米国のセクターETFの中でおすすめのものを知りたいです。セクター別に色々なETFが出ていますが、どのETFのパフォーマンスが良いのでしょう?
コロナショック時も含めて、どのセクターETFのパフォーマンスが良かったか知りたいです。
このような疑問を持つ方に向けて記事を書きました。
- そもそも米国市場のセクターとは?
- 米国のセクターETFにはどんなものがあるか?
- 米国 セクターETFのおすすめ3選とは?
- おすすめETFの比較は?コロナショック時も比較!
投資歴20年のかいまるです。米国ETFを含め米国株を中心に1500万円以上を資産運用しています。
セクターETFは、事業ごとに11種類に分類されていて、セクターの中には長期的にS&P500よりもリターンの高いものや景気の動向に業績が影響を受けづらいディフェンシブなものなどがあります。
米国ETFを中心に運用を考えている方やこれから米国ETFに投資すること検討している方の中には、どのセクターのパフォーマンスが良いのか知りたいという人も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は米国株のセクターETFにはどんなものがあるのか、そして長期的にS&P500よりも高いパフォーマンスが期待できるおすすめセクター3選を紹介していきます。
記事の最後にはおすすめのETFを徹底比較して、そのETFが優れているか分析しています!
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
そもそも米国株のセクターとは?
米国株は業種ごとにグループ化されていて、これを「セクター」と呼んでいます。
もう少し詳細にいうと、S&P500やダウ平均株価を算出しているS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは世界産業分類基準(GICS)を決めていて、米国株は次の11セクターに分類しています。
セクター | 主要構成企業 |
---|---|
エネルギー | エクソンモービル、シェブロン |
公益事業 | サザン、デュークエナジー |
生活必需品 | コカ・コーラ、P&G、ウォルマート |
金融 | JPモルガン、ゴルサル |
素材 | デュポン、ダウ・ケミカル |
ヘルスケア | J&J、ファイザー、アッビィ |
資本財 | スリーエム、ボーイング |
一般消費財 | アマゾン、マクドナルド |
情報技術 | マイクロソフト、アップル |
コミュニケーション | AT&T、グーグル、FB、ディズニー |
不動産 | アメリカンタワー、サイモンプロパティ |
ちなみに、米国を代表する株価指数S&P500は米国の主要産業を代表する500社によって構成され、米国株式市場の時価総額の約80%米国株の動向を表す指数として広く活用されていますが、セクター別構成比は以下のようになります。
- 1位…情報通信(22.0%)
- 2位…ヘルスケア(13.6%)
- 3位…金融(12.9%)
- 4位…コミュニケーション(10.4%)
- 5位…一般消費財(10.1%)
こう見ると情報技術の比率がかなり高くなっていることがわかりますね。
参考記事⏬
S&P500とは?わかりやすく解説!
以前はグーグルやフェイスブックも情報技術セクターでしたが、2018年にセクターが再編され、今のコミュニケーションセクターに入っています。
次にこれらのセクターに投資できるETFについて取り上げます。
米国 セクターETFにはどんなものがあるの?
これらのセクターを、米国株ETFで取引きすることができます。
大手のETF運用会社が販売していますが、最もメジャーなのがバンガード社が販売しているセクターETFでしょう。
以下にバンガード社のセクターETFの一覧をまとめました。経費率は全て0.1%と非常にリーズナブルになっています(紹介記事のリンクも貼っておきます)。
ETF | セクター |
---|---|
VDE | エネルギー |
VPU | 公益事業 |
VDC | 生活必需品 |
VFH | 金融 |
VAW | 素材 |
VHT | ヘルスケア |
VIS | 資本財 |
VCR | 一般消費財 |
VGT | 情報技術 |
VOX | コミュニケーション |
VNQ | 不動産 |
バンガードは不動産セクターの設定がないんですね。おそらく不動産事業を手がける企業の規模がそれほど大きくないことが要因と考えられます。
そんな米国株のセクターETF。これらETFの中でもおすすめ商品を紹介します。
米国株セクターETF:おすすめ3選とは?2024最新
セクターETFは、事業ごとに分けられているため、S&P500に比べてリターンが高いもの、ディフェンシブなもの、配当利回りが高いものなど特徴があります。
米国株のセクター連動するETFの中でも、S&P500よりも長期的にパフォーマンス良いおすすめ3選をご紹介します。
おすすめ①:VHT
主に医療や医薬品に関連した事業を行う企業を集めたヘルスケアセクターに連動するETFです。
特徴は以下のツイートのとおり。ジェレミー・シーゲル博士が書いた「株式投資の未来」によれば、1957~2003年のヘルスケアセクターのトータルリターンは14.19%。
S&P500の10.85%を上回って、全セクター中でトップ。
自分はグロース株やセクターetfには投資してないけど
・QQQ(ナスダック)
・VDC(生活必需品)
・VHT
の3つは歴史的にs&p500よりパフォーマンスが良く投資候補。
特にVHTは業績鉄板のヘルスケアセクターETFで、シーゲル博士の調査でも過去最も良いリターンを示したセクター。PFのコアとなるETFです。— かいまる (@leverage_toushi) September 6, 2019
ヘルスケアセクターは世界情勢的にも好条件にあふれていますよね。日本をはじめとした先進諸国、そして米国もこれから高齢化社会に突入し、ますますヘルスケアセクターの経済規模は拡大していくからです。
さらに途上国においても、今後見込まれる経済発展により、個人の所得水準が向上することになり、当然より高い水準の医療や効果の高い医薬品を求めることになるからです。
新薬開発競争や訴訟リスクがあり個別銘柄の投資では難しいセクターと言えますが、VHTであればセクターをまるごと買えるため、将来的な高い成長を享受することができます。
なお、2024年は金利高止まりもあり、米国景気の減速が見込まれていてディフェンシブ銘柄で構成されるVHTの上昇がかなり期待できます。
詳細は以下の記事にまとめています。
おすすめ②:VDC
米国株のうちコカ・コーラやP&G、ウォルマート、コストコなどの生活必需品セクターの銘柄を組み入れたETFです。
生活必需品セクターは、生活を営む上で必要不可欠な製品やサービスを扱うセクターということで、景気の動向に業績の影響が受けづらいディフェンシブ銘柄で構成されています。
ジェレミー・シーゲル博士が書いた「株式投資の未来」によれば、1957~2003年のヘルスケアセクターのトータルリターンは13.36%。S&P500の10.85%を上回って、全セクター中で第2位です。
最も注目すべきはリーマンショックのあった2008年ごろ、株価の落ち込みがS&P500に比べて半分程度ということです。リーマン前の2007年末の株価水準に回復するのに、
- VDC:約3年
- S&P500:約6年
なんですよね。落ち込みが少なかったぶん株価の回復も早かったということです。
金融ショックや不景気時に強い。これが生活必需品セクターETF VDCの特徴を最もよく表している部分だといえます。
なお、2024年は金利高止まりもあり、米国景気の減速が見込まれていてディフェンシブ銘柄で構成されるVDCの上昇がかなり期待できます。
詳細は以下の記事にまとめています。
おすすめ③:VGT
米国株の中で、インターネットなどに関連した事業を行なっている情報技術セクターの銘柄を組み入れたETFです。米国経済を牽引しているAppleとマイクロソフトが含まれるセクターです。
他にもNVIDIA(エヌビディア)やインテルなどの世界的な半導体メーカーも含まれます。
ジェレミー・シーゲル博士が書いた「株式投資の未来」によれば、1957~2003年のヘルスケアセクターのトータルリターンは11.39%。S&P500の10.85%を上回って、全セクター中で第2位です。
実はクレジットカードのVISA(ビザ)やマスターカードもこのセクターなんですよね。5GやAI、IoT、フィンテックなどの情報技術分野が将来日常生活を送る上で一般的な技術となるため、経済規模は将来的に間違いなく拡大していきます。
過去のデータ以上に将来のパフォーマンスを期待できるETFと言えるでしょう。
2024年は米国政策金利の引き下げが見込まれています。IT系のグロース銘柄には追い風となります。
(参考URL:バンガード社HP)
おすすめセクターETFの比較は?
最後に、最近のVHT、VDC、VGTをパフォーマンス比較していきたいと思います。
- 分配金利回りの比較
- 過去5年のパフォーマンス
- 2020年暴落時のパフォーマンス
について見ていきましょう。
比較①:分配金利回り
2023年12月現在の分配金利回りをまとめると以下の表のとおりとなります。
分配金利回り | |
---|---|
VHT | 1.38% |
VDC | 2.69% |
VGT | 0.65% |
株価によっても利回りが変わってきますが、おおむね分配金の利回りが高い順にVDC>VHT>VGTとなりますね。
ヘルスケアセクターや情報技術セクターはグロース銘柄が多いということもあり、無配や配当金の低い企業が多く含まれるということなのでしょう。
なお、米国株に投資する魅力の一つは高配当で長期間連続増配している個別銘柄が多いことです。中には7%を超える銘柄や60年以上連続増配している銘柄も。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。
比較②:過去5年のパフォーマンス
以下のチャートは過去5年間の株価推移を比較したもの(2023年12月末現在)。
赤:VHT 緑:VGT 青:VDC 黒:S&P500
全体傾向として同じような株価推移ですが、これを見ると情報技術セクターVGTのリターンが高いことがわかりますね。
ここ数年のITセクターの好調さが株価にも表れているということでしょう。
情報技術に関連した銘柄が入っていない分、VHTやVDCのパフォーマンスはS&P500よりも悪くなっていますね。それだけ今の米国市場の好調さは、IT関連企業が牽引しているとも言えます。
22年は金利上昇によりIT株の株価が大きく下落。しかし、23年に入って金利上昇も落ち着いたことでエヌビディアなどのIT株に買い戻しが入り、株価は短期的に上昇しています。
比較③:2020年の暴落時パフォーマンス
以下のチャートは2020年2〜3月のコロナショック前後のチャートを比較したものです。
[/jin-img-kadomaru]
赤:VHT 緑:VGT 青:VDC 黒:S&P500
[/jin-img-kadomaru]
少し見づらいかもですが、やはりリーマンショック同様にVDCの下落幅が最も小さいのがわかりますね。ただ暴落後を見ると、新型コロナ拡大の影響を受けづらいVGTとVHTの株価の回復が早いです。
これって結構意外な結果なんですよね。
というのは不景気や経済危機のようなことが起きると値動きの大きいハイテク株などのグロース銘柄の下落幅が大きくなるはず。
やはり情報技術セクターの成長期待が高いことに加えて、
・情報技術の社会インフラ化
・業績が新型コロナの影響を受けない
ということなんでしょうね。インターネットを使わない社会はもはや想像もできないし、感染症拡大で外出制限があってもクラウドなどのIT需要はむしろ増えるということ。
今後も5G、IoT、クラウド、キャッシュレス社会など将来的な材料も豊富なことから、AppleやMicrosoft、Visa、Masterなども含む情報技術優位の市場はしばらく続きそうです。
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「米国株 セクターETFのおすすめは?」まとめ
今回は、セクターETFのおすすめは?ということで、米国株のセクターに連動するETFの特徴とおすすめ3選、パフォーマンス比較について取り上げてきました。
今回おすすめしたのは、過去S&P500よりもパフォーマンスがよかったものですが、将来的にも十分に期待できるセクターETFです。
自分の好みや投資スタンスに合わせて、これらのETFを活用していくのが良いと考えます。
一方、23年は金利の急速な上昇により景気後退入りが確実と言われている中、短期的にはITセクターのパフォーマンスが悪化することが予想されます。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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なお米国株や資産運用に関連するお得な情報について、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
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