ファナック(6954)の株価推移や配当について知りたいです。景気敏感株ということもあり、新型コロナ拡大で業績悪化してるんですか?
今後の株価の予想や、株主優待などについても知りたいです。
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
- ファナック(6954)の株価の状況は?
- ファナックの配当と株主優待は?
- ファナックの株価の推移(チャート)はどうなる?
- ファナックの株は買い時?株価は上がる?今後の株価の予想は?
産業用ロボットで世界トップシェアのファナックの株価が冴えないですね。
2018年以降、中国景気減速の影響で業績が悪化。新型コロナ拡大の影響もあり業績が悪化していたことが要因。
一方、コロナ収束による景気回復もあり、2020年中ごろから業績が回復していてファナックの株価は底堅いです。
このようにファナックは、景気や経済の動向に業績の影響を受けやすい景気敏感株なんですね。配当利回り2%台で減配も普通に実施するので、インカム目的の投資には向かない銘柄です。
そんなファナックの株は買いかどうか、分析していきます。ぜひ最後までご覧ください。
自分は、投資歴20年を超えており日本株を中心に2000万円以上の資産を運用しています。今回は、これらの経験も踏まえて記事を書きました。
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目次
ファナック(6954)はどんな会社なの?
ファナックは、日本の電気機器メーカーで工場の自動化設備に特化した会社ですね。
元々は富士通の計測部門でしたが1972年に子会社として独立。製造メーカーとしては比較的新しい企業です。
現在は富士通から完全に独立しており、世界4大産業用ロボットメーカーの1つとなるまで成長しています。
工場で製品を作る機械や、産業用ロボットに強みを持っていて、
・工作機械装置:世界首位(国内シェア7割、世界シェア5割)
・産業用ロボット:世界首位(世界シェア2割)
となっていますね。
製造業の企業は生産効率化を目指すために工場の自動化(FA=ファクトリーオートメーション)を推し進めています。
ファナックはこのFAに必要なロボットやシステム製品の開発を行っています。
AI技術の進展や人手不足などもあり、工場のオートメーション化はますます進むことが予想されるので、ファナックの将来性は十分ですね。
今回はそんな工場の自動化設備で高いシェアを誇るファナックを取り上げます。
ファナックの株価の状況は?
では早速ですがの株価データ(2024年4月24日現在)を見て行きましょう。
2023年3月に1→5株に株式分割されたこともあり、個人投資家にもだいぶ買いやすくなりました。
株価の指標に関しては、パッと見た感じ”あまり良くないな”というのが率直な感想。配当は未定ですね。
2024年3月の実績配当利回りは1.8%程度で、日本株の中では平均的水準。将来の成長が期待される分野でもあり、研究開発への投資が必要ということなんですかね。
PERの目安は13~15倍ぐらいですから約40倍というのは指標的には割高な水準ですね。
一方、同業である他の電機機器メーカーのPERと比較してみると、
- 安川電機:33倍
- 日本電産:39倍
- キーエンス:44倍
となっていて、ファナックのPERは同業と比べて同水準ですかね。同業他社と比べると平均レベルといったところです。
AIの発展や人手不足などもあり、工場用ロボットは大きなイノベーションや成長が見込める分野。利益に対して株価が高く推移しているのでしょう。
なお、同じFA関係のキーエンスや工場機械の安川電機も業績が堅調な銘柄で人気が高いです。
株は買いか記事をまとめていますので、ぜひご覧ください。
ファナックの配当と株主優待は?
続いて配当実績を見ていきますね。
以下がファナックの配当金の実績です。
配当金は、あまり安定していないですね。
配当性向が引き上げられた2019年度の200円超えですが特別配当が含まれています。
これを除くと35円〜110円程度で推移していますね。
ファナックの配当方針を見ると、
株主の皆様への長期的な利益還元をさらに充実させるため、連結配当性向を60% とする。
としているので、機械的に配当金を決めているんですね。けっこう珍しい決め方です。配当性向が60%は日本株の中では高い水準なので、これ以上の上昇余地はなさそうです。
配当金が増えるか減るかは業績次第ということなので、金額が安定しないですね。減配される可能性が十分にありえるということでしょう。
なお日本株の中にも減配せずに増配する”累進配当”を目指す方針の企業があります。それらの企業の中から高配当銘柄をまとめました。
株主優待は…
工場の自動化設備で高いシェアを持つファナック。株主優待はどうなっているのでしょうか?
やはり自社サービスや商品の優待が改悪されるリスクが少なくて良いですよね。
しかし現在のところ、ファナックは株主優待を実施していません。残念です…。
自社製品を優待にするわけにもいかないですからね。まあ株主還元は配当金を中心ということですね。
なお、日本株に投資しようと思っても、どんな株主優待があるのか迷うことも…。
以下の記事では、優待銘柄を検討する時に本当に役に立つ株主優待のおすすめ本3選とおすすめの雑誌を紹介しています。
次にファナックの株価推移と業績を見ていきます。
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ファナックの株価の推移は?長期&短期チャート
続いてチャートを確認していきましょう。
産業用ロボットで世界首位のファナックですが、これまでの株価推移はどうなっているのでしょうか?
ここでは過去の長期チャートと短期チャートを見ていきます。
ファナックの長期チャート
以下は過去のチャートです。
値がさ株の代表銘柄でしたが、2023年3月の1→5株の株式分割して個人投資家にも買いやすい株価になりました。
典型的な景気循環型のチャートですが、長期的には着実に株価が上昇傾向であると言えるでしょう。
2010年ごろまで2000円程度だった株価が、アベノミクスもあり2015年半ばに5500円まで上昇していますね。
5年足らずで株価2.8倍程度ですからまずまずのパフォーマンスをいえるでしょう。その後2015年なかば以降は、チャイナショックもあり株価は4000円を切る水準まで下落。
2016年半ばごろから再び上昇し、2018年初頭には5000円を超える水準にまで株価は上昇しているのがわかります。
工作機械は、景気や経済の動向に業績の影響を受けやすいこともあり、株価の値動きは激しいですね。
ファナックの短期チャート
以下が直近1年間のチャートです。
短期的には横ばい傾向と言ってよいでしょう。株価は2020年の暴落前の水準を既に回復しています。
実は、2018年にも株価は大きく下落していて
・2018年1月19日:6690円
・2019年1月 4日:3114円
となっていて1年程度で50%以上減ですからわりと大きな落ち込みんでいました。コロナショックでも3000円あたりがサポートラインになっています。
短期的に見ても値動きの荒い銘柄ということがわかります。
このように、株はリスクが高い、コロナショックみたいな株価暴落が怖い…という方もいると思います。
そういう方は1株価からの少額投資から初めてみてはどうでしょう?少額投資でリスクを低く運用を行うことが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。
この状況はしばらく続くのか?次にファナックの業績を見ていきます。
なぜ株価は下落?ファナックの業績は?
続いてファナックの業績を見ていきます。
工場用機械トップシェアのファナックの株価が下落傾向なのは、業績が振るわないからに他なりません。
以下が過去5年の売上高、経常利益、純利益の推移(単位:億円)。
新型コロナ拡大の影響で企業の設備投資が減少しており、2020年のファナックの業績も悪化しています。
売上高に占める利益率が25%を超えていましたが、2020年は16%にまで減少してしまいました。
一方、2021年以降はコロナ収束による景気回復期待により業績が改善していますね。企業は景気が良くなると工場などの設備投資を増やすことになるので、売上が伸びています。
このように、産業用ロボットは世界経済や景気の動向に影響を受けやすい”景気敏感銘柄”ということもあり、業績が変動しやすいんですね。
22年も増収増益となっていて業績の回復が鮮明です。
キャッシュフローはずっとプラスをキープしていることもあり、財務的にはなんら問題はないですね。すぐに経営破綻するということはあり得ないです。
株価が下落傾向のファナック。株は買い時?
世界経済や新型コロナ拡大で株価が大きく影響を受けているファナック。株は買い時でしょうか?
自分は景気動向に売り上げが左右される銘柄は好みではないということもあるのですが、ファナック株は長期投資の観点から手が出しづらいと考えています。
理由を端的に言えば、
・PERが高く株価水準も割高
・配当利回りが低く、配当金が安定していない。
・景気動向に影響を受けやすい”景気敏感株”
ということですね。
最も大きいのは、配当利回りが低い上に、配当金が安定していないことですね。配当性向60%を厳格運用しているので、業績次第で躊躇せず減配しているんです。
大半の企業は経営者失格の烙印を押される減配には、極めて慎重なんですけどね…。
業績や株価も景気動向に影響を受けやすいこともあり、成長期待は高いものの長期投資の観点からは少し手が出しづらい銘柄と考えます。
ファナックは景気敏感株ということもあり、景気が回復するタイミングで値上がり益を期待して投資するのはありかと思います。
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「ファナックの株価が下落」まとめ
今回はファナックの株価分析ということで、株価の推移、配当実績や株主優待、今後の株は買いかなどについて述べてきました。
産業用の工作機械やロボットで圧倒的強みをもつファナック。
景気の動向に影響を受けやすく、新型コロナ拡大で企業が設備投資をひかえるなか、業績悪化が続いています。
株価は短期的には新型コロナ収束で景気拡大の期待から上昇しているものの、業績回復にはもう少し時間がかかりそうですね。
配当利回りも低く、業績次第で減配の可能性も高いことから、長期的にファナック株はちょっと手が出しづらい銘柄と言えそうです。
やはり景気敏感株は長期保有ではなく、景気回復局面で値上がり益を狙うということですね。
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