米国不動産ETFのIYRへの投資を考えていますが株価推移と特徴は?株式や債券以外にも、不動産に投資するリートに興味があるんです。
高いリターンを得たいけど、損はしたくないんですよね。IYRの有効な活用法はありますか?
今回はこういった疑問を持つ方に向けて記事を書きました。
- 米国不動産ETF IYRの株価と特徴とは?
- 米国不動産ETF IYRの株価推移とリターンは?
- 長期投資の視点からIYRをどのように活用するか?
自分は、IYRに関して2019年に以下ツイートをしました。
FRBの政策金利引下げ方針を受けて、株式だけではなくリートも上昇しています。株や債券、金以外の投資先として人気がありますが金融危機や不況時は株以上に値下がりします。現にリートetfであるIYRはリーマンショックの際に7割近く下げています。リートは値動きよりも分配金に期待すべき資産ですね。
— かいまる (@leverage_toushi) 2019年7月16日
FRBの政策金利引下げ方針を受けて、株式だけではなくリートも上昇しています。株や債券、金以外の投資先として人気がありますが金融危機や不況時は株以上に値下がりします。
現にリートetfであるIYRはリーマンショックの際に7割近く下げています。リートは値動きよりも分配金に期待すべき資産ですね。
今回は、IYRの特徴やパフォーマンスについて上記を深掘りします。
自分は、20年以上投資経験がありますが、株式や債券を中心に1,500万円以上の資産を運用しています。
今回の記事は、この経験も踏まえて書いています。
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目次
米国不動産ETF IYRの株価と特徴
不動産ETF IYRは米国REITと連動
iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)は、米国の不動産セクターの株式で構成される指数と同等の投資成果をあげることを目指すREIT型のETFです。
IYRの基本データをまとめました(2021年1月22日現在)
- 経 費 率 : 0.42%
- 分配金利回り : 2.58%(過去12カ月)
- 標 準 偏 差 : 17.70%(過去3年)
- インデックス : ダウ・ジョーンズ米国不動産指数
経費率は0.43%となっていて、米国の長期国債に連動するTLTが0.15%、S&P500に連動するVOOが0.03%と比較すると少し高いですかね。
REIT型のETFの魅力は安定した分配金ですが、直近12ヶ月の分配金利回りは2.58%と落ち込んでいます。
通常は3%~4%半ば程度ですが、新型コロナ拡大によるオフィス需要の減少や、商業施設の稼働率低下などにより、REITの業績が悪化しているため分配金は減少傾向です。
IYRのセクター比率
IYRのセクター比率は以下のようになっています。

トップの専業不動産は、英語でSpecialized REITと表されるもので、要はIT関連施設のこと。
スマホや携帯電話の通信ネットワーク用の電波中継棟やデータセンターなどの施設が該当します。米国ではIT関連施設の比率が高いんですね。
その他は、住宅、店舗、ホテル、ヘルスケアと、日本でもおなじみのリートで構成されています。
IYRの組み入れ上位TOP10
IYRで組み入れられている米国リートのTOP10は以下のとおりです。

日本では、あまりなじみがない銘柄が多いですね。
トップの「アメリカン・タワー」は電波塔や基地局など、無線通信インフラのリースを行う米国最大級の商業用不動産事業者です。
また、3位のプロロジス・リートは日本のリート市場でも流通系施設を中心に展開しているので、比較的なじみのあるのでは。
8位のサイモン・プロパティ・グループ は、米国最大級のリートで、地域のショッピングモールなどを中心に保有しています。分配金利回りも4%を超える銘柄ですね。
米国不動産ETF IYRの株価推移
ここではIYRの株価推移(パフォーマンス実績)を見ていきます。参考として、
- 米国株価指数S&P500
- TLT(米国の20年超え長期国債に連動)
と比較していきたいと思います。
最近は米国の中央銀行であるFRBの利上げ政策の見直しから、米国の金利が下がっておりREITにも資金が流れています。
IYRの株価の推移(パフォーマンス実績)
2020年のコロナショック前の過去5年の株価推移を示したのが以下のチャートとなります。このチャートは配当金が含まれていないものです。
‐チャート(過去5年)

赤:IYR 青:S&P500 緑:TLT
この時期のIYRの5年間のパフォーマンスは約23%。配当金が年間3~5%程度支払われてきたことを考えれば十分なパフォーマンスと言えますね。
株価指数であるS&P500とわりと値動きが似ていますが、ここ5年程度ではIYRの方がマイルドな動きを示しています。
2015年~2018年頃は、欧州の経済危機やFRBの政策金利引き上げなどの影響があり、IYRはS&P500ほどの上昇はしていませんが、なだらかな動きを示しています。
過去1年(コロナショック前)のIYR、S&P500、TLTとの比較が以下の図になります。
‐チャート(直近1年)

赤:IYR 青:S&P500 緑:TLT
IYRは、直近1年では約11%のプラスとなっておりS&P500よりもパフォーマンスが良くなってます。
米国の中央銀行であるFRBが、2019年になって政策を転換し政策金利の引き下げをする見込みですから、資金がリートを含む不動産市場に流れているんですね。
他方、昨年末の米中貿易摩擦懸念やアップルショックにより、S&P500と同じぐらい下げているのが分かります。
直近の値動きを見ると、株と同様に不況や金融危機に影響を受けやすいETFであるといえます。
リーマンショックなどの金融危機に影響を受けやすい
IYRはREIT型のETFという特性上、リーマンショックなどの金融危機や米国経済が後退期に入ると、株式以上に大きな影響を受けることになります。不動産価格に影響を受けやすいんですね。
以下がリーマンショックのあった2008年頃の株価推移です。
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チャートを見ただけでも、凄まじく下げているのがわかりますね。
・2008年10月ごろ:株価45.52ドル
・2009年3月ごろ:株価13.85ドル
となっていて、70%近くIYRの株価が暴落しているのがわかります。
コロナショック時のIYRのパフォーマンスは?
コロナショックのあった2020年の年初来チャートは以下のようになっています。

赤:IYR 青:S&P500
やはりS&P500よりも大きく下落していう上、株価の回復も遅いですね。
新型コロナ拡大による外出制限などで、オフィス需要の低下や商業施設への営業制限など業績が悪化しているREITが多く、分配金利回りも低下しています。
リートは株価が暴落するような状況になった際、株式以上に売られる特徴があるということです。
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IYRの株価リターンについて
次に分配金も含めたIYRのリターンを見ていきましょう。

10年間で年率8%超えと株式の期待リターンが7%程度ということを考えれば十分なリターンといえます。
過去3年から5年については、政策金利が上昇していたこともあり不動産市場にマイナスの影響がありました。
FRBは金利引き下げに舵を切っており、新型コロナが収束し人の流れが回復すれば、リート市場に資金が流れやすくなると考えられます。
不動産セクターも資産の中に加えることの是非については投資本などでも分析されています。しっかりとした投資理論を知ることは投資の勝率も高まるということ。
おすすめの米国株投資本については、以下の記事にまとめていますのでぜひご覧下さい。

IYRのこれまでの配当実績は?
IYRは他の多くのETFと同様に四半期に一度配当金が分配されます。配当実績は以下のとおり。

若干年によって配当金額にばらつきはあるものの、インカム期待のリートETFだけあって基本は上昇基調と言えそうです。
IYRの分配金利回りは2%台後半。通常は3〜4%を期待できることもあり長期的にもインカムを期待できるETFといえますね。
IYRの配当も期待できますが、米国株の魅力は連続増配銘柄が多いことですね。個別銘柄の中にも素晴らしい銘柄が米国にはたくさんあります。以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。

長期投資の視点からIYRをどのように活用するか?
IYRの株価推移、リターンなどをみてきましたが、活用法として
- 長期保有で分配金と値上り益を期待
- ポートフォリオの主力として運用
ということです。以下、詳細みていきますね。
活用法①:長期保有で分配金と値上り益を期待
IYRは通常3〜4%の分配金利回りであり、トータルリターンも年率約8%程度ですので、長期保有で非常に高いトータルリターンを期待できるといえます。
もともと不動産市場は金利の影響を受けやすくて、金利が低いほど不動産に資金が流れやすくなるんですね。
コロナ対応によるFRBのゼロ金利政策への転換や経済の低成長率で金利は低下傾向ですし、米国は日本と違って人口が増え続けますから、長期的に見てもIYRの株価の上昇を期待できると言えます。
活用法②:ポートフォリオの主力として運用
S&P500と比べて、
・過去10年の年率リターンが同じ程度
・経済危機がなければ、株式よりも値動きがマイルド
・経済不況期でも分配金そのものの影響が少ない
なので、インカムを期待してポートフォリオの主力として活用できると思います。
リートも含む不動産は、株式と比べてミドルリスク・ミドルリターンと言われていて、不況期に入っても不動産収入は底堅いので、分配金はしっかり出るんですよね。
なのでIYRは長期的にみて高い分配金を期待できますから、ポートフォリオの主力にしつつ米国株式ETFであるVOOや債券ETFのTLTを組み合わせで保有することで、資産全体の値動きを抑えつつ長期的に高いリターンを狙えます。
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「米国不動産ETF IYRの株価推移」まとめ
今回は米国不動産ETFであるIYRの株価推移と特徴にについて述べるとともに、長期投資の観点からどう活用するかについてまとめました。
IYRは不動産ETFの特性上、金融ショック時に値動きが荒くなってしまいますが、分配金だけではなく値上り益も期待できるので、長期保有に向いた商品と言えます。
特に最近は金利が低下傾向にありリートそ含む不動産市況が活況ですね。この傾向はしばらく続くと考えており、IYRのパフォーマンスもかなり期待できると思います。
またリートを含む不動産は、値上り益もさることながら、高い分配金利回りを期待できるところに特徴があると言えるので、ポートフォリオの主力としても活用できると考えます。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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