DRNは、米国リートに投資できるレバレッジ型ETFと聞いたけど、株価の推移と特徴は?米国リートの、パフォーマンスは株式と比べてどうなんだろう?
DRNは長期投資に向いているの?
今回は、このような疑問を持つ方に向けて記事を書きました。
- 米国リートETF DRNの株価と特徴
- 米国リートETF DRNの株価推移(パフォーマンス)
- 米国リートETF DRNの2つの活用法
自分は、米国リートへの投資に関して以下のツイートをしました。
長期の資産運用では株・債券への投資が王道ですが、実はリートのパフォーマンスは株と遜色ありません。
特にバブル期は不動産価格が高騰するので、今のような金利低下、金融緩和が進んでく地合いだとリートの大幅上昇も期待できますね。
長期的にも、米国リートブル3倍etfのDRNなんか面白いですね。— かいまる (@leverage_toushi) 2019年7月2日
長期の資産運用では株・債券への投資が王道ですが、実はリートのパフォーマンスは株と遜色ありません。
特にバブル期は不動産価格が高騰するので、今のような金利低下、金融緩和が進んでく地合いだとリートの大幅上昇も期待できますね。
長期的にも、米国リートブル3倍etfのDRNなんか面白いですね。
上記を深掘りします。
自分は、投資歴20年でレバレッジ型ETFであるSPXLやCUREを保有して資産運用を行っています。その経験を踏まえて記事を書いています。
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目次
米国リートETF DRNの株価と特徴
DRNは米国リートの3倍の収益を目指すETF
Direxionデイリー MSCI 米国リート ブル3倍ETF(DRN)は、がMSCI US REIT インデックスの日々の値動きの3倍となる成果を目指すレバレッジ型の米国ETFです。
このMSCI US REIT インデックスは、米国REIT市場全体の時価総額約85%をカバーするものとなっています。
経費率は0.96%。米国リートETFであるIYRの経費率が0.43%比較すると若干高いですが、レバレッジ型ETFということを考えれば妥当なところだと思います。
DRNのセクター比率
DRNのセクター比率は、以下のようになっています(2022年12月31日現在)。
トップのSpecialized REITと表されているのは、IT関連施設のこと。スマホや携帯電話の通信ネットワーク用の電波中継棟やデータセンターなどの施設が該当します。米国ではIT関連施設の比率が高いんですね。
他は、ショッピングセンターなどの小売業系や、オフィス系、住宅系など日本でもおなじみのセクターで構成されているのがわかります。
DRNの組み入れ上位トップ10
DRNで組み入れている米国リートのトップ10は、以下のとおりです(2022年12月31日現在)。
日本では馴染みのないREITばかりですが、強いて挙げるとすると2位のプロロジス・リートは、日本のリート市場でも流通系施設を中心に展開していますね。
2位のアメリカン・タワーは、電波塔や携帯通信の基地局など、無線通信インフラのリースを行う不動産投資(REIT)ですね。
米国リートETF DRNの株価推移
次にDRNの株価推移を見ていきます。
株価の値動きを比較するため、S&P500と米国リートETFのIYRについても掲載しています。
DRNの株価の推移:長期(設定来)
2009年7月にDRNが設定されてからの株価推移です。レバレッジ型ETFですから大きな上げ下げを繰り返しながら、右肩上がりで上昇しているのがわかります。
‐ 設定来(チャート)
赤:DRN 青:S&P500 緑:IYR
S&P500やIYRもしっかり上昇していますが、DRNがコロナショック前まで凄まじく上昇しているのがわかります。
設定が2009年でリーマンショック後ですから、政策金利の低下や金融緩和政策の恩恵を受けて、米国の不動産市場が好調だったということでしょう。
DRNの株価の5年チャート
次に直近5年のチャートです。
‐直近5年チャート
赤:DRN 青:S&P500 緑:IYR
この直近2年のチャートから、
・コロナショックで急落、株価の回復が遅い
・米国リートETFであるIYRと良く連動した値動きになっている
ということ。
特に2020年2月のコロナショックの際には1ヶ月で株価が4分の1程度にまで急落。経済・社会不安が大きくなると不動産セクターは真っ先に売られてしまうという弱点がでた結果ですね。
またコロナショック後の株価回復もS&P500より遅いこともあり、2021年に入っても経済活動が制限されている状況下、戻りも遅いということなのでしょう。
IYRが上げる又は下げるタイミングでDRNが大きく反応しているのがわかります。
レバレッジ型ETFの最大のデメリットはレンジ相場の時に指数と大きく乖離しますが、DRNはわりとしっかりと指数に連動しています。
1年の短期チャートでみると、DRNの値動きの激しさがわかりますね。良くも悪くもレバレッジ3倍型ETFの特徴が表れているといえます。
赤:DRN 青:S&P500 緑:IYR
この過去1年の株価の値動きから、
・IYRに連動して短期的に3倍近い値動きを示している
ということがわかります。IYRが上がればDRNも上がるし、逆に下がればDRNも下がっています。
短期的には綺麗に値動きが3倍程度になっているといえます。
米国リートETF DRNの配当実績
DRNの配当実績は以下のとおり。配当金は2年連続で伸びていますが、レバレッジ型ETFですから、あまり配当には期待できないということです。
なお、米国株に投資する魅力は高配当で長期間連続増配している個別銘柄が多いことです。中には7%を超える銘柄や60年以上連続増配している銘柄も。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。
米国リートETF DRNのリターンは?
DRNの年率リターン
次にDRNの分配金も含めた年率リターンを見ていきましょう。
コロナショックによってREITは大きく下落していることもあり、短期リターンはあまり良くないですね。
ただ10年の年率リターンは6%を超えていて、長期的には上昇しているということがわかります。
注意点:時間と共に指数から乖離する
DRNは米国リートの3倍の収益を目指すものですが、リターンを見て分かるとおり綺麗に3倍となっていません。あくまでも1日の値動きについて3倍になるようにしているもので、期間が長くなると乖離が大きくなります。
日本取引所グループHPに、レバレッジ型ETFの特徴について解説がありましたので、以下に引用します。 ざっくり言うと、
- 投資期間が長くなればなるほど、指標と乖離する。
- レンジ相場になると指標に比べてパフォーマンスが悪くなる。
ということです。
レバレッジ型指標は、相場の下落局面においては原指標よりも大きく下落していきますが、2営業日以上離れた日と比較した場合は、想定した変動率とは異なる下落率となってしまう点、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性が高まる点に留意が必要となります。
相場の方向感が定まらず、原指標が上昇や下落を相互に繰り返した場合、レバレッジ型指標は複利効果によって、原指標と比較してパフォーマンスが逓減して行くという特性がありますので留意が必要です。
出典:日本取引所グループHP
なお、投資の勝率を高めるためには、こういうレバレッジETFの特性や投資理論を知っておく必要があります。以下の記事では、初心者向けのものから古典まで、おすすめの米国株投資本を紹介しています。
米国リートETF DRNの株価推移を踏まえた活用法とは
これまで見てきたDRNの株価推移や特徴を踏まえた活用法は、
・短期トレードで大きな値幅を狙う
・長期保有で高いパフォーマンスを狙う
と考えます。以下、簡単にみていきますね。
短期トレードで大きな値幅を狙う
DRNの短期チャートを見ると、
・2ヵ月程度で株価が2倍近くに跳ね上がる
・短期だと指数(IYR)と値動きとの乖離が少ない
ことから、短期トレードで利幅を取りに行くといった活用ができると言えます。
レバレッジ型ETFは、株価の値動きが激しいリスクの高い金融商品です。そのため、短期トレードは大きな損失が発生することが十分にありえるため、おススメできません。特に初心者は手を出すべきではありません。
長期保有で高いパフォーマンスを狙う
DRNの株価推移で見てきたとおり、
・設定来で8倍以上のパフォーマンスを示している
・指数(IYR)の値動きと良く連動している
ということから、DRNを長期保有することで大きな収益を期待できると言えます。
特にDRNが秀逸だと思うのは、コロナショックで大きく下落したものの、米国リート市場がレンジ相場に入っても、大きく値崩れしていないんですね。
もちろん、リートは不動産市場の動向に大きく影響されるので、バブル崩壊や金融危機の際には株式以上に大きく値下がりするというリスクはあります。
それでも、長期的には株式と同様、右肩上がりの上昇が期待できるので、指数との連動性が高いDRNは長期保有に向いていると言えます。
なので、例えば、ポートフォリオの中に株や債券だけでなく不動産も加えたいという時に、
・ポートフォリオの主力として株式や債券は現物で保有
・DRNをサテライト的に5~10%保有
という活用の仕方は、低レバレッジでリスクが抑えられる中、資金効率が高くなるので有用だと思います。
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米国リートETF DRNの株価推移などまとめ
今回は、米国リートに連動するレバレッジ型ETF DRNの特徴と株価推移(パフォーマンス)や年率リターンについて見ていくと共に、活用法について述べてきました。
DRNは、長期的なパフォーマンスに優れているだけでなく、指数(IYR)がレンジ相場に入った時期でも、大きく値崩れしないというところが秀逸ですね。
指数との連動性が極めて高いレバレッジ型ETFといえるので、長期保有でしっかりと運用していくといった使い方に向いていると思います。
特にポートフォリオに米国リートを加えたいと考えている場合には、少量保有することでもリートの割合が高くなりますから、資金効率を高めた運用ができると考えます。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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