商船三井の配当がなぜ高いのか気になります。配当利回りが10%を超えた時期もあるんですよね…高配当銘柄ということで商船三井の業績が気になりますが…
株は買うべきか、今後の見通しを知りたいです。
そんな疑問を持つ方に向けて記事を書きました。
- 商船三井はどんな会社なの?
- 株価の状況や配当実績、株主優待は?
- 商船三井の業績悪化でやばい?配当はなぜ高いの?
- 株価推移は?商船三井はなぜ安い?
- 今後の株は買い時か?
国内2位の大手海運会社の商船三井。
グローバルな外航海運会社として海上貨物運送(ばら積み船やエネルギー輸送、製品輸送)と海洋ビジネス、物流サービスを展開しています。
2021年以降、新型コロナ拡大によって港湾作業が停滞や労働者不足によりコンテナ船市況価格が高騰。業績が急拡大したことで商船三井は配当金を大幅に増配しました。
配当利回りが10%を超えたことで個人投資家からの注目が、がぜん高まっています。一方、
・海運事業は景気の動向に敏感
・業績の急拡大は特殊要因
ということで、実際に投資する際にはかなり注意して判断する必要がある銘柄と言って良いでしょう。
今回は、配当利回り10%超えで注目の集まる商船三井株を買うべきなのか?なぜ高配当なのか分析です。
ぜひ最後までご覧ください。
自分は、投資歴20年を超えており日本株を中心に1,500万円以上の資産を運用しています。これらの経験も踏まえて記事を書きました。
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目次
商船三井はどんな会社なの?
商船三井は日本の海運会社最大手の一つ。グローバルな外航海運会社として海上貨物運送(ばら積み船やエネルギー輸送、製品輸送)と海洋ビジネス、物流サービスを展開しています。
海運業は様々な荷物を船に乗せて、港から港まで荷物を大量に運ぶ事業。例えば、以下の写真はコンテナ船と呼ばれる船ですが、コンテナと呼ばれる四角い大きな箱に荷物を入れて輸送しているんですね。
海運事業では、LNG船や自動車船などの不定期船、鉱石や石炭・木材チップを輸送するドライバルク船、人の移動に活用するフェリーなどを就航。
他にも、港から物流センターに荷物を輸送するロジスティックス・サービスや客船サービス「にっぽん丸」などの事業も展開しています。
商船三井は、日本郵船、川崎汽船ともに日本の海運3大大手企業ですが、2018年にコンテナ船事業について事業統合を行い「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス」が設立されました。
参考記事 >> コンテナ船3社統合「親会社しのぐ存在に」(日経新聞)
2022年に入って、海運株は一時10%を超える配当利回りとなったこともあり、個人投資家からの注目が高まっていますね。
一方、LNG船やコンテナ船など荷物を運ぶ事業は、景気の動向によって大きな影響を受けやすい特徴があるんですね。景気が悪くなると、輸送量自体が減少することに加えて、積荷を搬送する価格も下落しやすくなるからです。
そんな商船三井の株価の状況や業績推移を見ていきます。
商船三井の株価の状況は?
では早速ですがの株価データ(2023年12月29日現在)を見て行きましょう。
株価の指標に関しては、パッと見た感じ”かなり割安だな”というのが率直な感想ですね。
コンテナ輸送価格の高騰によって業績が急激に伸びたこともありPERも1.6倍。そして配当利回りが15%超えと信じられないぐらい高くなっています。
商船三井の配当実績は?なぜ高配当?
続いて配当実績を見ていきましょう。以下が商船三井の配当金の実績です。
商船三井の配当利回りは10%を超えていて、とんでもない高配当利回りとなってます。
配当金は22、23年大きく増加。21年に50円だった配当金が、22年は400円にまで増加。23年も560円にまで増配することが見込まれています。
新型コロナ拡大により、電子機器の需要が急増し、物流量が増加。純利益を1年間で7倍以上にまで押し上げました。
商船三井のような海運業は、すでに”成熟産業”であり大きな成長を見込めない分野。大幅に増加した利益を投資に回さず配当金の支払いにあてたことから、配当金が急増しました。
実績ベースで22年3月の配当性向は20%程度なので余力は十分です。一方、今後、世界的に景気が減速により海運業の業績は悪化することが見込まれています。
商船三井の配当利回りは10%程度と魅力的な水準ですが、今後、この高配当が維持できるかは微妙…
日本株の中にも減配せずに増配する”累進配当”を目指す方針の企業があります。
それらの企業の中から高配当銘柄をまとめました。ぜひご覧ください。
株主優待は…
商船三井の株主優待は、海運業者らしい株主優待を実施しています。
内容は、保有株数に応じて同社が就航している「にっぽん丸」のクルーズに使える優待乗船割引券が贈呈するというもの。
贈呈枚数 | |
---|---|
100株 | 2枚 |
1500株 | 4枚 |
3000株 | 6枚 |
クルーズが趣味の方やゆっくりとした旅行を楽しみたいという方には、魅力的な内容なのではないでしょうか。
この他、「商船三井フェリー」と「フェリーさんふらわあ」が運航するフェリーで利用できるクーポン券が贈呈されます。
クーポン金額 | |
---|---|
100株 | 5,000円相当 |
1500株 | 10,000円相当 |
3000株 | 15,000円相当 |
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商船三井の株価推移は?株価は急落?
続いてチャートを確認していきましょう。日本の3大海運企業の一角である商船三井。これまでの株価推移はどうなっているのでしょうか?
ここでは過去の長期チャートと短期チャートを見ていきます。
長期チャート
以下は過去のチャートです。長期的に株価は低迷していましたが、コロナショックのあった2020年後半以降、株価が急上昇していることがわかります。
2020年4月ごろは550円程度だった株価も、2023年3月ごろには3000円を突破するまで株価は上昇。
新型コロナ拡大以降、電子機器の輸送需要が世界的に高まったことからコンテナ船事業のスポット運賃が高騰。運賃もドル建てで支払われるケースが多いので、円安が進んだのも追い風となりました。
歴史的なコンテナ船特需を受けて利益が大きく伸びたことから、株価も素直に反応して急騰しました。
短期チャート
以下が商船三井の1年チャートです。短期的に株価は横ばい傾向です。
短期的に株価は2500〜3500円程度を推移しています。
高騰したスポット運賃も新型コロナ拡大前の水準に戻り、世界的な景気減速懸念や円高もあり、輸送需要に陰りが出ていることが影響しています。
このように短期的にも株価は大きく値動きしています。株はリスクが高い、コロナショックみたいな株価暴落が怖い…という方もいると思います。
そういう方は1株価からの少額投資から初めてみてはどうでしょう?少額投資でリスクを低く運用を行うことが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。
次に商船三井の業績を見ていきます。
商船三井の業績はヤバい?
続いて商船三井の業績を見ていきます。
新型コロナ拡大により、“巣ごもり需要”が活発になって運ぶモノが増えている一方で、働き手が不足し運賃が高騰。利益が急拡大しています。
以下が過去10年の売上高、営業利益、純利益の推移です。
22年3月期は、純利益予想の900億円から7.9倍まで拡大。経常利益は前の期比5.4倍の7217億円で、海運大手3社が共同出資する「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」からの持ち分法投資利益が業績拡大をけん引しました。
海運業は世界的に過当競争におちいっていて、運賃などの市況価格が下落傾向ということもあり、2021年は営業赤字になるになるなど業績はパッとしませんでした。
しかし、コロナ影響による労働者不足や港湾作業の停滞、新型コロナ収束により製造業の回復などなど、コンテナ船市況価格は急騰したんですね。
業績の急回復により、株価も配当金も大きく上昇しました。
なお、マイナスが続いていた商船三井のキャッシュフローは、新型コロナ拡大をさかいに大きくプラスに転換しているのがわかります。
一方、荷物を船で運ぶ需要がなくなることはないですが、海運業は世界的に過当競争におちいっています。新型コロナ拡大による賃料上昇は、数十年に一回の例外的なケースと言って良いかと思います。
海運業は景気の動向に極めて敏感なセクターなので、23年以降、世界的な景気減速が見込まれている状況の中、現在の好業績が続くかは要注目です。
なお、商船三井は景気の動向に極めて敏感な銘柄ですが、通信株や医薬品株は業績が安定しているディフェンシブ銘柄として投資家からの人気が高いです。
特徴をまとめていますので、ぜひご覧になってください。
商船三井の株は買い時?
国内最大手の海運会社のひとつ商船三井。グローバルな海運会社として、海上貨物運送やLNG船などの不定期船、フェリー、物流サービスなど幅広く事業を展開しています。
自分は景気動向に売り上げが影響を受けづらい銘柄が好みではあるのですが、商船三井株は長期投資の観点からは様子見と考えています。
理由をたんてきに言えば、
・典型的な”高配当の罠”銘柄
・23年以降、景気後退入りが見込まれる
・海運事業は世界的に競争過多の超景気敏感株
ということですね。
10%超えの高配当利回りは、
- コロナ影響による労働者不足や港湾作業の停滞
- 新型コロナ収束により製造業の回復
などにより、コンテナ船市況価格は急騰したことで配当金の原資である純利益が大きく伸びたことが要因です。すでに価格は落ち着いていることもあり、配当金が減配される可能性は高いと言えます。
景気が悪くなると企業は生産活動を控えることになり、資源の消費量も減ることになるので、海運物流を担う海運業の業績は悪化します。
2023年は世界的な金利上昇・金融引き締めの影響もあり、景気後退入りが確実といわれていて海運事業の業績悪化が予想されます。
海運事業自体、事業会社が多いことや成熟産業ということを考えると、将来的な成長余地も限られると言えます。
もちろん景気が回復する局面や物流需要が大きくなるようなタイミングで配当金が大きく上昇したり株価が短期的に上昇することも十分にあり得ます。
景気悪化で株価が一時的下落したタイミングで購入し、株価が回復したタイミングで売却する。商船三井はそんな銘柄といえそうです。
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「商船三井の超高配当…なぜ?」まとめ
今回は商船三井の株価分析ということで、株価の推移、配当実績や株主優待、今後の株は買いかなどについて述べてきました。
海運業界最大手の一つ商船三井。グローバルな外航海運会社として海上貨物運送(ばら積み船やエネルギー輸送、製品輸送)と海洋ビジネス、物流サービスを展開しています。
コロナ影響による労働者不足や港湾作業の停滞、新型コロナ収束により製造業の回復により、コンテナ輸送市況の高騰で業績が大きく伸びました。
配当金の大幅増配で利回りが10%を超えて、個人投資家の間で注目が集まっています。
一方、23年以降の景気悪化は確実視されている中、超景気敏感株である海運株の投資タイミングについては、よく考えるべきかと思います。
最後に賢く株式投資や資産運用するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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