米国ETF LQDの株価やチャートの特徴について知りたいです。
債券ETFやS&P500に連動するETFもありますが、これらに比べてLQDに投資するメリットは何ですか?配当実績についても知りたいです。
このような疑問を持つ方にむけて記事を書いています。
- LQD:株価の基本データと特徴は?
- LQDの構成銘柄とセクター比率は?
- LQDのチャートとリターンは?
- LQDの配当実績と増配率は?
投資歴20年のかいまるです。米国株や米国ETFを中心に1000万円以上の資産を運用しています。自分も長期債券ETFを保有して安定したインカムを得ています。
今回は国債中心で構成されたETFよりも高いインカムが期待できる社債ETF LQDについて取り上げます。
簡単に特徴をまとめると、
・ETF1本で2000銘柄の社債に分散投資
・分配金再投資で年率6%近い高リターン
・年率3%程度の高い分配金利回り
ということで、非常に魅力的なETFなんですよね。その特徴について見ていきましょう。
なお米国株や米国ETFに関連するお得な情報や役に立つ情報のページについて、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
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・米国株の買い方
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目次
社債ETF LQD:株価の基本データは?
LQDはiシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETFという名称で、米ドル建ての投資適格社債で構成される指数と同等水準の投資成果を目指したETFです。
投資適格債とは、格付け会社からBBB以上に格付けされた債券のことで分配金が支払われなくなるようなデフォルトリスクが低いと評価されているということです。
この格付けよりも低い債券は投資不適格債、いわゆるハイ・イールド債(ジャンク債)と呼ばれ、デフォルトリスクは高いんですが、普通の債券よりも高い分配金が期待できます。
日本ではあまり知名度の高くないETFかもですが、総資産総額が3.8兆円もある投資家からの人気も高いETFですね。
今回は、そんな米国の格付けの高い社債全体に投資することができる社債ETF LQDについて分析していきます。
早速ですが、LQDの株価データを見ていきましょう。
- インデックス:Markit iBoxx米ドル建てリキッド 投資適格指数
- 信託経費率 : 0.14%
- 分配金利回り: 2.94%(過去12ヶ月)
- 標準偏差 : 7.09%(過去3年)
- デュレーション:9.67年
- 設 定 日:2002年7月22日
LQDの経費率は0.14%となっていて、わりと低いですね。20年超え長期国債に連動する米国ETF TLTとほぼ同じ経費率です。
全債券市場ETF BNDの0.04%よりは高いかもですが、日本から米国の社債を購入するのはかなり難しいことを考えると妥当なところですね。
分配金利回りは3%弱とまずまずの水準。TLTが2%程度ですから、国債よりも社債の方が分配金利回りの点で有利ということ。
LQDの構成銘柄とセクター比率は?
LQDの構成銘柄
構成銘柄上位10社(2020年7月20日現在)は以下の表のとおりです。

LQDは約2000銘柄の社債で構成されていますが、上位に入っているのは全て大手企業ばかりですね。
バンクオブアメリカやJPモルガン、ウェルスファーゴなどの金融業、AT&T、ベライゾンなどの通信業の社債が上位に入っています。
これらの企業は社債の発行が多いことに加えて比較的分配金も高いということもあり、組み入れ率が高くなっています。
国債に比べて社債の方が格付けは落ちますが、業績が安定している企業の社債が上位を占めていて、しかも2000銘柄に分散されています。
LQDのセクター比率
続いてセクター比率です。

金融業の割合が25%を占めているところが特徴的ですね。
金融ショックなどがあると影響を受けやすいということで、ハイ・イールド債ほどではないにせよ景気の動向には敏感な債券ETFといえるでしょう。
LQDのチャートとリターンは?
LQDの長期チャート
以下はLQDの10年チャートです。比較のために長期国債ETF TLTと全債券市場ETF BNDも載せています。

赤:LQD 青:TLT 緑:BND
リーマンショック以降、金利が低下傾向で債券価格が上昇していることもあり、債券ETFは概ね堅調ですね。
LQDはこの10年で+32%。この上昇に加えて分配金も毎月支払われていることを考えると、十分すぎるパフォーマンスです。
値動き自体も水色の長期国債ETFに比べると安定しています。過去3年の標準偏差が±9%程度ということであり株式などと比べても値動きは小さいですね。
ただ、2020年のコロナショック前後のチャートを見ると社債ETFの株価が大きく下落しているのがわかります。

赤:LQD 青:TLT 緑:BND
赤のLQDは、2020年3月上旬からわずか2週間程度で15%以上下落しています。
新型コロナウイルス拡大による株式市場大暴落”コロナショック”のような企業業績に大きく影響の出るような事態が生じると、社債市場も大きく影響を受けるんですね。
国債に比べて格付けの低い社債が短期的に売られやすくなるということです。
「BNDの安定感はスゴイ」でも書きましたが、LQDと比較して短期の債券や格付けの高い国債を中心に構成されているBNDは圧倒的に値動きは安定していることがわかります。
社債の方が分配金利回りは高いものの金融危機などの事態には暴落するリスクが国債に比べて高いということは、理解しておいた方が良いですね。
このように、株式や債券の特徴をしっかりと把握して投資することで、投資の勝率を高めることにつながります。おすすめの米国株投資本については、以下の記事にまとめていますのでぜひご覧下さい。

LQDのリターン
LQDの分配金も含めたトータルリターン(2020年7月20日現在)は以下のとおりです。

2002年の設定来リターンで年率6%程度と申し分ないリターンといえますね。株式の過去のリターンが7%程度ですから、債券ETFということを考えると十分すぎますね。
ちなみに年率6%というのは配当再投資をすると12年程度で保有資産が倍になるということです。
LQDの値動きは株式に比べて安定しているので、資産形成に向いた商品といえるでしょう。
LQDのこれまでの分配金実績と増配率は?
LQDは他の多くの債券ETFと同様に分配金が毎月支払われます。配当実績は以下のとおり。

リーマンショックのあった2008年以降、米国の政策金利は下落傾向ということもあり分配金も減少しています。
金利が下がった分、債券価格も上がるのでトータルリターンはそれほど影響はないんですけどね。
他の債券ETFにもいえることですが、分配金に関しては金利の動向に影響を受けやすいということです。
コロナショックの対応で米国も実質的なゼロ金利に陥っていることを考えると、しばらくは分配金の増加は期待薄と言えそうです。
なお、ETFも配当に期待できますが、米国株に投資する魅力は高配当で長期間連続増配している個別銘柄が多いこと。中には7%を超える銘柄や60年以上連続増配している銘柄も。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。

LQDへの投資:ちょっとだけ考察
LQDは社債で構成されるETFですが、他の債券ETFと同様に、
・値動きが株式に比べて安定している
・安定したインカム(分配金)が期待できる
という特徴があることがわかります。
社債の方が国債に比べて分配金が高いですから、年率利回りが3%程度とBNDよりも高いインカムが期待できますね。
なので国債の代わりにLQDを加えることで、値動きを抑えつつ資産全体のインカム収入を増やすと行った使い方ができると思います。
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「社債ETF LQDの株価」まとめ
今回は、米国の社債ETF LQDの株価とチャートということで、その特徴と株価の推移(チャート)、配当金の推移等について見てきました。
LQDの特徴をまとめると、
・ETF1本で2000銘柄の社債に分散投資
・分配金再投資で年率6%近い高リターン
・年率3%程度の高い分配金利回り
ということですね。
長期的には株式に及びませんが、値動きが安定しつつ年率6%のリターンというのはかなり優れたETFと言えそうです。
もちろんコロナショックのような信用不安があれば格付けの低い社債は真っ先に売られるため国債に比べるとリスクは高いことは間違いありません。
なので国債で構成されるETFと併用することで、ポートフォリオ全体の分配金利回りをあげるといった使い方がおすすめできると思います。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
米国株に関する情報を効率よく収集するには?
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米国ETFに手間をかけずに自動運用する方法とは?
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