ゆうちょ銀行(7182)の株価が上がらない理由を知りたいです。株価はどこまで落ちるんですかね?
2015年11月の上場以降、株価は下落し続けているようですが…これまでの株価推移や今後の株価の予想についてはどうですか?株は買い?
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
- ゆうちょ銀行(7182)の株価が上がらない|株価の状況は?
- ゆうちょ銀行の配当と株主優待は?
- ゆうちょ銀行の株価の推移(チャート)は?
- ゆうちょ銀行の株価が上がらない理由とは?
- ゆうちょ銀行の業績の見通しや株価を予想は?株は買い?
ゆうちょ銀行の株価が、公開価格1,400円を大きく下回り上場来安値を更新し続けています。23年に入っても株価は1,000円前後…
ゆうちょ銀行は、配当利回り5%超えるなど、”郵便局”ブランドで個人投資家に人気の銘柄。
日銀マイナス金利政策により経常収益が下落し続けています。金利上昇局面でもないので、厳しい局面が続いています。
一方、日本においても日銀は長期金利変動幅を拡大、イールドカーブコントロールの運用を柔軟化したりと、実質的に政策金利上昇を引き上げています。ゆうちょ銀行も含めて銀行の収益改善が期待されています。
今回は、そんなゆうちょ銀行の株価がどこまで落ちるのか、業績の推移なども合わせて分析していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
自分は、投資歴20年を超えており日本株を中心に 2000万円以上の資産を運用しています。今回は、これらの経験も踏まえて記事を書きました。
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目次
ゆうちょ銀行(7182)はどんな会社?
ゆうちょ銀行は、郵政民営化に伴い2007年10月に株式会社ゆうちょ銀行として発足。過去に郵便局が行なっていた郵便貯金の業務を引き継いでいます。
貯金残高は180兆円を超える規模。これは三菱UFJ銀行の149兆円を上回り国内最高の残高です。全国47都道府県全てに支店を持つなどメガバンク以上の”巨大銀行”と言えますね。
株式が上場されたのは、結構最近の2015年11月4日。高い配当利回りと”郵便局”ブランドの安心感もあり個人投資家の人気を集め、初値は公開価格の1,400円を大幅に上回る1,631円を付けました。
しかし、その後株価は失速。現状1,000円を下回る状況が続いています。
”巨大銀行”であるゆうちょ銀行に一体何があったんでしょうか?以下詳細に見ていきます。
ゆうちょ銀行の株価が上がらない|株価の状況は?
ゆうちょ銀行の株価データ(2024年4月9日現在)を簡単にまとめました。
株価の指標的には配当利回りが3.2%程度で高配当銘柄と言える水準。PERの目安は13~15倍ぐらいなので、約17倍というのは平均的な水準です。
銀行株は大きな成長が期待できないのでPERが低い一方、業績が底堅いこともあり高配当銘柄として人気があります。
銀行株の特徴とおすすめ銘柄をまとめています。ぜひご覧ください。
ゆうちょ銀行の配当実績と株主優待は?
以下がゆうちょ銀行の配当金の実績です。配当金は一株あたり50円から増えていないですね。
ゆうちょ銀行は、今後の状況により追加的な株主還元策を検討しているとのことですが、利益が減っていることもありしばらくは増配は見込めないと思います。
なお、ゆうちょ銀行の配当金は横ばいが続いていますが、日本株の中にも減配せずに増配する”累進配当”を目指す方針の企業があります。
それらの企業の中から高配当銘柄をまとめました。
株主優待はありません。配当金を中心に株主還元を行うということなのでしょう。残念です…。
次にゆうちょ銀行の株価推移と業績を見ていきましょう。
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ゆうちょ銀行の株価の推移は?どこまで落ちる?
次にゆうちょ銀行の株価推移を見ていきますね。以下のチャートはゆうちょ銀行が株式を上場した2015年11月以降の株価推移です。
上場初日は、公開価格1,400円を上回る1,680円で初値が付くなど上々の滑りだしでした。
一時1,800円に届くところまで株価が値上がりしましたが、その後1,200円程度の水準まで大幅下落。
2017年ごろは何とか公開価格である1,400円の水準を維持していましたが、2018年5月に公開価格の水準を切ってからは下げ足が早まっており、下落傾向が続いていますね。
短期チャート
以下がゆうちょ銀行の直近1年チャート。
23年3月に親会社の日本郵政がゆうちょ銀行株を1兆円売却すること発表。その後株価は短期的に下落しました。
株価は下落傾向で1000円前後の水準が続いていましたが、公開価格の1400円を突破するなど、短期的に株価は上昇傾向です。
2024年3月にマイナス金利が解除されたこともあり、日本の長期金利も上昇しています。銀行の収益改善の期待から株価が短期的に押し上げられているんですね。
株は大きく値動きするので、リスクが高い、コロナショックみたいな株価暴落が怖い…という方もいると思います。
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ゆうちょ銀行の株価が長期的に上がらない理由とは?
ゆうちょ銀行の株価が上がらない理由は、
- 経常収益と利益も減少傾向
- 日銀のマイナス金利政策
です。以下、クイックに見ていきます。
経常収益と利益が減少傾向
経常収益(売上高)、経常利益、当期利益の推移は以下のとおり(単位:10億円)。
これらの推移を見ると、経常収益、利益ともに減少傾向であることがわかります。2017年は全体の売上げが伸びたものの、この年だけでしたね。
一方、22年3月期の業績は、長期金利が上昇していることと、外貨建てで運用しているファンドの運用収益により短期的には増収増益となっています。
株価は公開価格を下回り上場来安値を更新し続けているのは、この業績の悪化が嫌気されて株が売られたといえるでしょう。
日銀のマイナス金利政策
ゆうちょ銀行の収益が上昇しないのは、2016年1月29日に日銀が決定したマイナス金利の導入であると言えますね。
ゆうちょ銀行は預かった貯金額の大半を国債で運用。そのためマイナス金利の導入で国債の金利が大幅に下がったため運用成績が悪化し、収益が上がらないからです。
以下が10年国債の金利チャートですが、日銀がマイナス金利を導入してから大幅に下がっているのがわかりますね。
よく見るとゆうちょ銀行の株価チャートの形とほぼ同じですよね。10年国債の金利が下がるところでは、ゆうちょ銀行の株価も大幅に下がる。
2019年に入ってから世界的な金利低下の流れで日本の10年国債の金利も下がっていましたが、世界的に金利も上昇傾向です。
日本においても日銀は長期金利変動幅を拡大したり、イールドカーブコントロールの運用を柔軟化したりと、実質的に政策金利上昇を引き上げています。ゆうちょ銀行も含めて銀行の収益改善が期待されています。
なお銀行株は景気の動向に業績の影響を受けやすい景気敏感株ですが、通信株や医薬品株は景気に業績が影響を受けづらいディフェンシブ銘柄として知られています。
特徴とおすすめの銘柄をまとめていますので、ぜひご覧ください。
株価が下落しているゆうちょ銀行の株は買い時?
現在の収益を踏まえるとゆうちょ銀行株への投資はあり得ると考えます。
理由としては、
・ゆうちょ銀行の株価は国債金利に連動
・金利上昇も業績回復が期待できる
ということ。
ゆうちょ銀行の収益の源泉は、ズバリ貯金で預かった資金を国債で運用すること。なので金利が上昇すれば、運用による利回りが上がることになるので収益が上がる、というわけです。
日本は低成長の国なので、金利は他の先進国に比べて極端に低かったですが、2022年以降世界的にインフレが進んでいて、日本の金利も上昇しています。
2024年には、マイナス金利の解除が確実視されており、しばらくは金利の上昇は長期のトレンドとして継続しそうです。
そんな状況の中、ゆうちょ銀行の収益の改善が見込まれており、株価を押し上げると予想します。
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「ゆうちょ銀行の株価が上がらない理由」まとめ
今回は、ゆうちょ銀行の株価が上がらない理由ということで、株価の推移(チャート)、配当実績や株主優待、株は買いかなどについて述べてきました。
ゆうちょ銀行の収益の源泉は国債の金利。株価は明らかに国債金利チャートと連動しています。なのでマイナス金利政策が続いているうちは株価の上昇は中々見込めないですね。
世界的なインフレもあり、日本の金利も上昇傾向ですが、ゆうちょ銀行の業績回復は鈍いです。
他方、郵便局ブランドはいまだに健在。預貯金が大幅に減ることは考えずらいので現状の収益や配当のレベルは維持されると思います。
2024年はマイナス金利解除が確実視されていますから、ゆうちょ銀行の業績改善も期待できると考えます。
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