キリンホールディングス(2503)の株価が大幅に下落している理由を知りたいです。キリンの株価の推移(チャート)や今後の見通しはどんな感じですか?
配当金の推移や株主優待についても知りたいです?
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
・キリンの株価が大幅下落!
・キリンホールディングス(2503)の株価の状況は?
・キリンの株価の推移(チャート)は?
・キリンの配当と株主優待は?
・キリンの株は買い時?
投資歴20年のかいまるです。日本株を中心に1,000万円以上の資産を運用しています。
キリンの株価が下落している理由に関して以下のツイートをしました。
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事業多角化を進めるキリンですが
・買収したオーストラリア飲料会社ライオンの不振
・子会社の協和発酵バイオ赤字転落
で株価大幅下落。ただ上場以来減配もなく、既に海外事業や医薬事業も収益の柱。自分は株価がもう少し下がったところで買いを入れたいですhttps://t.co/EDOSMe28Yy— かいまる (@leverage_toushi) February 18, 2020
事業多角化を進めるキリンですが
・買収したオーストラリア飲料会社ライオンの不振
・子会社の協和発酵バイオ赤字転落
で株価大幅下落。ただ上場以来減配もなく、既に海外事業や医薬事業も収益の柱。自分は株価がもう少し下がったところで買いを入れたいです
上記を深掘りします。
目次
キリンの株価が1日で約8%下落…
2020年の業績予想が市場の予想を大きく下回ったことから、キリンの株価は大幅に下落しました。

下落幅は、
・2020年2月16日:2532円
・2020年2月17日:2337円
となっていてわずか1日で195円安(−7.7%)の大幅減。要因はバイオ子会社である協和発酵バイオの業績不振のため。
国内酒類事業の先細りが確実な中、協和発酵バイオなどが手がける健康事業を成長のけん引役として期待されていただけに、投資家の失望が大きかったということでしょう。
短期的に大幅に下落したキリンホールディングス。以下、業務内容、株価、業績について見ていきます。
キリンホールディングス(2503)ってどんな会社?
キリンといえば、言わずと知れたビールメーカーの最大手。「一番搾り」などのビールや「午後の紅茶」などの飲料メーカーということもあり、かなり身近に感じる企業ですね。ビール+発泡酒+新ジャンルのシェアは31.8%と業界2位。
ビールメーカーというイメージが強いですが、清涼飲料、ウイスキー、健康食品、医薬品などを製造および販売もしています。キリンの特徴は、他の酒類・飲料メーカーと比べて、事業の多角化がわりと進んでいる企業といえますね。
以下がそのセグメント別の事業利益(2018年)となっています。

オセアニアや東南アジアなどの酒類事業の利益比率が全体の30%を超えています。また、協和発酵キリンに代表される医薬・バイオケミカル事業がビールや清涼飲料事業に続く第3の柱として存在感を示していますね。
また以下の記事にもまとめてますが、2019年にはファンケルとも資本業務提携を進めて筆頭株主になるなど、酒類事業だけじゃなく、医薬や健康食品事業に力を入れています。

日本では将来的に人口減少や若者のアルコール消費減少で国内だけだと酒類需要の先細りは確実。将来を見据えて事業の多角化を精力的に進めているということでしょう。
キリンホールディングス(2503)の株価の状況は?
ではキリンの株価データ(2019年2月18日現在)をチェックして行きましょう。
- 株 価: 2311.5円
- P E R : 17.2倍(予想)
- P B R : 2.19倍(実績)
- R O E : 12.70%(予想)
- 配当利回り: 2.81%
株価の指標に関しては、パッと見た感じ”悪くないな”というのが率直な感想。配当利回りは2.81%というのは日本株の中では結構な高配当で、他のリース企業と比べても高い水準です。
若干PERが高いですかね。PERのは13~15倍ぐらいですから17倍というのは割高な水準。ただ同業他者のPERと比較してみると、
- アサヒビール:15.1倍
- サッポロHD:38.9倍
- サントリBF:20.3倍
となっていて、キリンのPERは他の競合するリース企業と比較すると、それほど高いわけではないですね。
キリンの株価の推移(チャート)は?
続いてチャートを確認していきましょう。
酒類メーカー最大手のキリン。これまでの株価推移はどうなっているのでしょうか?
ここでは過去10年の長期チャートと短期チャートを見ていきます。
キリンの長期チャート
以下は過去10年のチャートです。
最近の株価は下落傾向も、10年の長期で見ると株価はしっかりと伸びていますね。
キリンは海外事業の売り上げが比較的高いとはいえ、売り上げの8割近くを国内事業で稼ぐ”内需株”とも言えるので、2015年のチャイナショックの影響とかはほとんど受けていないですね。
2018年の株価下落は、米中貿易摩擦の影響ではなく買収した豪州メーカーの業績不振によるもの。
キリンの2年チャート
以下が直近2年間のチャートです。

2018年以降、26週移動平均線を抵抗線として教科書通り綺麗な下落傾向です。
チャート的にはサポートラインである2200円あたりを割り込むと株価が反発しているのがわかります。このラインを大きく割り込むようだと、1800円あたりを目指して下落が加速しそうです。
キリンの配当金の実績は?
以下がキリンの配当金の実績です。

綺麗な右肩上がりの配当推移となっていて、非常に素晴らしいです。
キリンは上場以来、減配は一度もなく安定的。リーマンショックのあった2008年ごろも減配していないのも安心材料です。
キリンの配当利回り2.8%超えの高配当企業。過去の実績から減配はないと思いますが、ただ配当性向が2018年で80%を超えるなど苦しくなってきているのは確かですね。
キリンの株主優待は?
上場以来減配のないキリン。株主優待はどうなっているのでしょうか?
やはり自社サービスや商品の優待が改悪されるリスクが少なくて良いですよね。
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キリンビールはなんとビール又は清涼飲料水の詰め合わせ、キリンシティ食事券などの中から好きなものを一つ選択してもらえます。100株の保有なら1,000円相当ですね。

以下の①〜⑤のうちいずれかを選択(1000円相当)
- 一番搾り詰め合わせセット(合計4本)
- 清涼飲料の詰め合わせ(合計7本)
- キリンシティお食事券(1,000円相当)
- サッカー日本代表応援グッズ:タオルマフラー
- 「キリン飲酒運転根絶募金」への寄付(1,000円)
以下の①〜⑥のうちいずれかを選択(3000円相当)
- 一番搾り詰め合わせセット(合計12本)
- 清涼飲料の詰め合わせ(合計18本)
- メルシャンワイン詰め合わせ
- キリンシティお食事券(3,000円相当)
- サッカー日本代表応援グッズ:タオルマフラー+Tシャツ
- 「キリン飲酒運転根絶募金」への寄付(3,000円)
詳細はキリンホームページをご覧ください。
キリンの業績は?
続いてキリンの業績を見ていきます。以下が過去5年の売上高、営業利益、純利益の推移(単位:10億円)。


パッと見た感じ、あまり良くないですね。売上高は過去5年でほぼ横ばいで全く成長していません。営業利益も2017年をピークに2年連続の減益です。
要因としては、
・買収したオーストラリアの飲料事業会社「ライオン」の不振
・子会社の協和発酵バイオの一部製品の出荷停止
のため。特に子会社の協和発酵バイオは、定められた手順と異なる方法で薬を作成していたことが判明して2019年9月から一部製品の出荷を停止。今期は赤字転落です。
成長のけん引役として期待されていただけに、投資家の失望は大きく、決算発表の翌日のキリン株価は1日で8%近く下落しました。
国内の酒類・飲料事業の先行き需要が先細る中、今のところ先行投資をしてきた海外事業と医薬・健康事業が実を結んでいない状況と言えそうです。
キリンの株は買い時?
業績悪化もあり株価が下落傾向のキリン。株は買い時でしょうか?
業務の多角化を進め、ビールや清涼飲料水の国内需要も底堅く、上場以来減配のない優良銘柄ですが、当面は様子見と考えています。
理由を端的に言えば、
・国内事業の先細り
・海外事業や医薬・健康事業が今のところ不振
ということですね。ただ、悪材料が出尽くした感もあって、医薬・健康事業が状況次第では投資したい銘柄ですね。
人口減少する日本では、国内酒類・飲料需要は確実な状況の中、キリンは海外事業と医薬・健康事業の利益がそれぞれ25%〜30%となっていて、完全い事業の柱となっていますよね。
協和発酵バイオの出荷停止も一時的な業績低下要因とも考えられ、今期の業績はそれほど悪くならないのではと考えます。
なので自分は当面様子見も、医薬・健康事業の業績が上向いた時、又は株価が1800ぐらいまで下落した場合には買いを入れようかと考えています。
「キリンの株価が下落」まとめ
今回はキリンの銘柄分析ということで、株価の推移、配当実績や株主優待、今後の株は買いかなどについて述べてきました。
上場以来減配のないキリン。配当利回りも2.8%を超えていて株主優待も充実していることもあり、長期保有の観点からも非常に魅力的な銘柄と言えます。
他方、事業多角化のため先行投資してきた海外事業と医薬品・健康事業の収益化が未だ軌道に乗らないこともあり、株価が短期的に大幅下落しています。
キリン株への投資は、当面は様子見ですが、株価がもう少し下落したタイミングか医薬事業の業績が上向いたところで買いを検討したいと思います。
それでは。
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