クリーンエネルギーETF ICLNの株価やチャートの特徴について知りたいです。
債券ETFやS&P500に連動するETFもありますが、これらに比べてICLNに投資するメリットは何ですか?配当実績についても知りたいです。
このような疑問を持つ方にむけて記事を書いています。
- ICLN:株価の基本データと特徴は?
- ICLNの構成銘柄とセクター比率は?
- ICLNのチャートとリターンは?
- ICLNの配当実績と増配率は?
投資歴20年のかいまるです。米国株や米国ETFを中心に1500万円以上の資産を運用しています。
今回はバイデン大統領誕生で注目の集まるクリーン・エネルギー企業で構成された米国ETF ICLNについて取り上げます。
簡単に特徴をまとめると、
・ETF1本で30銘柄以上の新エネ企業に分散投資
・バイデン大統領就任で短期的な上昇が期待できる
・長期的な成長は期待できない
ということ。今回は、そんな”バイデン効果”が期待できるICLNの特徴やチャート、パフォーマンスについて見ていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
米国ETF ICLN:株価の基本データは?
ICLNはiシェアーズ グローバル・クリーンエネルギーETFという名称で、世界のクリーンエネルギー業界の中から、流動性と規模の大きいグローバル企業へ投資するETFです。
具体的には、バイオ燃料、バイオマス、エタノール、燃料アルコール、地熱発電、水力発電、太陽光発電、風力発電に関連する企業で構成されているんですね。
日本ではあまり知名度の高くないETFかもですが、次期大統領の民主党のバイデン氏が、新エネルギーや環境保護を振興する”グリーン・ニューディール政策”を公約としていることもあり注目が集まっているETFです。
今回は、そんなクリーンエネルギーのグローバル企業に投資をする米国ETF ICLNについて分析していきます。
早速ですが、ICLNの株価データを見ていきましょう。
- インデックス:S&Pグローバル・クリーンエネルギー
- 信託経費率 : 0.42%
- 分配金利回り: 0.78%(過去12ヶ月)
- 株価収益率(PER):26.98
- 標準偏差 : 31.27%(過去3年)
- 設 定 日:2008年6月
ICLNの経費率は0.42%となっていて、VOOやVTIなどの主要ETF0.03%とかに比べるとかなり割高いですね。
ただ、日本から世界中のクリーンエネルギー企業に投資するのは難しいことを考えると妥当なところです。
分配金利回りは0.8%程度で、S&P500の2%程度と比べてもかなり低い水準。分配金を期待して投資するETFではないということです。
ICLNの構成銘柄とセクター比率は?
ICLNの構成銘柄
構成銘柄上位10社(2021年10月26日現在)は以下の表のとおりです。
あまり聞いたことのない企業ばかりですが、バイオ燃料、バイオマス、エタノール、燃料アルコール、地熱発電、水力発電、太陽光発電、風力発電に関連する企業の大手ということ。
ICLNは32銘柄で構成されていますが、米国の企業だけではなく以下のとおり中国やデンマーク、ニュージーランドなど世界各国のクリーンエネルギー企業で構成されています。
ICLNのセクター比率
続いてセクター比率です。
このセクター内訳を見ると、太陽光やバイオマスなどを活用した発電事業者やその発電機器の製造業を中心に構成されているのがわかります。
参考URL:ブラックロック社公式HP
ICLNの株価の推移(チャート)とリターンは?
ICLNのチャート
以下はICLNの10年チャートです。比較のためにS&P500も掲載しています。
赤:ICLN 青:S&P500
2020年までの株価はほとんど上昇していなくて、S&P500と比べても大きくパフォーマンスが劣っていました。
クリーンエネルギーは巨額の設備投資が必要になる反面、利益率が高くないこともあり、大きな成長にはつながりにくいということなのでしょう。
しかし、2020年に入ってからのチャートを見るとS&P500よりも大きく株価が上昇しているのがわかります。
赤:ICLN 青:S&P500
過去2年で+125%の2倍以上にまで上昇しており、S&P500の50%に比べても良いパフォーマンスです。
要因としては、2020年に石油から新エネルギーに移行する”グリーン・ニューディール政策”を公約とするバイデン次期大統領が、民主党の候補になり、大統領選でも勝利したことで買いが入りました。
このように、株式や債券の特徴をしっかりと把握して投資することで、投資の勝率を高めることにつながります。おすすめの米国株投資本については、以下の記事にまとめていますのでぜひご覧下さい。
ICLNのリターン
ICLNの分配金も含めたトータルリターン(2021年9月30日現在)は以下のとおりです。
分配金を含めた2008年の設定来リターンでマイナス…。株式の期待リターンが7%程度ということを考えるとかなりリターンは低いです。
ただ、バイデン大統領が就任したこともあり過去3年の年率リターンは40%近いですね。今後に期待はできるのではないでしょうか。
ICLNのこれまでの分配金実績と増配率は?
ICLNは他の多くの米国ETFと同様に分配金が四半期に一度支払われます。配当実績は以下のとおり。
分配金もほとんど伸びていないですね。過去の実績を見ると分配金を期待して購入するETFではないということです。
なお、ETFも配当に期待できますが、米国株に投資する魅力は高配当で長期間連続増配している個別銘柄が多いこと。中には7%を超える銘柄や60年以上連続増配している銘柄も。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。
ICLNへの投資:ちょっとだけ考察
ICLNは世界中のクリーンエネルギー企業で構成されるETFですが、
・バイデン大統領就任で株価上昇
・過去の実績から長期的な成長は期待できない
・分配金は期待薄
という特徴があることがわかります。
やはり新エネルギー関連企業は、発電設備などの設備投資に莫大な費用がかかる反面、利益率が高くないこともありITやヘルスケアセクターなどに比べて長期的な成長は期待しづらいですね。
分配利回りや増配率も低いですしね。他方、民主党のバイデン大統領が就任したこともあり、政策期待で短期的に株価は上昇しています。
なので、将来性を期待して長期投資をするよりは、短期保有で値幅を狙った投資に向いたETFと言えると思います。
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「米国ETF ICLNの株価」まとめ
今回は、米国の米国ETF ICLNの株価とチャートということで、その特徴と株価の推移(チャート)、分配金の推移等について見てきました。
ICLNの特徴をまとめると、
・ETF1本で30銘柄以上の新エネ企業に分散投資
・バイデン大統領就任で短期的な上昇が期待できる
・長期的な成長は期待できない
ということですね。
新エネルギーということで、テーマ性の高い夢のあるETFであるとは思いますが、過去の長期リターンはイマイチです。ちょっと長期保有するには物足りないですね。
他方、バイデン氏が民主党の大統領候補となり、大統領選で勝利したことでクリーン・エネルギー関連企業はがぜん注目が集まるのも確か。
なのでバイデン政権の政策期待を背景に、短期保有で値幅を狙う。ICLNは、そんなETFと言えると思います。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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