欧州ETF VGKの株価や構成銘柄などの特徴について知りたいです。おすすめですか?
高配当ETFやS&P500に連動するETFもありますが、これらに比べてヨーロッパETF VGKに投資するメリットは何ですか?配当実績についても知りたいです。
今回は、このような疑問を持つ方にむけて記事を書いています。
- 欧州ETF VGK:株価の基本データと特徴は?
- VGKの構成銘柄とセクター比率は?
- VGKのチャートとリターンは?
- VGKの配当実績と増配率は?
投資歴20年のかいまるです。米国ETFや米国株を中心に2000万円以上の資産を運用しています。
米国ETF VGKは欧州先進国の株式市場に連動しますが、これまでのリターンは米国市場と比べると大きく劣っています
しかしながら
- 長期的なリターンが4%超え
- 取引しずらい欧州市場に1本で投資できる
というメリットもあります。
南欧の経済危機や移民問題、英国のEU離脱、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機など経済的にはあまり良いニュースのない欧州市場ですが、将来的にはこれらの問題が解決して、株価が長期的に上昇軌道に乗る可能性もありえます。
株式投資というと日本や米国が中心となりますが、分散投資を図る観点から欧州市場へ投資するのも選択肢ですね。
今回は、そんなバンガード社のETF VGKを取り上げます。
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目次
欧州ETF VGKの株価の基本データは?
VGKはバンガード・FTSE・ヨーロッパETFという名称で、欧州先進諸国の株式市場全体に連動するETFです。大型株だけじゃなく、中型株や小型株も含まれますね。
オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、 フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、 オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、 英国
欧州先進国の株式市場に連動するETF VGK。株価の基本データをまとめました。以下のとおりです(23年12月22日現在)。
- インデックス: FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックス
- 株価(52週レンジ):54.92 〜 64.44ドル
- 信 託 経 費 率 : 0.11%
- 配 当 利 回 り : 3.21%
- 配 当 実 績 : 1.97ドル
- 組 入 銘 柄 数 : 約1300銘柄
- 設 定 日:2005年3月4日
手数料が0.08%と十分安いですね。S&P500ETF VOOの0.03%に比べてちょっと高くなっていますが、日本から欧州先進国市場に投資できることを考えれば妥当なところです。
コロナショック前の配当利回りは3%台でしたが企業の業績悪化で配当利回りが2%台まで落ちてしまいました。S&P500ETF VOOと変わらない水準です。
ヨーロッパETF VGKの構成銘柄とセクター比率は?
VGKの構成銘柄
構成銘柄上位10社(2023年3月31日現在)は以下の表のとおりです。
日本でも知名度の高い食品最大手のネスレや医薬品事業を手がけるロシュやノバルティス、石油会社のシェルなどが上位を占めています。
なお資産総額に占める上位10社の割合は約18%となっていて、それほど高い割合ではありません。
VGKのセクター比率
続いてセクター比率です。
金融、消費財、資本財、ヘルスケアの割合が高くなっていますね。この4セクターで70%近い割合となっています。
米国市場と比べて特徴的なのは、S&P500ではトップのテクノロジーの分野が、VGKではわずか7%程度に過ぎないということですね。
「ナスダックETF QQQの特徴とは?」の記事でも書きましたが、好調な米国市場を牽引したのはGAFAやマイクロソフトのようなハイテク分野。
これらの比率の高い米国市場の方が成長力は高かったということでしょう。
国別構成比率
次に国別構成比率Top10です。
英国がトップなのは何となく想像がつきましたが、欧州経済を引っ張っていると言われるドイツの構成比率があまり高くないんですね。英国の6割程度です。
ドイツ銀行の没落で金融事業が強くないことと、製造業が中心で世界的な大企業が育っていないということなんですかね。
対象的なのは小国スイス。構成比率が高いのは金融に強みがあるのとと食品業界のガリバーであるネスレがあるからですね。
投資においては、個別銘柄やETFの特徴に応じて投資を行うこと、しっかりとした投資理論を身に着けることが勝率を高める上で重要です。以下の記事では、初心者向けのものから古典まで、おすすめの米国株投資本を紹介しています。
(参考URL:バンガード社HP)
VGKの株価の推移(チャート)は?
ここではVGKが設定された2005年からの長期チャートを見ていきます。以下が設定来チャートです。
赤:VGK 青:S&P500
リーマンショック後に絶好調の米国市場と比べるのは酷でしたかね。設定されてから約15年程度ですがS&P500よりも断然パフォーマンスが良くないことがわかります。
ただ意外だったのは、2005年から2008年ごろまではS&P500よりもパフォーマンスがよかったんですね。このころ米国市場はITバブル崩壊の余波もあり不調だった時期。
絶好調の米国市場と比べても「欧州は低成長ですね」という結論にしかならないので、英国市場と比べて見ましょう。
そのチャートが以下。
赤:VGK 緑:FTSE100(英国)
英国の株式指数であるFTSE100よりもパフォーマンスが悪いですね。
低成長のスウェーデンなどの北欧3国や経済が低迷しているイタリアやギリシャが含まれていることが要因ですね。
VGKは欧州株式市場にまるっと投資できるETFですが、同じバンガード社から世界株、日本を含む先進国、新興国の株式市場に投資できるETFも販売されています。
VGKのリターンは?
VGKの配当金も含めたトータルリターン(2023年3月31日現在)は以下のとおりです。
設定来リターンが4%台と、ちょっと投資するのに躊躇してしまう水準です。
長期的な株式の期待リターンが6〜7%ということを考えるとちょっともの足りない。低成長の欧州市場ということを考えると、しょうがないですかね。
VGKのこれまでの配当実績と増配率は?
VGKは他の多くのETFと同様に四半期に一度配当金が分配されます。配当実績は以下のとおり。
株価も横ばいですが配当金も同様に伸びてないですね。配当利回りは3%とわりと高配当ですが、過去10年間の増配率の平均が0.95%となっていて微増です。
低成長の欧州先進国市場ということもあり、配当の伸びもあまり期待できないということですね。
なお、VGKの配当金は3%程度ですが、米国株には高配当でしかも連続増配を続けている企業があります。中には7%を超える銘柄や60年以上連続増配している銘柄も。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。
VGKへの投資:ちょっとだけ考察
リターンや配当金を見ていくと、あまり魅力を感じないETFですが、低いコストで欧州先進国市場にも分散投資したいという者にとっては選択肢となりますね。
過去の成長性だけを見ると米国市場一択ですけど、将来どうなるかなんて誰にもわかりませんからね。
現に2005年ごろは欧州市場の方がパフォーマンスが良かったです。
南欧の経済危機や移民問題、英国のEU離脱、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機など経済的にはあまり良いニュースのない欧州市場ですが、将来的にはこれらの問題が解決して、株価が長期的に上昇軌道に乗る可能性もありえます。
他方、北欧3国やギリシャ、イタリアなど長期的に大きな成長の見込めない国も多く含まれています。なので米国株を中心としつつサテライト的に保有するという使い方が良いと考えます。
なお、米国株や米国ETFにお得に投資をしたい方には”取引手数料ゼロ”のDMM株が圧倒的におすすめです。
米国ETFは、大手のネット証券であるSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入することが可能ですが、手数料は3社横並びで約定代金の0.45%(最大20ドル)。日本株の売買手数料よりも、かなり割高な状態なんですよね。
その点、DMM株なら取引手数料ゼロで米国株を購入することが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。最近人気が高まっているみたいですよ。
「欧州ETF VGKの株価」まとめ
今回は、欧州ETF VGKの株価ということで、その特徴と株価の推移(チャート)、配当金の推移等について見てきました。
VGKの特徴をまとめると、
・欧州先進国の株式市場に投資
・過去10年間で1.8倍のパフォーマンス
・過去10年のリターンは4%程度
ということですね。
過去のパフォーマンスから欧州市場単独に投資するというのは選択肢にはなり得ないですが、保有資産の分散性を高める観点から投資するのはありだと思います。
特に日本から欧州の個別株投資は取引しずらいということもあり、低いコストで欧州市場全体に投資できるVGKは使い勝手が良いのではないでしょうか。
ただ低成長の国が多く含まれていることもあり、米国株を中心としつつサテライト的に購入するという使い方が良いと思います。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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