていますが”安い”というイメージの強い吉野家で初めてサーロイン牛肉を使う「高級仕様」。スライスした5枚のサーロイン肉を牛丼のタレで煮込み、牛肉は120グラムと牛丼大盛り以上のボリュームとなっています。

特撰すきやき重

期間限定商品の売り切れで企業が謝罪に追い込まれるのは宣伝効果もあるので、どこかで見たおなじみの光景ですね。

ただ、今回が異色なのはすきやき重の値段が860円と吉野家のメニューの中では最も高額にもかかわらずにバカ売れしていこと。

デフレの寵児として”安い・美味い・早い”というイメージが強い吉野家。このような高いメニューを投入する背景は何なんですかね?

吉野家の課題は”脱牛丼”で高い商品の投入

吉野家といえば、何と言っても牛丼です。並盛り380円という”安い・美味い・早い”というキャッチフレーズで大人気定番商品です。

しかし、この根強い牛丼ブランドのために

・他の定番メニューが育たない

・顧客層の広がりが難しい

という困難を抱えています。

これを裏付けるのは売上高に占める牛丼の比率。何と5割を超えているんですよね。

牛丼目的で来店する客は、安いことに大きな魅力を感じているわけで、価格に敏感でちょっとでも値上げするとライバルチェーンに流れてしまうんですよね。

なので吉野家は他のチェーン店に比べて長年客単価向上がうまく行きませんでした。

これは、データにも良く現れていて、8月14日付の日経新聞によると2016年度の客単価を100としたときの2018年度の客単価は、

客単価の比較
 

・日本マクドナルド:105.8

・すき家:105.5

・吉野家:102.4

 

となっていて、運送費や人件費が高騰する状況の中ではマイナスポイントです。

牛丼といえば吉野家というぐらい圧倒的な人気を誇りますが、そのブランド力が逆に売り上げの低迷を招いているんですね。

客単価が低いことに苦しむ外食産業

客単価が低いことに苦しんでいるのは、吉野家だけではありません。例えば丸亀製麺を運営しているトリドール。

打ち立てで美味しい釜揚げうどんを290円の安価で販売を続けていますが、5月に発表した19年3月期の決算で、営業利益が前期比69.8%減益、翌日の株価は20%以上暴落となりました。

吉野家も牛丼並盛りを380円で提供し続けており、少しでも値上げすると客足が悪くなるので定番商品の値上げが難しいんですよね。

ただ、この原因を作ったのは他でもない吉野家を含む外食産業。日本がデフレ不況で苦しんでいた2000年初頭に、マクドナルドと牛丼チェーンが、それぞれハンバーガー65円、牛丼一杯280円などの価格引き下げ競争を実施。

”デフレ時代の寵児”としてもてはやされましたけど、今になってみると”外食チェーン=安い”のイメージが消費者に定着してしまいました。

結局、このイメージから日本国民は外食チェーンの値上げに人一倍敏感になって、ちょっとでも値上げすると客離れを起こすので、コスト増を価格に転換できないという状態になってしまいました。

潮目が変わった?吉野家でも高いメニューが人気に

ただ外食チェーンや消費者にも一種の”デフレ疲れ”が出てきており、高単価製品が売れ始めているんですよね。潮目が変わりつつあります。

例えば、吉野家ではすきやき重以前に客単価の高い商品として投入した

・牛丼超特盛 → 780円

・ライザップ牛サラダ → 540円

が単価が高いにもかかわらずバカ売れ。

2019年3〜5月期は前年同期比5.8%の単価上昇となりグループ全体の利益も前年同期比の赤字から10億円の黒字に転換しました。

この流れは、吉野家だけでなく他の競合チェーンにも及んでいて、

他の競合チェーンも高単価商品を投入

・松屋フーズ:2週間に一度のペースで高単価の季節メニューを投入

・すき家:月に一度の高単価季節メニューを投入

・マクドナルド:高単価の季節メニュー。100円でパティ追加の夜マック

 

など。

これらの売り上げは好調で、高い単価の商品を提供しつつ客数を増やすことに成功。直近の決算も好調です。

外食産業はデフレ経済の中で値下げを余儀なくされたことがある中、価格競争一辺倒の潮目が変わりつつあり高いメニューも売れ始めてますね。

少子高齢化で日本人の胃袋が少なくなる中、如何に客を減らさずに高いメニューを販売するかが、外食産業生き残りの鍵ですね。


「吉野家でも高いメニューが定番に?」まとめ

今回は、吉野家でも高いメニューが定番になりつつあるということで、吉野家の課題が”脱牛丼”であること、安い客単価に外食産業は苦しんでいること、高いメニューが人気になりつつあることについて述べてきました。

これだけ美味しい牛丼やうどんが300円前後で食べられるのは、消費者にとっては嬉しい限り。他方、これから少子高齢化になり人口が減っていく状況を考えると、今の安売り一辺倒で利益を出していくのは難しいですよね。

最近では高いメニューの売れ行きが良いなど、消費者の”デフレ疲れ”も出てきています。吉野家などの外食チェーンの業績は、この潮目の変化に上手く対応して売り上げを伸ばせるかどうかですね。

それでは。

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