米国の通信サービスセクターのETF VOXの株価やチャートの特徴について知りたいです。
他にも高配当ETFやS&P500に連動するETFもありますが、これらに比べてVOXに投資するメリットは何でしょうか?配当実績についても知りたいです。
今回はこういった疑問を持つ方に向けて記事を書きました。
- VOX:株価の基本データと特徴は?
- VOXの構成銘柄とセクター比率は?
- VOXのチャートとリターンは?コロナからも完全回復!
- VOXの配当実績と増配率は?
今回は米国の通信サービスセクターのETF(VOX)について特徴や株価の推移などを分析していきます。ぜひ最後までご覧ください。
自分は、米国株や米国ETFを中心に1500万円以上の資産を運用しています。これらの経験を踏まえて記事を書きました。
※米国ETF取引手数料0円の証券会社という選択
米国株の取引手数料は日本株に比べて実は割高…。できるだけコストをかけずに取引したいならDMM株が良いかも。DMM株は米国株そして米国ETFの取引手数料0円なので、お得に取引するのもありですね。
目次
VOXの特徴とは?
VOXは、米国のバンガード社が販売・運営しているETFで、米国株式市場のうち、コミュニケーションサービス・セクターの銘柄を組み入れたETFです。
このコミュニケーションサービスセクターは、SNS、エンターテイメント、通信サービスなどを提供している企業を集めたセクターです。
もともとは”電気通信サービス”という名称でしたが、2018年のセクター再編で、GoogleやFacebookなどがこのセクターに入ってきて、現在の名称になっています。
”株式投資の未来”という書籍によると、1957~2003年の電気通信サービスセクターのトータルリターンは9.63%(1957〜2003年)となっており、S&P 500の10.85%を下回っています。
もっとも、2018年に分類変更がありましたから、この数字はもはや参考にならないですね。
基本データ
銘柄数 | 112 |
資産規模 | $3,428 (百万米ドル) |
分配金利回り | 0.74% |
経費率 | 0.10% |
設定日 | 2004年9月29日 |
運用会社 | Vanguard |
経費率は0.10%となっていて、S&P500ETFのVOOが0.03%、高配当ETFのVYMが0.06%と比較するとちょっと割高感があります。
アルファベットとフェイスブックの2銘柄だけで、保有割合の40%近くを占めるまでに至っています。
分配金利回りは低いですが、利益成長率が高く、自社株買いにも積極的な銘柄が多いので、キャピタル・ゲイン(値上がり益)は期待できるETFと言えるでしょう。
VOXの構成銘柄とセクター比率は?
VOXの構成銘柄TOP10
構成銘柄上位10社(2021年2月5日現在)は以下の表のとおりです。
No. | 企業名 | 構成比率(%) |
1 | アルファベット | 22.4% |
2 | フェイスブック | 15.7% |
3 | ウォルト・ディズニー | 6.8% |
4 | ネットフリックス | 4.7% |
5 | コムキャスト | 4.5% |
6 | AT&T | 4.2% |
7 | ベライゾン・コミュニケーションズ | 4.1% |
8 | チャーター・コミュニケーションズ | 2.8% |
9 | T-モバイルUS | 2.3% |
10 | アクティビジョン・ブリザード | 2.2% |
VOXのセクター比率
続いてセクター比率です。
No. | サブセクター | 構成比率 |
1 | Interactive Media & Services | 45.8% |
2 | 映画・娯楽 | 16.2% |
3 | ケーブル・衛星テレビ | 11.0% |
4 | 総合電気通信サービス | 8.5% |
5 | Interactive Home Entertainment | 5.3% |
6 | 放送 | 4.0% |
7 | 代替通信事業会社 | 2.9% |
8 | 無線通信サービス | 2.9% |
9 | 広告 | 1.8% |
10 | 出版 | 1.6% |
携帯電機通信などの旧来の通信事業とメディアやエンターテイメント等のコンテンツ事業に二分されます。
メディア・サービスが全体の約40%を占めていますが、2018年のセクター見直しにより、コミュニケーションコンテンツ配信、大手の比率が高まった結果です。
※米国株に1000円から投資する選択
「米国株に興味があるけど、ちょっと難しそう」という方は、PayPay証券で1000円の少額から始めるのが良いかも。スマホで簡単に米国株を取引できて、1000円からApple、Google、Amazon、Netflixなどの株主になれます。
VOXの株価の推移(パフォーマンス実績)
直近10年の株価推移を示したのが以下のチャートとなります。

緑:VOX 青:VOO
この時期のVOXの10年間のパフォーマンスは約159.2%。S&P500のETFであるVOOに大きく離されていますね。
2017年以降、通信銘柄であるAT&Tやベライゾンなどの通信株が低迷している影響もあるのでしょう。
コロナショック時のVOXのパフォーマンスは?
コロナショックのあった2020年前後の2年のチャートで、比較してみました。

緑:VOX 青:VOO
わずかにVOXが上回っていますね。
新型コロナ拡大による外出制限もあり、メディア・コンテンツなどの需要が強かったということです。
VOXのこれまでの分配金実績は?
VOXの分配金実績を見てみます。

やはり2018年のセクター見直しを境に分配金が大幅に減少していますね。分配金利回りは0.7%程度とかなり低い水準です。
構成比率の40%近くを占めるアルファベットやフェイスブックが配当を出すようにならない限り分配金の上昇に期待するのは厳しそうです。
「米国ETF VOXの株価推移」まとめ
今回は、米国株式市場のうち、コミュニケーションサービス・セクターの銘柄を組み入れたETF VOXの特徴と株価の推移(チャート)、配当金の推移等について見てきました。
かつてVOXが「電気通信セクター」だったときは、ベライゾン、AT&Tの2銘柄だけで保有割合の約45%を占めていましたが(2017年8月)。
しかし2018年にコミュニケーションセクターとなってからは、この2銘柄の保有割合はあわせて約12%と激減。逆にアルファベットとフェイスブックの2銘柄だけで、保有割合の約40%近くまで、高まりました。
VOXは過去10年のパフォーマンスはそれほど高くありませんが、2018年を境に全く特徴の違ったセクターに生まれ変わっています。
5Gの普及で通信環境が高速化する中で、コミュニケーション、コンテンツ配信ビジネスが躍進が見込まれる中、VOXは今後期待大のETFと言えるでしょう。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
米国株に関する情報を効率よく収集するには?
日本ではアクセスしずらい米国株の情報を日本語で配信するモトリーフール。メールアドレスを登録するだけで鮮度の高い情報が無料で送られてきます。
自分も登録してみたところ、おなじみのバフェット銘柄に関する内容や、業績良好な医薬品株・機械株に関する内容などがタイムリーに送られてきます。モトリーフールの情報はエコノミスト誌のような海外メディアからも高い評価を受けているんですよね。
米国株の情報はどうしても乏しくなりがちなので、この機会に登録してみるとよいです。登録は無料です。
なお、モトリーフールの特徴や無料メルマガのメリットについては以下の記事にまとめています。

米国ETFに手間をかけずに自動運用する方法とは?
株式への資産運用が最もパフォーマンスが良いことは、過去のデータから明らかですが、コロナショックのように短期間で大暴落することも。
やはり資産運用の基本は、米国株、日本株を保有しつつ、債券や金、不動産などに資産を分散して長期運用するというのが合理的な手法です。
自分でポートフォリオを作って運用するのも良いですが、WealthNavi(ウェルスナビ)を活用して長期投資すれば、ロボアドバイザーが世界中の市場の株、債券、金、不動産などの米国ETFに分散投資してくれます。
自分も活用していますが、口座にお金を振り込めば基本的に何もしなくても良いんですよね。特に投資初心者の方で、かつロボバイザーも初めて利用するような方には、WealthNaviが圧倒的におすすめです。
詳しくは以下の記事にまとめています。

関連記事・おすすめ記事
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事を読まれた方は、以下に紹介する記事もご覧になっています。皆さんに少しでも役に立つよう、米国株や米国ETFに関連するトピックについて解説しています。ぜひご覧ください。
米国のハイテク銘柄にまるっと投資できるETFについてまとめました。GAFAMやVisa、NVIDIA、Netflixなど今後の成長に期待できる銘柄などで構成されるETF。ぜひご覧ください。

減配や業績悪化などの個別株リスクを回避したい場合は、高配当の米国株ETFに投資するという方法もあります。詳しくは以下の記事にまとめています。

米国ETFの中で自分がおすすめするETFをまとめました。株価指数に連動するETFは、鉄板商品ですが長期的に見て大きなリターンが期待できます。

米国ETFの中でおすすめのセクターETFについてまとめました。S&P500に比べてパフォーマンスの良いセクターもあるんですね。必見です。

米国株を取引する際のおすすめ証券会社を比較してみました。横並びだった米国の売買手数料にも変化が出てきています。おすすめの証券会社はどこなのか解説しています。

ウェルスナビは「長期・積立・分散」の資産運用を全自動でお任せできる資産運用サービス。手数料は1%のみで、国際分散投資を自動運用します。
▼ロボアドバイザーの自動運用で、時間も手間もかかりません
投資の学習、投資商品の選定、資産配分、運用、リバランス、全てロボアドバイザーにおまかせ。
▼安全資産の債券や金にも投資
株が大幅に暴落した際には、安全資産の債券や金が上昇するのが一般的。リスク許容度に応じてより安全な運用も可能です。
▼国際分散投資を自動運用
約50カ国11,000銘柄以上に国際分散投資を行うことで、世界経済の成長を資産に取り入れます。
▼手数料は預かり資産の1%のみの中立な資産運用
手数料は預かり資産の1%のみ。
▼世界水準の金融アルゴリズムでポートフォリオを構築
ノーベル賞受賞の理論をベースとした世界の富裕層や機関投資家が利用する資産運用アルゴリズムで運用。
詳細は以下をクリック!