セブン銀行の株価はなぜ安い…上がらない理由は？今後の株は買いか？

セブン銀行（8410）の株価が下落しているようですが株価の見通しについて知りたいです。なぜ安い…上がらないんですかね？

今後、セブン銀行の株は買い時ですか？

セブン銀行は配当の高さで人気を集めている銘柄ですが、この数年の間は株価が低調です。人件費の削減や業務効率化を進める通常の銀行とはやや異なることから、今後の値動きが注目されています。

「株価は安いから買いなのでは？」
「今後の株価見通しは？」

このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。

今回の記事の内容

セブン銀行の株価の状況は？
セブン銀行の配当金と株主優待は？
セブン銀行の株価の推移（チャート）は？
セブン銀行の株価はどうなる？見通しを予想。今後の株は買い時？

投資歴20年のかいまるです。日本株を中心に1500万円以上の資産を運用しています。

セブン銀行と言えば、皆様もご存じの通り大手流通企業グループである「セブン＆アイ・ホールディングス」傘下の銀行です。

銀行と言えば、メガバンクを含む多くの国内の銀行で店舗の再編や削減を進めているのが実情です。しかし、通常の銀行とセブン銀行とではビジネスモデルが大きく異なることから、今後も根強い人気が続くのでは？といった考えも。

今回は、そんなセブン銀行株は買いか？について分析です。

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かいまる

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セブン銀行はどんな会社なの？

株式会社セブン銀行は、2021年に設立された新規参入銀行であり、ATM手数料を収益源としているのが特徴です。その他にも、海外事業や決済口座事業も行っています。

・ATM事業
国内でのATM設置台数は、セブンイレブンの店舗を中心に2.5万台超（2020年3月時点）と、民間銀行最多です。

・海外事業
米国やインドネシア、フィリピンなどの海外においてもATM事業や個人向けローンも展開しています。

・決済口座事業
ATM網をベースに、銀行預金やローン、海外送金、デビットカードのサービスを行っています。

セブン銀行株が代表的な銀行銘柄の一つですが、同じ業種の三井住友銀行も魅力的な銘柄です。株は買いか記事をまとめていますのでぜひご覧ください。

セブン銀行の株価の状況は？

それでは早速のセブン銀行株価データ（2024年２月15日現在）を見ていきましょう。以下に簡単にまとめました。

株価は200円台と株価の安い典型的な低位株です。資金の少ない方でも購入しやすいですね。

セブン銀行のビジネス基盤は確立されており、大幅な赤字決算などに陥るリスクは低いと言えます。

それにもかかわらず、PBRは1.3倍、PERに関しては20倍と、日本の上場企業のPERの平均(15倍程度）と比較すると、若干割高な株価水準であることがわかります。

セブン銀行の配当金は？

配当金の推移

以下のグラフがセブン銀行の配当実績です。

セブン銀行は、配当が高いという点が一番の魅力です。直近では、1株当たり11円（年間）の配当を維持し、予想配当利回りは４％程度と、東証一部の予想平均配当利回りが２％程度であるのと比べると、高配当であることがわかります。

ただし、「配当性向40％を維持」と掲げているセブン銀行ですが、すでに配当性向は40％を大きく超えており、ここ数年増配をしていません。

今後、これ以上増配する可能性は低いかもしれません。

なお日本株の中にも減配せずに増配する”累進配当”を目指す方針の企業があります。それらの企業の中から高配当銘柄をまとめました。

セブン銀行の株主優待は？

残念ながら、セブン銀行では株主優待を提供しておりません。

ちなみに、親会社のセブン＆アイ・ホールディングス株でも株主優待はありません。

株主還元は配当金を中心に行うということなのでしょう…残念です。

セブン銀行の株価の推移（チャート）は？

続いてチャートを確認していきましょう。

これまでの株価推移はどうなっているのでしょうか？ここでは過去10年の長期チャートと短期チャートを見ていきます。

セブン銀行の長期チャート

次にセブン銀行の株価推移を見ていきますね。以下のチャートは過去10年の株価推移です。

2015年までは上昇トレンドで、一時株価は600円を超えていた時期もありました。

しかし、ここ数年でじわじわと半値以下にまで大きく下落していることがわかります。今後はキャッシュレスの波が加速し、ATMの利用者数が減少すると見られているのが理由でしょうか・・・？

長期保有している方にとっては、報われない値動きですね。

セブン銀行の短期チャート

以下が直近１年のチャートです。コロナショック以降の株価は一度下げても再び上昇していることから、回復の兆しが見えます。

コロナショックの影響もあり、数年前と比べると株価はかなり安い位置にあリます。株価がなかなか回復しないのは、
・決済事業者向けや新手数料体系導入で手数料単価下落
・新機種設置でも償却も増加で経常減益が続く
とみられることも要因と考えられます。

このように株は値動きが激しい、コロナショックみたいな株価暴落が怖い…という方もいると思います。そういう方は１株からの少額投資はどうでしょうか？

少額投資でリスクを低く運用を行うことが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。

単元未満株への投資はデメリットだらけ？S株・ワン株の活用法を解説！単元未満株への少額投資なら気軽に株式投資を始められそうですが、どんな時に活用すれば良いですかね？ワン株やS株とも呼ばれているよう...

セブン銀行の業績は？

株価は低調気味なセブン銀行ですが、業績はどんな感じなのでしょうか。ここでは過去10年間の業績推移を見ていきます。

以下がセブン銀行の過去の売上高、経常利益、純利益の推移（単位：百万円）。

直近では新型コロナウイルスの影響や世界的な景気減速懸念もあり、全体的な業績はイマイチ。経常利益に関しても、400億円ほどあった経常利益が280億円ほどにまでダウンしてしまっています。

経常利益が徐々に右肩下がりで下落しているのは、致命的と言えるでしょう。
このように、業績の悪化とともに株価も連動して下落しているのです。

一時は新型コロナウイルスの影響によりATMの利用件数は減少しましたが、経済活動が徐々に再開されてきたことでATMの利用件数は持ち直しの傾向に。

また、ATMを利用したキャッシュレス決済への現金チャージ取引件数も増加したことから、売上高に影響したとみられます。
とは言っても、全体的な業績は相変わらず厳しい状況だと言えるでしょう。

なお、セブン銀行は景気の動向に業績が影響されやすい傾向にあります。一方で、通信株や医薬品株は景気の動向に業績が影響を受けづらいディフェンシブセクターとして人気です。

特徴をまとめていますので、ぜひご覧になってください。

セブン銀行の株が下落する理由とは？

セブン銀行の株価が下落する理由としては、

・キャッシュレス化が加速
・海外事業が不振

近年、政府によっても推し進められているキャッシュレス化に加えて、新型コロナウイルスの影響により、さらにキャッシュレスの流れが加速しています。

当然、現金を使用しなければATMの使用頻度は下がるため、ATM事業を強みとしているセブン銀行の収益は下がるというわけです。

またセブン銀行は、海外での事業が苦手です。少子高齢化により国内での事業拡大に限界があることから、多くの企業は海外に進出して活路を求めております。

しかし、セブン銀行の米国でのATM事業では、知名度の低さによりATMの利用が伸びなかったり、米国の金利上昇により資金調達コストがかさんだことによって、2018年にはアメリカの子会社で146億円もの特損を計上しているのです・・・。

実際に今のところはセブン銀行のATMの利用件数に大きな減少は見られませんが、アフターコロナにおいても2020年度にあげた利益（360億円）は出せないことを既に宣言しています。このことから、セブン銀行の経営見通しは明るくないことが見て取れますね。

セブン銀行の株は買い時か？

セブン銀行の株は配当の高さが魅力ではありますが、購入は少し様子見した方がよさそうです。

理由を端的に言えば、

・キャッシュレス化の波は今後も続く

・ATM事業以外での収益確保ができていない

ということ。

コロナショックからの経済活動の回復によってATMの利用件数も持ち直すにしても、今後ますます広がるキャッシュレス化により、ATMの利用件数は減少していくと予想されます。
とは言っても、セブン銀行も様々な提携を進めるなどして備えています。事業の多角化などに取り組み、今後の時代の変化に対応できるかどうかがカギとなるでしょう。