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ベーシックインカムの導入で生活保護の問題解消?その違いとは?

生活保護には不正受給の問題や申請が複雑などの問題が指摘されているけど、ベーシックインカムの導入でこれらが解消するの?

生活保護と比較してベーシックインカムのメリットは?

今回は、このような疑問を持つ方に向けて記事を書きました。

今回の記事の内容
  • ベーシックインカムと生活保護の違いとは
  • ベーシックインカムのメリット(生活保護との比較)
  • ベーシックインカムの導入で考慮すべきこと(生活保護との比較)

自分は、最近ベーシックインカムについて以下ツイートしました。

近い将来AIやデジタル化により雇用が奪われ、所得格差が拡大していくと言われている中、新しい社会保障としてベーシックインカムの導入を検討すべきだと思う。

条件なしの一律支給は労働意欲を削ぐという指摘があるけど、収入により支給額は減らされないので、生活保護よりは働く意欲は維持しやすい。

上記を深堀りします。

自分は10年ほど前に大学で公共政策を専攻しましたが、当時から新しい社会保障制度として注目されていました。

その時学んだ内容も踏まえ、記事を書いています。

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ベーシックインカムと生活保護の違いとは

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

これは、日本国憲法の生存権の部分ですね。ベーシックインカム制度も生活保護制度も、国民が最低限度の生活をする権利があることが根拠となります。

発想は同じなんですが、生活保護は貧困に苦しむ方を対象にしている一方、ベーシックインカムは富裕層であろうが貧困層であろうが、所得や資産に関係なく全ての人に対し一定額を支給するものです。

両者の違いを簡単に見ていきます。

生活保護のざっくりとした説明

生活保護を受給するためには、まずは申請が必要となり、福祉事務所職員の審査や身辺調査などを経て支給を受けることができます。

ちなみに、生活保護の支給額は住んでいる場所によって違いはありますが、40代一人暮らしの場合、

・生活費7万円+家賃4万円=約11万円

となります。東京だともっと高くなりますね。家族が増えると一人当たり3~4万円増えるイメージです。

その他、

・医療費や国民年金の支払い免除

・受給世帯の事情に応じて教育費や母子手当てなどが支給

されます。結構、手厚いですよね。

あと、ここがポイントですが、仕事により世帯の収入が増えた場合には支給額が少なくなったり、打ち切られるんですね。この収入は、子供のバイト代も含めて福祉事務所へ申告することが必要です。

ベーシックインカムと生活保護の違い

まず、ベーシックインカム制度の場合は、国などへの申請が必要ないですね。

富裕層にもお金を支給するのは、ちょっと変に思うかもしれません。が、これが生活保護に比べて大きく違うところで、世帯収入が増えても、支給額が下がったり打ち切られたりすることがありません。

生活保護に比べてベーシックインカムのメリットをまとめると、

ベーシックインカムのメリット
  1. 生活保護の不正受給の問題が解消
  2. 生活保護受給者の意識が変わる
  3. 手続きの軽減

となります。以下、詳細に見ていきます。

メリット1:生活保護の不正受給の問題が解消する

生活保護は、利用者の申請がベースとなって支給額などが決まってくるので、申請者自身にその意図がなかったとしても、不正受給の問題がどうしても生じてきます。

生活保護の不正受給件数は年々増加

生活保護費の不正受給は年々増加していて、全体の8割以上を占めるのは収入の無申告や過小申告です。以下、2015年のデータですが、

不正受給の状況
  • 件  数:43,938件
  • 不正金額:169億9408万円
  • 1件あたりの金額:38万7千円
  • 生活保護の停廃止:1万0587件
  • 刑事告発件数:159件

となっています。

ちなみに、2015年の保護世帯数は約160万世帯、生活保護費の総額は3兆7786億円!?。すごい金額ですね。不正受給額の割合は0.45%にすぎませんが、これを調べ上げるだけでもかなりの労力です。

2003年の不正受給件数が9,264件、2009年が19,726件ですから、件数は一貫して増加しているということです。

これだけ、受給者が多くなると不正受給をなくすために、福祉事務所が完全に状況を把握するのは困難ですね。

ベーシックインカムを導入すると

ベーシックインカムは所得や就労状況に関係なく、すべての人を対象に支給される制度ですから、不正受給といった考えそのものがなくなります。

メリット2:ベーシックインカムで受給者の意識が変わる

生活保護に対する批判や後ろめたさの解消

大前提として生活保護は、憲法で認められた国民の権利です。

ただ、働いている者からみると「人の税金で飯を食っている」「生活保護費で遊んでいる」なんていうような批判がどうしても出てきます。

さらに、生活保護を受けるためには収入や資産、親族関係などのプライバシーの公開が必要になってきます。

特に、生活保護の審査では、親や兄弟姉妹、子供などに保護申請者を扶養することができないかという問い合わせもいくことになるので、迷惑をかけているという感情を持つ人も当然でてきますよね。

ベーシックインカムは、すべての人に対して審査なしに定期的に給付されることになるので、このような批判や感情を持つことはなくなります。

貧困層の労働意欲の向上

生活保護世帯は、すべての収入を福祉事務所に報告しないとダメなんですね。詳細は割愛しますが、この収入に応じて生活保護費が削減されたり、基準を上回った場合は生活保護が廃止されるということにもなります。

また、生活保護が廃止されてしまうと、それまで免除されていた医療費の負担や国民年金などの保険料の支払うことが必要になります。

これだと一度受給してしまうと働きたくなくなる人が出てもおかしくないですよね。だって、働いても使えるお金が増えていかないのだから。

その点、ベーシックインカムは収入や資産に関係なく一定額支給され、働いて給料をもらうほど、使えるお金が増えることになるので、生活保護に比べると仕事をしようとすることになります。

貧困層の幸福感の向上

現在、多くの国や地域で導入に向けた実証実験を行っていて、その結果の一つとしてベーシックインカムの受給者の幸福度が高くなることが分かっています。

これは、フィンランドのベーシックインカム導入実験の結果の記事にまとめていますが、1年間ベーシックインカムの需給を受けた失業者は、

・健康状態が良い

・ストレスが低いと感じる

という人が明らかに多くなるという結果がでています。

メリット3:ベーシックインカムの導入で手続きが軽減

これは何となく感覚でわかりますよね。クイックに見ていきましょう。

申請手続きなくなる

繰り返しになりますが、ベーシックインカムはすべての人に対して一律に支給するもの。生活保護の制度は、ものすごい複雑ですから、申請書の作成や毎年の収入申請などなど、結構手続きが大変です。

なので、ベーシックインカムが導入されれば、これらの手続きの大部分は必要なくなると考えられます。

行政コストの削減

申請手続きがなくなれば、生活保護担当する事務所や公務員の削減につながります。これは、ベーシックインカムを実施する国に対するインセンティブになりますね。

厚生労働省の資料によると、平成28年で全国の福祉事務所の数は1,247か所、生活保護を担当する職員の数は18,183人となっています。

生活保護160万世帯、3.8兆円という膨大な規模の物を面倒みないといけないわけですから、これぐらいの人員は必要になるということでしょう。

ベーシックインカムで、少なくとも生活費分の審査や毎年度の確認作業がなくなるので、大幅行政コスト削減につながるはずです。

参 照:平成28年福祉事務所人員体制調査について

ベーシックインカム導入で考慮すべきこと

これまで、生活保護費と比べたメリットを中心に見てきましたけど、ベーシックインカム導入の検討にあったては、考えないといけないことが多いですね。

例えば、貧困世帯の教育費や家賃補助。いろいろ批判のある生活保護制度ですけど、世帯の実情に応じてきめ細かく、これらの費用を支給しています。

さらに、医療費や国民年金の支払いは免除されていますから、これの取り扱いをどうするかも課題になりますね。

ベーシックインカムが導入されるから、これまでの生活保護制度すべてがなくなります!なんていうのは現実的には無理で、貧困世帯には引き続き実情に応じて補助していく仕組みが必要になります。

ベーシックインカム制度により、年金や生活保護などの既存の社会保障制度からどう置き換わるのかという全体像が示される必要がありますね。

これがきちんと示されないと、スイスの国民投票でベーシックインカム導入が否決された記事で取り上げたように、国民の支持が広がらない。

自分の力で”ベーシックインカム”を

ベーシックインカム導入に向けた実験や議論は始まったばかりであり、本格的な導入はまだまだ先になりそうです。

フィンランドの実験結果を見ると、規模が小さかったことも要因の一つかもしれませんが、雇用の促進や幸福度への寄与の面では効果は限定的。

将来的にはAIやロボットなどが人間の雇用を奪うと指摘する専門家も多く、ベーシックインカムの導入の議論は今後も続きそうですが、

  • 財政的に導入の難易度が高い
  • 国民の理解には時間がかかる

ことから、ベーシックインカムの導入はまだまだ先の話と言えそうです。

当面はベーシックインカムを期待せず、資産運用を淡々と進めるなどして自分で将来的なインカムを増やしていくことが現実的と考えます。

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「ベーシックインカムと生活保護は違う?」まとめ

今回は、ベーシックインカムは生活保護の問題を解消できるのかという観点から、ベーシックインカムのメリットと導入に向けて考慮することを述べてきました。

行政コストや申請手続きが簡素化されるというのは、その通りなんですけど、やはり貧困世帯の意識が変わることが一番の効果ではないかと自分は考えます。

使えるお金が増えることになれば、仕事をしようとする人も増えるだろうし、幸福度も上がる。人生前向きになる人が多くなるっていうということですよね。

世帯の実情に応じたきめ細かい対応は残ると思うけど、生活保護と比較しても、ベーシックインカム導入のメリットはかなり大きいと思います。

最後に、資産運用に役立つ情報について以下にまとめました。役に立つ情報ばかりですので、ぜひご覧ください!

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最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。

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