米国情報技術セクターETF XLKの株価の推移や構成銘柄について知りたいです。
高配当ETFやS&P500に連動するETFもありますが、これらに比べてXLKに投資するメリットは何ですか?配当実績についても知りたいです。
今回は、このような疑問を持つ方にむけて記事を書いています。
- XLK:株価の基本データと特徴は?
- XLKの構成銘柄とセクター比率は?
- XLKのチャートとリターンは?
- XLKの配当実績と増配率は?
投資歴20年のかいまるです。米国ETFや米国株を中心に1500万円以上の資産を運用しています。
XLKはITセクターに連動するETFで、驚異的な株価の上昇を示しています。株価の値上がりだけではなく、配当金の増配率も極めて高いETFであることはあまり知られていません。
今回は、そんなXLKを取り上げます。
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目次
驚異的な成長のITセクターに連動するXLKとは?
XLKはテクノロジー・セレクト・セクター・SPDRファンドという名称のETFで、アップルやマイクロソフトなどが含まれる米国市場で最大の割合を占めるITセクターに連動するETFです。
2019年末の株式市場は、米中貿易摩擦緩和と英国議会選挙の保守党勝利を受けてリスクオンムード。米国では米ダウ平均、S&P500指数、ナスダック総合指数がそろって史上最高値圏で推移していました。
この好調な米国市場を牽引していたのが、まさに情報技術(IT)セクターと言っても過言ではありません。ITセクターの時価総額は既に550兆円を超えて、S&P500指数における比率で20%を超える割合を占めています。
以下の図は、過去5年の情報技術(IT)指数とS&P500の推移を示したものです。

赤:ITセクター 水色:S&P500 緑:日経平均
IT関連セクターの株価が力強く伸びていることがわかりますね。景気動向に敏感で値動きや浮き沈みが激しいものの、IT業界が成長期待の高い分野であることを象徴しています。
以下、このXLKについて詳細に分析です。
米国ETF XLKの株価の基本データは?
米国経済を牽引する情報技術セクターに連動するETF XLK。株価データは以下のとおりです。
- インデックス:テクノロジー・セレクト・セクター指数
- 信 託 手 数 料 : 0.13%
- 配 当 利 回 り : 0.97%
- 配 当 実 績 : 1.20ドル
- 組 入 銘 柄 数 : 71銘柄
- 設 定 日:1998年12月22日
手数料が0.13%とVTIやVOOの0.03%に比べてちょっと高くなっていますが、セクターETFという特殊性を考えれば妥当なところですし、十分に低い手数料といえますね。
配当利回りは1%弱とS&P500の2%程度と比べて低い水準です。
ITセクターの株価が高くなっていることと、ITが成長分野ということもあり、配当よりも研究開発などの投資に回しているためですね。
ちなみにバンガード社もITセクターETFとしてVGTを運用していますが、このETFは構成銘柄が300を超えているんですよね。なのでXLKは71銘柄ということもあり、大型株を中心に構成されていると言えるでしょう。
XLKの構成銘柄とセクター比率は?
XLKの構成銘柄
構成銘柄上位10社(2021年1月4日現在)は以下の表のとおりです。

世界のIT業界をリードしているグローバル企業ばかりですね。日本でもおなじみの企業が並んでいます。アップル、マイクロソフトあたりは、もはや説明の必要がないでしょう。この上位2社だけで構成比40%を超えていることが特徴的ですね。
意外なのはVISAやマスターカードが金融セクターではなく、ITセクターに組み入れられていることですね。これらのクレジットカード会社は、Eコマースの拡大から恩恵を受けやすいということなのでしょう。情報技術の成長に伴って、収益も拡大させてくことが期待されているということです。
9位にランクインしているのがsalesforce。日本ではあまり馴染みがないかもですが、エクソンモービルに代わりダウ30種に採用されたことで話題となりました。
企業の顧客管理を行うクラウドコンピューティングサービスでは世界でトップシェアを持つIT会社ですね。フォーブス誌で、”世界で最も革新的な企業”に4年連続で1位になるなど現在注目の会社です。
なお資産総額に占める上位10社の割合は約70%となっていて、かなり高い割合を占めています。
ちなみにGAFAの一角であるアマゾンは一般消費財(小売)セクターに所属、グーグルやフェイスブックは2018年のセクター変更に伴いITセクターから通信サービスに変更されました。
XLKのセクター比率
続いてセクター比率です。

特徴的なのは、IT技術そのものの基盤を支える半導体や電子部品、通信機器などよりも、ソフトウェアサービスや情報技術サービスの提供などの比率が高くなっていることですね。
情報技術セクターの中でも、ソフトウェアやサービスを提供している会社が大きく成長しているということです。
半導体や電子部品製造などの”川上部分”が強い日本企業が不振にあえいだ理由も見て取れますね。
XLKの株価の推移(チャート)は?
ここではXLKが設定された1998年からの長期チャートと直近1年の短期チャーとを分析します。
XLKの長期チャート
以下はXLKの設定来チャートです。比較のためにS&P500のチャートも掲載します。

赤:XLK 青:S&P500
設定されてから20年を超えているETFですが、S&P500よりも高いパフォーマンスであることがわかります。
ただ2000年代前半のITバブル崩壊により、ITセクターの株価は大きく落ち込んで、しばらく低迷したこともあり、20年超えの長期チャートで見ると思ったよりS&P500と差はないですね。

赤:XLK 青:S&P500
ただ2015年からの5年チャートを見るとITセクターの伸びが凄まじいことがわかります。これを見ると米国市場が他の国の市場に比べて好調なのは、ITセクターの成長が大きな要因ということですね。
XLKの暴落時チャート
2020年コロナショック時のチャートを見るとよりXLKの特徴が見えてきますね。
赤:XLK 青:SPY
2020年に入って新型コロナウイルス拡大による経済活動停滞懸念で株価が大暴落した、いわゆる”コロナショック”によりITセクターも大きく下落しています。2月下旬から3月中旬にかけて株価が40%近く下落しています。
ただ、アップルやマイクロソフトのハイテク銘柄は他のセクターに比べて新型コロナウイルス拡大による外出制限の影響を受けずらいということで、業績が比較的堅調なんです。
テレワークの拡大によるクラウド需要が増えていることや家にいる時間が多いので音楽配信などのサービスの売り上げが伸びているんですよね。むしろコロナ拡大が業績への追い風になっている状況です。
なので、XLKの株価は5月下旬の段階で年初の水準を回復していて、株価の回復はS&P500よりも早くなっていますね。
やはり情報技術が既に社会インフラ化していることで、今回のようなコロナショックがあったとしてもIT需要が落ちることはないということでしょう。
このように、個別銘柄やETFの特徴をしっかりと把握して投資することで、投資の勝率を高めることにつながります。おすすめの米国株投資本については、以下の記事にまとめていますのでぜひご覧下さい。

XLKのリターンは?
XLKの配当金も含めたトータルリターン(2020年11月30日現在)は以下のとおりです。

特筆すべきは、19%を超えている過去10年リターン。コロナショックによる大幅下落があったものの、過去10年の成長率は極めて高かったということです。株式の期待リターンはインフレ率を抜いて7%程度ということを考えれば、十分すぎる結果といえます。
ただし1998年の設定来リターンを見ると7.88%。2000年代前半のITバブル崩壊の影響によりITセクターの株価がしばらく上昇しなかったということで、それほど高い数値ではないですね。
※米国株に1000円から投資する選択
「米国株に興味があるけど、ちょっと難しそう」という方は、One Tap BUYで1000円の少額から始めるのが良いかも。スマホで簡単に米国株を取引できて、1000円からApple、Google、Amazon、Netflixなどの株主になれます。
XLKのこれまでの配当実績と増配率は?
XLKは他の多くのETFと同様に四半期に一度配当金が分配されます。配当実績は以下のとおり。

株価の上昇と同様に配当金も凄まじく伸びてますね。過去5年間の増配率の平均が10%超えとなっていて魅力的水準です。
ITセクターがここ10年で大きく成長しているのもありますが、アップルやマイクロソフト、インテル、VISAあたりの企業が高成長企業から業績の安定した成熟企業への転換を迎えているのも、高い増配率となっている要因です。
特にアップルやマイクロソフトあたりは、キャッシュリッチ企業で潤沢な内部留保を配当に回すよう大株主からの圧力も強いです。
順調に配当金が伸びていることを考えれば、株価の伸びだけじゃなく今後はインカムも期待できる優良ETFといえますね。ただし、ITバブル崩壊の直後やリーマンショック後は大幅に減配している点には、注意が必要です。
なお、ETFも配当に期待できますが、米国株に投資する魅力は高配当で長期間連続増配している個別銘柄が多いこと。中には7%を超える銘柄や60年以上連続増配している銘柄も。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。

XLKへの投資:ちょっとだけ考察
情報技術(IT)セクターは世界情勢的にも好条件にあふれていますね。
もはや5GやAI、IoT、フィンテックなどの情報技術分野が将来日常生活を送る上で一般的な技術となるため、経済規模は間違いなく拡大していくからです。
例えば、4G技術により最も恩恵を受けたのがスマートフォンの普及ですね。スマホ一つで、常にインターネットに繋がっている状態が一般化したということ。だけど、高齢者を中心にまだ利用していない人も多いですよね。
これが5GやIoT、フィンテックが普及してくると話が一気に変わってます。というのは、日常利用する自動車や家電製品などが全てネットに繋がるようになる、キャッシュレスが進み現金決済が廃れていくと行ったことが普通になってきます。
IT技術は生活基盤を支えるセクターになって行くのは間違いないこともあり、将来的にもXLKの株価には期待できると考えます。
さらに2020年の新型コロナ拡大でも、アップルやマイクロソフトを中心としてITセクターの業績は他セクターに比べて軽微でした。既に情報技術は日常生活に欠かすことのできない社会インフラ化していることは確実で、ITセクターは業績的にも底堅い銘柄と言えそうです。
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その点、DMM株なら取引手数料ゼロで米国株を購入することが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。最近人気が高まっているみたいですよ。

「米国ETF XLKの株価」まとめ
今回は、XLKの株価ということで、その特徴と株価の推移(チャート)、配当金の推移等について見てきました。
XLKの特徴をまとめると、
・過去10年間で高い成長率
・過去10年で19%以上の高いリターン
・新型コロナ拡大でもITセクターへの影響軽微
ということですね。
特にこのETFが秀逸な点は、株価や配当金の大きな成長と情報技術セクターの将来性ということです。
配当の伸びも値上がり益も文句なしです。現にリーマンショック後の過去10年の株価推移は、S&P500よりもはるかにパフォーマンスが良いです。
景気後退局面では大きく株価を下げる可能性もありますが、すでにIT技術は日常生活に欠くことことのできない社会インフラ化しており、将来的にも5GやAIなどへの期待が非常に高い分野といえます。
なのでXLKはポートフォリオのコアとして活用できる極めて秀逸なETFと考えます。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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米国ETFに手間をかけずに自動運用する方法とは?
株式への資産運用が最もパフォーマンスが良いことは、過去のデータから明らかですが、コロナショックのように短期間で大暴落することも。
やはり資産運用の基本は、米国株、日本株を保有しつつ、債券や金、不動産などに資産を分散して長期運用するというのが合理的な手法です。
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