HYGは配当利回りの高いETFですけれども、株価の推移(チャート)や特徴はどうなっていますか?
S&P500などに連動するETFと比べて、HYGに投資するメリットは何ですか?配当実績についても知りたいです。
このような疑問を持つ方にむけて記事を書いています。
- HYG:株価の基本データと特徴は?
- HYGの構成銘柄とセクター比率は?
- HYGの株価推移(チャート)とリターンは?
- HYGの配当実績と増配率は?
投資歴20年のかいまるです。自分は、HYGの株価やチャートに関して以下のツイートをしました。
HYGはハイ・イールド社債を集めた米国ETFですが、その特徴は
・配当利回り5.29%と高配当
・平常時の値動きが安定
ということ。
デュレーションは2.88年なので金利1%変動しても2.88%しか値動きしないということ。
AGG5.3年と比べても安定してますね。インカム目的としては面白いETFと言えそうです。— かいまる (@leverage_toushi) August 25, 2019
HYGはハイ・イールド社債を集めた米国ETFですが、その特徴は
・配当利回り5.29%と高配当
・平常時の値動きが安定
ということ。
デュレーションは2.88年なので金利1%変動しても2.88%しか値動きしないということ。
AGG5.3年と比べても安定してますね。インカム目的としては面白いETFと言えそうです。
上記を掘り下げます。
なお米国株や米国ETFに関連するページについて、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
関連ページ
・米国株取引手数料ゼロの証券会社
・米国株の情報を効率よく収集する方法
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・米国株のおすすめ投資本
・米国ETFを手間をかけず自動運用する方法
・口座数500万超え!ネット証券シェアNo1
目次
HYG:株価の基本データは?
HYGは”iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF”という名称で、米ドル建ての高利回り社債で構成される指数と同等水準の投資成果を目指したETFです。
- インデックス:Markit iBoxx米ドル建てリキッド ハイイールド指数
- 信 託 報 酬 : 0.49%
- 配 当 利 回 り : 5.30%(直近12ヶ月)
- デュレーション : 3.41年
- ベータ値 : 0.50
- 組 入 銘 柄 数 : 994銘柄
- 設 定 日:2007年4月4日
BNDやAGGが国債を中心としたETFなのに対して、このHYGは信用力の低い社債、いわゆるハイ・イールド債の集めたETFということですね。
この”ハイイールド債”とは、
ハイ・イールド債とは、利回りが高く信用格付が低い債券のことで、ジャンク債などともいわれます。イールド(yield)とは、直訳すると、収益、利回りという意味となります。
具体的には、格付会社などで信用格付がBB(ダブルビー)以下の評価をされている債券で、信用度が低い分、格付の高い債券より金利が高く設定されています。※SMBC日興證券HPより
というもの。
信用格付けが低いぶんリスクが高い代わりに金利が高く設定されています。
リスクを多少とっても配当金を多くもらいたいという投資家にとっては、このハイイールド債に投資した方がメリットがあるということです。
HYGの株価の特徴とは?
ハイイールド債に連動するHYG。その特徴をまとめると、
- 株式よりも値動きが安定
- 他の債券ETFに比べて配当利回りが高い
- 信託報酬がわりと高め
ということ。クイックに見ていきましょう。
特徴その1:株式よりも値動きが安定
ジャンク債とはいえ債券ですので株式よりも値動きが大きくないという特徴があります。
S&P500をの値動きを比較したベータ値は0.50。このベータ値はS&P500の値動きを1としたものですから、HYGの値動きは2分の1程度ということです。
またデュレーション3.41年ということは金利が1%上下しても、3.41%しか値動きしないということ。
さらに言えば、安定した米国債券を集めたBNDですらデュレーションが6年程度ですから、最近のHYGの値動きは極めて安定しているということです。
特徴その2:他のETFに比べて配当利回りが高い
HYGに投資する一番の目的は配当金による安定インカムを得ることです。現時点で配当利回りは5.18%!ETFではあまり見られないレベルの利回りです。
最近は政策金利が下落傾向により、高利回りが期待できるHYGに買いが入っていますので利回りが若干低くなっているんですよね。
HYGを購入するタイミングによっては、5.5%近い利回りを得ることもできます。
特徴その3:信託報酬がわりと高い
ハイイールド債という特殊な商品を扱っているのでしょうがない面もありますが、信託報酬0.49%というのは米国ETFの中では比較的高めです。
なので長期投資を考えるときに、この信託報酬がリターンを押し下げてしまいます。
まあ日本のアクティブ型投信よりはずっと良心的なんですけどね・・・・。
HYGの構成銘柄とセクター比率
HYGの構成銘柄
構成銘柄上位10社は以下の表のとおりです。

(2020年9月11日現在)
格付けの低い企業の社債ということもあり、なじみのない会社ばかりですね。日本でも有名なのは通信のスプリントと自動車のフォードぐらいでしょうか。
スプリントはソフトバンクグループが親会社だったんですが、Tモバイルと合併してしまいましたね。
HYGのセクター比率
続いてセクター比率(2020年9月10日現在)です。

自動車などの製造業である景気循環消費、通信の比率が高いですね。
これらはインフラ整備に莫大な費用が必要になるので、借入金や社債の発行が多くなるため自己資本比率が低くなる傾向があります。
なのでこれらのセクターは、格付けが低くなり社債の金利も高くなるということでしょう。
HYG:株価の推移(チャート)とリターンは?
HYGの長期チャート
以下はHYGが設定された2007年からのチャートです。

このチャートを見てわかることは、
・2008年リーマンショックや2020年コロナショック時に大幅に下落している
・平常時の株価は株式に比べて安定している
ということ。特にリーマンショック時は2007年からの1年程度で株価が、
・105ドル → 62ドル
と40%近く落ち込みました。2015年ごろのチャイナショックの際も1年程度で20%近く値下がりしていますね。
なので債券とはいえジャンク債ですので、金融危機などが発生すると金融機関や投資家からの売りが入って値下がりしやすいということです。
HYGの株価自体は全く上がっていませんが、配当金が毎月支払われるので実際のリターンは大きくなります。
こう見ると、米国の債券市場全体に連動するBNDよりも値動きが激しいのがわかりますね。安定性を求めて購入する債券ETFではないということです。

S&P500との比較
次にS&P500と比較します。そのチャートが以下です。

赤:HYG 水色:S&P500
この比較でわかることは、
・株式に比べて値動きが安定している
・リーマンショック時の落ち込みが一番小さい
ということです。HYGは、ジャンク債と言っても債券なので株式よりも値動きは安定していますね。
なお、このチャートには配当金が含まれていないので、HYGとPFFの実際のリターンはもう少しS&P500に近づくことになります。
HYGのリターン
じゃあ実際にどれくらい儲かるの?というのが気になるところですね。HYGの配当金も含めたトータルリターンは以下のとおりです。

10年で73%と1.7倍以上のリターンを得られた計算になりますね。投資先としては十分なパフォーマンスと言えるのではないでしょうか。
インカムだけじゃなく値上がり益も得られるという点では、長期米国債に連動する債券ETFのTLTの特徴に近いものがあります。

ちょっと気になるのがインデックスとの乖離の大きさですね。10年で8%近く劣後しています。ETFが優秀かどうかについては、乖離幅で評価されることになります。
なのでHYGは、ハイイールド債を取り扱うという特殊性があって仕方ない面はありますが、ETFとしては若干評価が低いといえますね。
なお、今から米国株の投資を始める方には”取引手数料ゼロ”のDMM株が圧倒的にお得でおすすめです。
米国株は、大手のネット証券であるSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入することが可能ですが、手数料は3社横並びで約定代金の0.45%(最大20ドル)。
日本株の売買手数料よりも、かなり割高な状態なんですよね。
その点、DMM株なら取引手数料ゼロで米国株を購入することが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。

HYGの配当金がもらえるのはいつ?配当実績と増配率は?
安定した値動きで高い配当利回りが特徴のHYGですが、配当金は毎月振り込まれます。
正確には年末年始の関係で1月は配当金は振り込まれず、12月に2回の振り込みですね。
またHYGが設定された2007年からの配当実績は以下のとおりです。

リーマンショック以降は配当金が低下傾向ですね。これは景気刺激のためにFRBの政策金利が下がったことによるものと考えられます。
2017年から2018年ごろはFRBの政策が金融引き締めとなり金利が引き上げられる局面でしたから、若干配当金が上がってますね。
いずれにせよ過去の実績からは、他の債券ETFと同様に増配はあまり期待できないということがわかります。
なおHYGは高配当の債券ETFですが、米国株の中にも配当利回り7%を超えたり50年以上連続増配している銘柄もあります。
おすすめの銘柄について以下の記事にまとめていますのでぜひご覧ください。

「HYGの株価とチャート」まとめ
今回は格付けの低い債券であるハイイールド社債を集めたETF HYGの株価とチャートということで、その特徴と株価の推移(チャート)、配当金の推移等について見てきました。
HYGは格付けの低い債券を優先株を集めたETFであるという性質上、
・金融危機などの際は売りが集中して値下がりする
・信託報酬が高い
・金利低下局面で配当金が減少する
というデメリットはありますが他のETFよりも配当利回りが極めて高く、平常時の値動きは非常に安定しています。
なので純粋にインカム目的で利回りが出来るだけ高い商品に投資したいというのであれば、HYGは最適なETFの一つと言えます
最後に米国株やETFに賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
米国株に関する情報を効率よく収集するには?
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なお、モトリーフールの特徴や無料メルマガのメリットについては以下の記事にまとめています。

米国ETFに手間をかけずに自動運用する方法とは?
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やはり資産運用の基本は、米国株、日本株を保有しつつ、債券や金、不動産などに資産を分散して長期運用するというのが合理的な手法です。
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