PFFは配当利回りの高いETFですけれども、構成銘柄、株価推移や特徴はどうなっていますか?
S&P500などに連動するETFと比べて、PFFに投資するメリットは何ですか?配当実績についても知りたいです。
このような疑問を持つ方にむけて記事を書いています。
- PFF:株価の基本データと特徴は?
- PFFの構成銘柄とセクター比率は?
- PFFの株価推移(チャート)とリターンは?
- PFFの配当実績と増配率は?
米国ETFのPFFはインカム目的の投資家に人気ですが、その特徴は、
- 配当利回り7%超えの高配当
- 平常時の値動きが安定
ということ。
株価の推移(チャート)はハイ・イールド債のETFと変わらということもあり、株式のETFというよりは、配当金の高い債券ETFの感覚で投資するのが良いと思います。
今回は、そんな高配当が魅力のPFFについて解説していきます。配当重視で投資したい方、必見です。
ぜひ最後までご覧ください。
自分は、20年以上投資を続けていて米国ETFも保有しています。今回は、この経験も踏まえ記事を書きました。
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目次
PFF:株価の基本データは?
PFFは”iシェアーズ 優先株式&インカム証券 ETF”という名称で、米国の優先株式で構成される指数と同等の成果をあげることを目指したETFです。
PFFのデータは以下のとおり(2023年11月9日現在)。
- インデックス:ICE上場優先株式&ハイブリッド証券トランジションインデックス
- 株価(52週レンジ):28.15 〜 32.66ドル
- 信 託 報 酬 : 0.46%
- 分 配 金 利 回 り: 6.43%(過去12ヶ月)
- 配 当 実 績 : 2.01ドル
- ベータ値 : 0.59
- 組 入 銘 柄 数 : 約500銘柄
- 設 定 日:2007年3月26日
このPFFは優先出資証券の集めたETFということですね。”優先出資証券”とは、
協同組織金融機関や特別目的会社(SPC)が自己資本の充実を図るため、投資家から広く出資を募る目的で発行される証券。普通出資者総会における「議決権」がない一方、「優先的配当」を受ける権利があるなど、株式会社における優先株に類似した権利を持つ。
※野村證券HPより
というもの。
小難しく書かれていますが、要は優先的に配当が得られるので配当利回りがよくなるけれども、議決権などは制限されるということ。
投資先の経営には関心はないので議決権はいらないから配当金を多くもらいたいという投資家にとっては、この優先出資証券に投資した方がメリットがあるということです。
日本だと伊藤園の優先株式が有名ですね。伊藤園の通常株よりも25%ほど多く配当金が支払われます。
日本市場では、この優先株式を設定している銘柄は伊藤園ぐらいしか聞きませんが、米国ではこれらの取引が盛んに行われているんですね。
米国ETF PFFの特徴とは?
PFFの特徴とまとめると
- 株式よりも値動きが大きくない
- 分配金利回りが高い
- 信託報酬がわりと高い
ということです。クイックに見ていきましょう。
特徴その1:株式よりも値動きが大きくない
優先出資証券の特徴として普通株式よりも値動きが大きくないという特徴があります。なのでこの優先出資証券の集合体であるPFFの値動き株式に比べて大きくありません。
S&P500をの値動きを比較したベータ値は0.59。このベータ値はS&P500の値動きを1としたものですから、PFFの値動きは6割程度ということです。
個別株のベータ値は景気敏感株などの高い銘柄で2から3以上のものもありますから、PFFの値動きは株式ほど大きくはないということ。
特徴その2:分配金利回りが高い
PFFに投資する一番の目的は配当金による安定インカムを得ることです。現時点で配当利回りは4.80%!日本の株式やETFではあまり見られないレベルの利回りです。
最近の株価は上昇傾向なので利回りが低下していますが、PFFを購入するタイミングによっては、5%超えの利回りを得ることもできます。
PFFも高配当ETFですが、米国株の魅力は連続増配銘柄が多いことですね。個別銘柄の中にも素晴らしい銘柄が米国にはたくさんあります。以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
特徴その3:信託報酬がわりと高い
優先出資証券という特殊な商品を扱っているのでしょうがない面もありますが、信託報酬0.46%というのは米国ETFの中では比較的高めです。
なので長期投資を考えるときに、この信託報酬がリターンを押し下げてしまいます。
まあ日本のアクティブ型投信よりはずっと良心的なんですけどね・・・・。
なお米国ETFには、高い分配金を期待できるものや安定した分配金を期待できるものなど、魅力的なものがたくさんあります。
PFFの構成銘柄とセクター比率
PFFの構成銘柄
構成銘柄上位10社は以下の表のとおりです(2024年4月末現在)。総資産総額に占める上位10社の割合は12%程度となっています。
有名どころはバフェット銘柄のウェルスファーゴやバンカメ、Citiグループ、JPモルガンあたりですかね。金融セクターの割合が高いことがわかります。
PFFのセクター比率
続いてセクター比率です。実際に業種別の比率を見てみると金融機関が60%以上を占めているんですね。
金融機関で構成銘柄の6割以上を占めているんですね。
リーマンショックの際には、S&P500以上に株価が値下がりしましたが、この構成比率だとしょうがないです。
PFFは金融銘柄を中心に構成されている点については、よく認識しておいた方が良いですね。
PFF:株価の推移(チャート)とリターンは?
PFFの長期チャート
以下はPFFが設定された2007年からのチャート(分配金除く)です。
このチャートを見てわかることは、
・金融危機だったリーマンショック時の落ち込みが半端ない
・金融引き締めが開始された2022年も短期的に下落
・コロナショック時も株価は急落
・平常時の株価は非常に安定している
ということですね。リーマンショック時は2007年からの1年程度で株価が、
・50ドル → 15.05ドル
と70%近く落ち込みました。
ただ、リーマンショック後は急速に株価が回復して35ドルから40ドルの間で10年近く推移しています。
さすがにコロナショックの時には株価も下落しましたが、平常時の安定した値動きこそが、PFF最大の特徴と言っても良いですね。
このチャートは配当金が含まれていませんから、株価は安定しつつ配当をがっちり受け取れるということです。
S&P500と債券ETFとの比較
次にS&P500とハイイールド債を集めたETFであるHYGと比較します。そのチャートが以下です。
赤:PFF 水色:S&P500 緑:HYG
この比較でわかることは、
・PFFは債券ETFとほぼ同じ値動き
・リーマショック時の落ち込みが最も激しい
・リーマンショック後の回復が鈍い
ということです。PFFは株式ETFというよりは債券に近い性質のETFといえます。
またPFFは金融銘柄の比率が60%以上こともあり、リーマンショックなどの金融ショックに極めて弱いことがわかりますね。
このチャートには配当金が含まれていないので、実際のリターンはもう少しS&P500に近づくことになります。
PFFのリターン
じゃあ実際にどれくらい儲かるの?というのが気になるところですね。PFFの分配金も含めたトータルリターンは以下のとおりです(2024年3月31日現在)。
10年で年率3.7%近いリターンでインカム目的に投資先として考えても、物足りないパフォーマンスですね
また、ちょっと気になるのがインデックスとの乖離の大きさで、0.5%以上劣後しています。
ETFが優秀かどうかについては、乖離幅で評価されることになるので、優先株を取り扱うという特殊性があって仕方ない面はありますが、PFFは、ETFとしては若干評価が低いといえます。
(参考URL:ブラックロック社HP)
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PFFの配当金はいつ?配当実績と増配率は?
安定した値動きで高い配当利回りが特徴のPFFですが、配当金は毎月振り込まれます。
正確には年末年始の関係で1月は配当金は振り込まれず、12月に2回の振り込みですね。
またPFFが設定された2007年からの配当実績は以下のとおりです。
配当金は過去の実績を見ると減少傾向です。他の債券ETFと同様に増配はあまり期待できないですね。
過去5年の配当利回りを見ると、コロナショックで大きく株価が下落した2020年は利回り6%超。平均して5.5%前後ということがわかります。
毎月安定した分配金が入ってくるのがPFF最大の魅力です。6%近い配当利回りを考えるとインカム目的の投資先としては、十分にありだと思います。
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「PFFの株価とチャート」まとめ
今回は、配当金の高い優先出資証券をまとめたETFであるPFFの株価とチャートということで、その特徴と株価の推移(チャート)、配当金の推移等について見てきました。
PFFは株価の値動きや配当利回りの高さから言って、株式ではなくハイ・イードル債券ETFに近い性質を持ちます。
優先株を取り扱い、金融銘柄が多いという性質上
・金融危機の際は株式より値下がりする
・信託報酬が高い
・インデックスとの乖離が大きい
というデメリットはありますが配当利回りが極めて高く、平常時の値動きは非常に安定しています。
なので純粋にインカム目的で利回りが出来るだけ高い商品に投資したいというのであれば、PFFは最適なETFの一つと言えます。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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