野村ホールディングス(野村證券)の第2四半期決算が発表されましたが業績悪化の傾向は止まったのでしょうか?内容についてポイントを知りたいです。
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。今回は、2019年10月29日に発表された野村證券の第2四半期決算を振り返ります。
野村證券の業績悪化と決算に関して以下のツイートをしました。
証券業界のガリバー野村證券。
29日発表の2Q決算は純利益が黒字転換でしたが
・野村総合研究所の株式売却益の計上
・昨年の米国司法省との和解費用などの影響も消えたこと
が主な要因。主力の個人営業は60%近く減益。
業績悪化傾向に歯止めがかかったかは、もう少し様子をみる必要がありそうです。— かいまる (@leverage_toushi) October 31, 2019
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証券業界のガリバー野村證券。
29日発表の2Q決算は純利益が黒字転換でしたが
・野村総合研究所の株式売却益の計上
・昨年の米国司法省との和解費用などの影響も消えたこと
が主な要因。主力の個人営業は60%近く減益。
業績悪化傾向に歯止めがかかったかは、もう少し様子をみる必要がありそうです。
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上記を深掘りします。
証券業界のガリバー野村證券。相次ぐ不祥事や米国司法省への巨額和解金の支払いもあり2018年度は赤字決算になるなど業績悪化が深刻な状況です。
野村證券の強みとなってきた個人投資家からの手数料収入も、SBI証券や楽天証券などのネット証券の台頭による委託手数料の引き下げ競争により大幅に減少。
個人口座数もここ数年、全く増えていない状況です。
参考記事 >> 野村證券の株価が下落する理由。赤字で配当も減配!業界のガリバーに一体何が?
今回は、そんな野村證券の直近決算を取り上げます。業績悪化の傾向は止まったのか?分析です。
目次
野村證券の2020年3月期第2四半期決算の結果は?
早速ですが野村證券の決算結果を見ていきましょう。
2019年4月〜9月までの業績となりますが、営業収益が10%以上減収していますね。以下が10月28日に発表された決算短信の概況です。

ポイントをまとめると、
・対前年同期比で増収増益
・営業収益:1兆853億円(前年同期比23.4%増)
・純 利 益 : 1944億円(黒字回復)
という内容。
パッと見た感じは極めて強い決算内容ですね。前期が赤字決算であったことを考えると今回の中間決算は善戦したといえるでしょう。
第2四半期は業績悪化の傾向から回復しているようですが、野村證券の主要セグメントの業績について見ていきましょう。
野村證券の主要セグメント別の業績は?
ここではセグメント別の決算概況についてクイックに見ていきます。ポイントは、
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・個人営業部門は引き続き苦戦
・機関投資家や法人を担当する部門は堅調
・野村総合研究所の株式売却で利益押し上げ
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ということですね。
営業部門
営業部門は野村證券の本支店による株式や投信の販売、資産運用や相続・承継に関する金融サービスの提供などを行っています。
今期は、株式委託手数料および投信募集手数料の減少等により、
・収 益:1,575億円(前年同期比11.8%減)
・純利益: 134億円(同58.4%減)
となっています。手数料収入の減少などにより、個人投資家を対象とした営業の苦戦は続いていると言ったところですね。
アセット・マネジメント部門
この部門は、野村アセットマネジメントを中核として、主に年金基金、機関投資家を対象としたサービスの提供等を行ってる部門ですね。
・収 益:602億円(前年同期比18.5%増)
・純利益:282億円(同46.8%増)
となっています。
ホールセール部門
金融商品の組成・販売やリサーチ、トレーディング業務をM&Aアドバイザリー業務などを行うインベストメント・バンキングなどの業務ですね。法人担当部門ということです。
・収 益:3,162億円(前年同期比11.0%増)
・純利益:389億円(黒字転換)
となっています。米国の長期金利低下に伴うトレーディング収益が増えたこともあり、堅調ですね。
その他
今期は、野村総合研究所の株式の売却益である733億円を計上したことにより収益1,836億円、純利益は1,249億円計上されています。
野村證券の業績悪化は改善?今後の見通しは?
業績悪化が止まったとはまだ言えない
2018年度の決算は赤字に沈んだ野村證券ですが、業績の悪化傾向が止まったとはまだ言えないと考えています。
というのは今期の好決算の主な要因は、
・野村総合研究所の株式売却益の計上
・前年同期に発生した米国司法省との和解費用などの影響も消えたこと
によるところが大きいからです。
他方、今回の2Q決算は、法人部門が389億円の黒字転換したことや、主要3部門の純利益の合計が前年同期比65%増の805億円に拡大しており、力強い内容となっています。
主力の個人営業部門は引き続き減収減益が続いているものの、法人部門は極めて堅調。3Q以降もこの状況が続くかどうか、注視する必要がありますね。
2Q決算を好感!年初来高値を更新
黒字転換した2Q決算を受けて野村證券の株価は上昇しています。
7月下旬で300円台だった株価が、500円台に回復していますね。

これまで売られ過ぎていた反動という面もあるのでしょう。チャート的にも抵抗線だった450円の水準を明確にブレイクしているので、短期的にはもう一段高を目指して株価は推移しそうです。
参考記事 >> 野村HDが連日の年初来高値更新、好調な2Q決算を評価(朝日新聞)
「野村證券の業績悪化」まとめ
今回は野村證券の2020年3月期第2四半期の業績ということで、決算のポイント、セグメント別の売り上げなどについて取り上げてきました。
今期2Q決算は、主に野村総合研究所の株式売却益を計上したこともあり、純利益が大幅に黒字転換するなど力強い内容となりました。特に今期は、トレーディングが好調だったこともあり法人部門の利益が拡大しています。
他方、主力である個人営業部門は純利益が60%近く減少するなど、未だに減収減益が続いていて回復の兆しは全く見えません。
野村證券の業績悪化傾向に歯止めがかかったのかどうかは、もう少し様子をみる必要がありそうです。
それでは。
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