”ジャンク債”ETF HYGは配当利回りの高いETFですけれども、株価の推移(チャート)や特徴はどうなっていますか?
S&P500などに連動するETFと比べて、HYGに投資するメリットは何ですか?配当実績についても知りたいです。
このような疑問を持つ方にむけて記事を書いています。
- HYG:株価の基本データと特徴は?
- HYGの構成銘柄とセクター比率は?
- HYGの株価推移(チャート)とリターンは?
- HYGの配当実績と増配率は?
投資歴20年のかいまるです。米国株を中心に1500万円以上の資産を運用しています。最近では、インカムを期待して債券ETFにも投資しています。
ハイ・イールド債にまるっと投資できる米国ETF HYG。特徴をザクッとまとめると、
- 米国市場のジャンク債に分散投資
- 5%近い分配金利回りで毎月配当
- 過去10年で年率5%超えのリターン
- 平時の値動きは安定も、〇〇ショックがあると大幅下落
ということです。
信用力の低い(=リスクの高い)”ジャンク債”で構成されるHYGですが、構成される債券の銘柄数は1000を超えていることもあり分散効果は十分。
債券ETFへ投資をして定期的な分配金が欲しいという方や、資産全体の分配金利回りを高めたいという用途には、HYGが選択肢に入ってくるかと思います。
今回は高い分配金利回りを期待できるハイ・イールド債への連動を目指したETF HYGの特徴についてわかりやすく解説です。
なお米国株や米国ETFに関連するページについて、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
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目次
HYG:株価の基本データは?
HYGは”iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF”という名称で、米ドル建ての高利回り社債で構成される指数と同等水準の投資成果を目指したETFです。
基本データは以下のとおりです(2023年9月22日現在)。
- 価格レンジ(52週):71.68 〜 78.08ドル
- インデックス:Markit iBoxx米ドル建てリキッド ハイイールド指数
- 信 託 報 酬 : 0.49%
- 配 当 利 回 り : 5.76%(直近12ヶ月)
- デュレーション : 3.85年
- ベータ値 : 0.49
- 組 入 銘 柄 数 : 約1250銘柄
- 設 定 日:2007年4月4日
BNDやAGGが国債を中心としたETFなのに対して、このHYGは信用力の低い社債、いわゆるハイ・イールド債の集めたETFということですね。
この”ハイイールド債”とは、
ハイ・イールド債とは、利回りが高く信用格付が低い債券のことで、ジャンク債などともいわれます。イールド(yield)とは、直訳すると、収益、利回りという意味となります。
具体的には、格付会社などで信用格付がBB(ダブルビー)以下の評価をされている債券で、信用度が低い分、格付の高い債券より金利が高く設定されています。※SMBC日興證券HPより
というもの。
信用格付けが低いぶんリスクが高い代わりに金利が高く設定されています。
リスクを多少とっても配当金を多くもらいたいという投資家にとっては、このハイイールド債に投資した方がメリットがあるということです。
なお、債券の特徴とおすすめの債券ETFについては以下の記事にまとめています。株急落に備えるには、なぜ債券が優れているのか?
ぜひご覧ください。
HYGの株価の特徴とは?
ハイイールド債に連動するHYG。その特徴をまとめると、
- 株式よりも値動きが安定
- 他の債券ETFに比べて配当利回りが高い
- 信託報酬がわりと高め
ということ。クイックに見ていきましょう。
特徴その1:株式よりも値動きが安定
ジャンク債とはいえ債券ですので株式よりも値動きが大きくないという特徴があります。
S&P500をの値動きを比較したベータ値は0.40。このベータ値はS&P500の値動きを1としたものですから、HYGの値動きは5分の2程度ということです。
またデュレーション4年程度ということは金利が1%上下すると、4%の値動きをするということです。
さらに言えば、安定した米国債券を集めたAGGですらデュレーションが6年程度ですから、最近のHYGの値動きは比較的安定しているということです。
参考記事⏬
安定感抜群!債券ETF AGGとは?
特徴その2:他のETFに比べて配当利回りが高い
HYGに投資する一番の目的は配当金による安定インカムを得ることです。現時点で配当利回りは4%超え!コロナショック前は5%を超えてました。
過去5年の分配金利回りの推移は以下のとおりです。コロナショック以降のゼロ金利政策もあり利回りは下落傾向。
ETFではあまり見られないレベルの利回りです。
2020年以降は政策金利が下落傾向により、高利回りが期待できるHYGに買いが入っていますので利回りが若干低くなっているんですよね。
一方、2021年末以降は、政策金利が大幅に上昇していることから債券の価格が下落しているので利回りは上昇しています。
HYGを購入するタイミングによっては、5%超えの利回りを得ることもできます。
特徴その3:信託報酬がわりと高い
ハイイールド債という特殊な商品を扱っているのでしょうがない面もありますが、信託報酬0.48%というのは米国ETFの中では比較的高めです。
なので長期投資を考えるときに、この信託報酬がリターンを押し下げてしまいます。
まあ日本のアクティブ型投信よりはずっと良心的なんですけどね・・・・。
HYGの構成銘柄とセクター比率
HYGの構成銘柄
構成銘柄上位10社は以下の表のとおりです(2023年1月11日現在)。
格付けの低い企業の社債ということもあり、なじみのない会社ばかりですね。日本でも有名なのは自動車のフォードぐらいでしょうか。
HYGのセクター比率
続いてセクター比率です。
自動車などの製造業である景気循環消費、通信の比率が高いですね。
これらはインフラ整備に莫大な費用が必要になるので、借入金や社債の発行が多くなるため自己資本比率が低くなる傾向があります。
なのでこれらのセクターは、格付けが低くなり社債の金利も高くなるということでしょう。
参考URL:ブラックロック社HP
HYG:株価の推移(チャート)とリターンは?
HYGの長期チャート
以下はHYGが設定された2007年からのチャートです。
このチャートを見てわかることは、
・2008年リーマンショックや2020年コロナショック時に大幅に下落
・平常時の株価は株式に比べて安定している
・22年以降、政策金利の上昇で価格は大幅に下落
ということ。特にリーマンショック時は2007年からの1年程度で株価が、
・105ドル → 62ドル
と40%近く落ち込みました。2015年ごろのチャイナショックの際も1年程度で20%近く値下がりしていますね。
なので債券とはいえジャンク債ですので、金融危機などが発生すると金融機関や投資家からの売りが入って値下がりしやすいということです。
HYGの株価自体は全く上がっていませんが、配当金が毎月支払われるので実際のリターンは大きくなります。
こう見ると、米国の債券市場全体に連動するBNDよりも値動きが激しいのがわかりますね。安定性を求めて購入する債券ETFではないということです。
S&P500との比較
次にS&P500と比較します。そのチャートが以下です。
赤:HYG 水色:S&P500
この比較でわかることは、
・株式に比べて値動きが安定している
・リーマンショックやコロナショック時の落ち込みが小さい
ということです。HYGは、ジャンク債と言っても債券なので株式よりも値動きは安定していますね。
なお、このチャートには分配金が含まれていないので、HYGの実際のリターンはもう少しS&P500に近づくことになります。
HYGのリターン
じゃあ実際にどれくらい儲かるの?というのが気になるところですね。HYGの配当金も含めたトータルリターンは以下のとおりです(2023年12月31日現在)。
設定来で約4.2%程度のリターン。累積で1.5倍以上のリターンを得られた計算になりますね。投資先としてはまずまずのパフォーマンスと言えるのではないでしょうか。
米国ETFに手間をかけずに自動運用する方法とは?
株式への資産運用が最もパフォーマンスが良いことは、過去のデータから明らかですが、コロナショックのように短期間で大暴落することも。
やはり資産運用の基本は、米国株、日本株を保有しつつ、債券や金、不動産などに資産を分散して長期運用するというのが合理的な手法です。
自分でポートフォリオを作って運用するのも良いですが、ウェルスナビを活用して長期投資すれば、ロボアドバイザーが世界中の市場の株、債券、金、不動産などの米国ETFに分散投資してくれます。
自分も活用していますが、口座にお金を振り込めば基本的に何もしなくても良いんですよね。忙しい会社員や主婦の方に特におすすめです。詳しくは以下の記事にまとめています。
https://leverage-investment.com/wealthnavi-profitable/
HYGの配当金がもらえるのはいつ?配当実績と増配率は?
安定した値動きで高い配当利回りが特徴のHYGですが、配当金は毎月振り込まれます。
正確には年末年始の関係で1月は配当金は振り込まれず、12月に2回の振り込みですね。
またHYGが設定された2007年からの配当実績は以下のとおりです。
リーマンショック以降は配当金が低下傾向ですね。これは景気刺激のためにFRBの政策金利が下がったことによるものと考えられます。
2017年から2018年ごろはFRBの政策が金融引き締めとなり金利が引き上げられる局面でしたから、若干配当金が上がってますね。
一方、2020年以降は新型コロナ拡大に伴う金融緩和で実質的にゼロ金利政策となっていることもあり、分配金は下落していますね。
いずれにせよ過去の実績からは、他の債券ETFと同様に増配はあまり期待できないということがわかります。
なおHYGは高配当の債券ETFですが、米国株の中にも配当利回り7%を超えたり50年以上連続増配している銘柄もあります。
おすすめの銘柄について以下の記事にまとめていますのでぜひご覧ください。
「HYGの株価とチャート」まとめ
今回は格付けの低い債券であるハイイールド社債を集めたETF HYGの株価とチャートということで、その特徴と株価の推移(チャート)、配当金の推移等について見てきました。
HYGは格付けの低い債券を優先株を集めたETFであるという性質上、
・金融危機などの際は売りが集中して値下がりする
・信託報酬が高い
・金利低下局面で配当金が減少する
というデメリットはありますが他のETFよりも配当利回りが極めて高く、平常時の値動きは非常に安定しています。
なので純粋にインカム目的で利回りが出来るだけ高い商品に投資したいというのであれば、HYGは最適なETFの一つと言えます
最後に米国株やETFに賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
S&P500や米国株にレバレッジ取引
株価指数、外国株、金、原油…などなど。いろんな商品に気軽に投資ができるCFD。最大の魅力はFXのようにレバレッジをかけて取引できること。
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なお米国株や資産運用に関連するお得な情報について、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
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