日本水産(1332)の株価が下落しているのが気になります。ニッスイの業績は悪くないと思いますが、今後の見通しを知りたいです。株価下落で株は買い時ですか?
株価の推移(チャート)はどんな感じですか?配当の実績や株主優待についても知りたいです。
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
・日本水産(1332)の株価が下落?|ニッスイの株価の状況は?
・日本水産の配当と株主優待は?
・日本水産の株価の推移(チャート)は?
・日本水産の株は買い時?今後の株価の予想は?
投資歴20年のかいまるです。日本株や米国株を中心に1千万円以上の資産を運用しています。
日本水産(ニッスイ)の株価の下落に関して以下のツイートをしました。
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日本水産の株価分析です。2019年に入って株価が下落傾向ですが、南米事業で養殖用の稚魚が大量死して業績が一時的に悪化したことが要因。直近の決算で業績回復が確認されてます。
株価は長期的に右肩上がり、業績も内需株らしく底堅い。購入はありですね。https://t.co/JuuEYAkohv— かいまる (@leverage_toushi) January 6, 2020
日本水産の株価分析です。2019年に入って株価が下落傾向ですが、南米事業で養殖用の稚魚が大量死して業績が一時的に悪化したことが要因。直近の決算で業績回復が確認されてます。
株価は長期的に右肩上がり、業績も内需株らしく底堅い。購入はありですね。
上記を深掘りします。
日本人の生活に密着した水産業界。しかし水産食品の消費は、2001年をピークに日本国内では減少傾向。水産物を食べるという昔からの日本の習慣も、最近では食の欧米化によって縮小が続いています。
一方、世界全体では、新興国における個人所得の増加や健康意識の高まっていて、これら地域での流通システム の整備等インフラ面の改善もあって、特に中国やインド、インドネシアを中心に増加傾向にあります。
縮小が続く国内事業を尻目に、更なる拡大が見込まれている海外市場の需要を取り込むべく、水産事業会社は海外事業を強化しています。
今回は、そんな水産・食品業界の大手である日本水産(ニッスイ)の株価について分析です。
目次
日本水産の株価が下落|ニッスイの株価の状況は?
日本水産は、水産物の漁獲および買付などを行う水産事業、そして冷凍食品、缶詰、その他の加工食品を製造しています。通称は、同社のブランド名でもあるニッスイとなっています。
特徴的なのは海産物を医薬品や化粧品の原料として販売する医薬品事業も行なっていることです。水産食品業界の中ではマルハニチロに次ぐ2位ですが、この医薬品事業のおかげもあり、水産業界では収益性の高い企業といえますね。
では早速ですが日本水産の株価データ(2020年1月6日現在)を見て行きましょう。
- 株 価: 629円
- P E R : 11.1倍(予想)
- P B R : 1.30倍(実績)
- R O E : 11.70%(予想)
- 配当利回り:1.35%
株価の指標に関しては、日本国内の需要減少が続く水産業のわりには”あまり悪くないな”というのが率直な印象ですね。ただ、配当利回りが1.35%と日本株の中では低い水準といえます。
PERの目安は13~15倍ぐらいですから11.1倍というのは割安な水準。
他の同業他者と比べて見ると、
- マルハニチロ:8.3倍
- ニチレイ:16.5倍
- 極 洋:10.3倍
となっていて、ライバル3社と比較すると必ずしも割安な水準とは言えないですね。
水産業界の成長力はそれほど期待できないこともありPERの水準は低いです。株価は加熱しずらいですね。
日本水産の配当実績は?
続いて配当実績を見ていきましょう。
以下が日本水産の配当金の実績と2019年以降の見通しですね。

ここ最近は配当金が伸びているものの、2013年と2014年は無配だったんですよね。株主還元の基本方針は、
長期的・総合的視野に立った企業体質の強化ならびに将来成長が見込まれる分野の事業展開に備えた内部保留にも意を用いつつ、経営環境の変化に対応して当社および当社グループの連結業績に応じた株主還元を行うことを基本方針
となっていて、特に配当性向などの目安は設けていないですね。
直近5年間の配当性向は、5〜16%程度なので問題のないレベル。しかし、過去の実績から業績次第では躊躇なく減配される可能性があるということです。
日本水産の株主優待は?
続いて日本水産の株主優待制度を確認していきましょう。内容がグレードアップするタイプの優待ですね。
・権利月:3月(年1回)
・内 容:ニッスイの自社製品
・500株〜1000株未満:3,000円相当
・1000株以上:5,000円相当
7月ごろに、株主に対して以下のようなニッスイの自社製品がが送付されます。

必要最低株数は単元株の100株ではなく500株ですね。現在の株価はそれほど高くないこともあり、500株のハードルもそれほど高くないですかね。内容的にも結構充実していてお得感があるのでは。
日本水産の株価の推移(チャート)は?
続いてチャートを確認していきましょう
水産業界2位の日本水産ですが、これまでの株価推移はどうなっているのでしょうか?ここでは過去10年の長期チャートと短期チャートを見ていきます。
日本水産の長期チャート
以下は過去10年のチャートです。
水産物の国内需要が低迷しているわりには、この10年でしっかりと株価が上がっていますすね。長期的には綺麗な右肩上がりのチャートです。
業績悪化で無配となっていた2013年ごろに200円程度だった株価が、2016年には600円程度にまで上昇。3年程度で3倍にまで上がってますから十分すぎるパフォーマンスですね。
あと特徴的なのは、水産業は内需株ということもあり、2015年のチャイナショックや2018年末のアップルショックのような外的要素の影響をほとんど受けていないことですね。
日本水産の短期チャート
以下が直近1年の短期チャートです。

短期的には株価は下落傾向ですね。
2019年3月:863円
2019年8月:581円(🔻32.7%)
となっていて、半年足らずで結構な下げ幅。ただ、直近の株価は下げ止まってますね。
チャート的には600円あたりがサポートラインとなっていて、この水準まで下げると株価は反発していますね。75日移動平均線をブレイクしてジリ高で短期的な下落傾向は止まった可能性がありますね。
当面は700円に向けて株価は推移しそうで、このラインをブレイクするともう一段高が期待できますね。
水産業界大手の日本水産。短期的には株価は下落傾向でしたが、この要因は何なのか?続いて業績を見ていきましょう。
日本水産の株価が下落している理由とは?
日本水産の株価が短期的に下落しているのは、2018年度決算が減益となったからですね。減益の主な要因は養殖用の稚魚が大量死したことによるもの。
2019年度上半期決算で業績が回復が確認されていますね。以下、クイックに見ていきます。
2018年度は増収減益
ここでは業績推移を確認していきましょう。売上高の推移は以下のグラフのとおり。
続いて以下が、営業利益、純利益です。

この業績推移を見ると、
・売上高は増加傾向
・2018年度の営業利益、純利益は減収
ということがわかります。2018年度を除いて、国内需要の減少を海外事業は医薬品事業でしっかりとカバーしていたということですね。
減収となった要因は、南米で養殖用の稚魚が大量に死んだ事による売上減少と、国内水産・加工事業の苦戦ですね。南米は一時的要因でしょうが、国内需要の減少は今後も続くでしょうね。

直近の上半期決算は減収増益
高島屋が2019年11月に発表した2020年3月期上半期決算は減収増益でした。
・売 上 高 :3454億円(前年同期比1.4%減)
・営業利益: 111億円 (4.9%増)
・純 利 益 : 78億円 (13.1%増)
となっています。昨年は南米の養殖事業で稚魚が大量死した影響がなくなり営業利益や純利益が回復していることが確認されました。
最近の株価が下げ止まったのも、わりと好調な上半期決算を受けてということでしょう。
日本水産の株は買い時?今後の株価は?
業績は回復の兆候が見えてきたものの、株価も下げ止まっている日本水産。株は買い時でしょうか?
長期投資という観点からは日本水産株の購入はありかなと考えてます。理由としては、
・長期的にも株価が上昇傾向
・株主優待も充実
・業績が底堅い内需株
ということ。水産業界全体に言えることですが、国内需要は高齢化による人口減で減ることが予想されるので、今後の業績は海外事業次第ですね。
2018年度は南米事業で養殖用稚魚が大量死したという影響があり減益となりましたが、直近の決算で影響が一時的であったことが確認されています。営業利益、純利益ともに大幅に回復してますね。
もちろん国内事業は苦戦しているものの、海外事業でしっかりと補っていることもあり、今後の業績も期待できるのでは。
チャートの形も悪くないこともあり、内需株の比率を高めたいという方にとっては底堅い業績が見込める日本水産はありかと思います。
「日本水産の株価が下落」まとめ
今回は日本水産の株価が下落ということで、株価の推移(チャート)、株主優待、配当実績や今後の株は買いかなどについて述べてきました。
水産業大手の日本水産。2018年度の業績は一時的要因で減益となったものの、国内需要の落ち込みを海外事業で補っており、基本的には増収増益傾向です。
株価も長期的に右肩上がりで、外国の政治・経済状況の影響を受けない内需株の特徴がよく出たチャートになってますね。業績堅調な内需株ということで、日本水産株への投資はありと考えます。
それでは。
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