米国株のアルトリア(MO)への投資を考えています。アルトリアの株価の見通しや予想を知りたいです。新型コロナ拡大も株価は下落しているようですが…。
株価の推移やチャートの特徴はどんな感じですか?MOの株は買いですか?
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
- コロナショックでアルトリア(MO)の株価下落!
- アルトリア(MO)って何の会社?
- アルトリアの株価の推移(チャート)と特徴は?
- アルトリアの今後の予想は?成長期待で株は買いか?
投資歴20年のかいまるです。米国株を中心に1,000万円以上の資産を運用しています。
米国内でたばこ事業を展開するアルトリア(MO)。業績は安定していて、配当利回りは8%を超える水準です。
結論から言うとアルトリア株は、
・新型コロナの影響軽微
・実質的に米国市場を独占
・加熱式たばこの米国内販売認可
ということもあり、今後の株価上昇は十分に期待できると考えます。他方、2018年に巨額買収した電子タバコメーカーのジュール社ですが、電子タバコの規制強化の影響で、直近の決算で1兆円にのぼる減損処理を余儀なくされるなど、逆風も吹いています。
今回は、そんなアルトリア(MO)について銘柄分析です。
なお米国株に関連するページについて、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
関連ページ
・米国株取引手数料ゼロの証券会社
・米国株の情報を効率よく収集する方法
・米国株の買い方
・米国株のおすすめ投資本
・米国ETFを手間をかけず自動運用する方法
・相場を気にしない年率5%程度の投資法
目次
コロナショックでアルトリア(MO)の株価下落!
新型コロナウイルスの拡大による、経済への影響によって世界同時株安が進行。いわゆる”コロナショック”により米国株式市場も大暴落となり、ダウ平均株価も2週間程度で37%も下落する異常事態となりました。
そのような状況の中、以下のチャートのようにアルトリア(MO)の株価も一時的に大きく下落しましたが、すぐに株価が反発しています。

2月16日の直近高値からわずか1ヶ月程度で
・2月21日:45.89ドル
・3月16日:31.38ドル(🔻31.6%)
となり、30%以上の急落となりましたが、この期間におけるダウ平均株価の下落幅は35%程度なので、指数と同じぐらい下げたということです。株価は3月16日にの安値を付けてから大きく反発しており4月の段階で40ドル近辺まで上昇しています。
新型コロナ拡大によって、ボーイングやデルタ航空などセクターによっては経営危機に陥る企業も出ている中、たばこ事業のアルトリアの業績への影響は軽微であると考えられます。以下、ネットフリックスの会社概要、株価の状況、業績などを見ていきます。
アルトリア(MO)ってどんな会社?
アルトリア(MO)は米国で事業を展開しているたばこ製品の製造・販売を行っている会社の最大手の一つです。マールボロ(Marlboro)などのたばこブランドが有名ですね。
2007年に食品事業のクラフトハインツを分社化、さらに2008年に訴訟リスクを避ける観点からアルトリアのタバコ事業国際部門を担当するフィリップ・モリスを分社化しました。なのでアルトリアは米国内でのみたばこ事業を展開している会社ということになります。
アルトリアはワイン事業なども扱っていますが、売上の95%以上はたばこの販売です。収益の大半がたばこ事業ということもあり、規制やルールの変更があると業績に大きな影響が及ぶんですね。
FDA(米食品医薬品局)が電子タバコの規制を強化するなどの報道があると株価が大きく影響を受けることになります。
次に株価や最近の動向について見ていきます。
アルトリア(MO)の株価の状況は?
では早速ですが、アルトリアの株価の状況をみていきましょう。ここでは株価データと銘柄の特徴について取り上げます。
アルトリアの株価データ(2020年5月5日現在)を簡単にまとめました。
- 株価: 38.01ドル
- PER: 8.93倍
- 配当金: 3.36ドル
- 配当利回り:8.86%
アルトリアは、不況時でも業績の落ちない高配当ディフェンシブ銘柄の代表銘柄ということおもあり、株価の指標は低PERで高配当となっていますね。コロナショックで株価が下落しているとはいえ、これほどの大企業が、配当利回りが9%近いというのは驚きです。
高配当銘柄として有名なアルトリアですが、米国株にはこの他に多くの高配当でしかも連続増配を続けている企業があります。中には7%を超える銘柄や60年以上連続増配している銘柄も。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。

アルトリアの株価の推移(チャート)は?
次にアルトリアの長期チャート(10年)を見ていきます。以下が過去10年のチャートで、比較のためにS&P500も掲載しています。

赤:MO 緑:S&P500
アルトリアは10年間で株価は70%増となっていてS&P500と同じぐらいのパフォーマンスですが、配当利回りが高いことを考えるとと、全体的なリターンはアルトリアの方が断然高いですね。
2017年ぐらいまでは右肩上がりで70ドルを超えるところまで上昇しましたが、FDAの規制強化の影響や加熱式たばこであるアイコスの販売認可がおりないこともあり株価の下落傾向が止まらない状況です。
なお、株式投資で勝率を高めるためには、しっかりとした投資理論を身に着けることから。以下の記事では、初心者向けのものから古典まで、おすすめの米国株投資本を紹介しています。

アルトリアの売上高や利益は?
次にアルトリアの業績をみていきます。以下のグラフは、売上高、営業利益、純利益、営業利益率の推移となっています。

たばこ事業は大きな成長の見込めない事業ということもあり、売上高はここ10年間で少しずつ増えている状況ですね。アルトリアは米国内だけで事業を展開していますが、人口が増えていることもありたばこの売上は底堅いといえるでしょう。
注目すべきは50%を超える営業利益率ですね。他のセクター(業種)と比べても極めて高い利益率ですね。同業のJT(日本たばこ産業)で25%程度であることを考えると、アルトリアの事業が極めて安定していることがわかります。
そもそも、たばこ事業は設備投資がほとんど必要がないこと、規制が厳しいため新規参入が難しく実質的に市場を独占していることにより、これだけの利益率をたたき出せるということです。
しかし、業績鉄板のアルトリアも、2019年は1兆円近い損失を計上したことから純利益がマイナスとなっています。これは2018年に巨額買収した電子タバコメーカーのジュール・ラブズの評価額を見直しを行ったことによるもの。
吸いやすい電子タバコが未成年者を中心に流行したこともあり、自治体が独自に販売規制を導入し始めているほか、米政府も規制を強化する方針が打ち出されたためですね。
参考記事:米アルトリア、電子たばこ出資で9400億円の評価損(日経新聞)
アルトリアの配当金の推移は?
次にアルトリアの配当実績をみていきましょう。以下が過去10年間の実績となっていて、綺麗な右肩上がりです。

配当金は10年で2倍以上に上昇。配当金の状況をまとめると、
・連続増配:50年
・5年平均増配率:10.30%
となっています。2008年に国際部門としてフィリップ・モリスを分社化して以降、順調に配当金を伸ばしています。連続増配もついに50年の大台に乗っていて、増配率も10%を超えており、配当パフォーマンスは文句なしです。
配当性向は70%を超えており、さすがに厳しいかもですが、たばこ事業は設備投資がほとんど必要のない事業で、高い営業利益率を誇っていることを考えると、それほど問題はないと思います。
アルトリアの株価の予想は?
新型コロナ拡大の経済影響が未だ見通せない状況ですが、アルトリアの業績は今後も底堅く、株価もじきに回復するのではないかとみています。
理由を端的にいうと、
・新型コロナの影響軽微
・実質的に米国市場を独占
・加熱式たばこの米国内販売認可
ということ。未だ新型コロナ拡大収束の見込みが立たず、航空業界や製造業、飲食店などを中心に企業業績が大きく影響を受けている中、外出制限が続いたとしても。たばこの需要は大きく落ち込むことは考えずらいですね。
さらに、たばこ事業は厳しい規制で知られていますが、裏を返すと新規参入が極めて困難な寡占事業であるため、ビジネスモデルが非常に安定しています。
巨額買収したジュール社の評価損により、2019年の純利益はマイナスとなりましたが、見方を変えると新しい企業が進出してきた電子たばこ分野での規制が強化されることにより、本業の紙たばこ事業が安定するともいえるわけです。
さらに2019年に加熱式たばこのアイコスが、米国内での販売を当局から承認されました。加熱式たばこの市場は世界的に拡大していることから、米国内での販売承認は間違いなくアルトリアに対して追い風です。
高い配当利回りで不人気に放置されている今こそ、アルトリア株の買いを検討しても良いのではと考えます。
なお、米国株への投資を考えている方には”取引手数料ゼロ”のDMM株が圧倒的にお得でおすすめです。
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日本株の売買手数料よりも、かなり割高な状態なんですよね。
その点、DMM株なら取引手数料ゼロで米国株を購入することが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。

アルトリアの株は買いか?まとめ
今回は、アルトリア(MO)の銘柄分析ということで、株価の推移(チャート)や特徴、株は買いかについて述べてきました。
配当利回りが8%を超える水準のアルトリア。たばこ事業ということで、不人気銘柄の代表格ともいえるわけですが、不況下やコロナ拡大局面でもたばこ需要がなくなることはなく、業績は極めて安定しているといえます。
もちろんたばこ事業自体に大きな成長は見込めませんが、設備投資がほとんど必要なく、市場も独占していることを考えると、今後も堅調な業績を期待できると考えます。
高い配当利回りで不人気に放置されている今こそ、アルトリア株の買いを検討しても良いのではと考えます。
米国株に関する情報を効率よく収集するには?
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米国ETFに手間をかけずに自動運用する方法とは?
株式への資産運用が最もパフォーマンスが良いことは、過去のデータから明らかですが、コロナショックのように短期間で大暴落することも。
やはり資産運用の基本は、米国株、日本株を保有しつつ、債券や金、不動産などに資産を分散して長期運用するというのが合理的な手法です。
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