東日本旅客鉄道(JR東日本)の株は買い時か、それとも買い時か知りたいです。
鉄道輸送は景気変動の影響を受けにくく、安定した業績が特徴でしたが、コロナ拡大で一変…株価の見通しや配当はどうなりますかね?
そんな疑問を持つ方に向けて記事を書きました。
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)の株価の状況は?
- JR東日本(9020)の配当実績は?
- JR東日本の株主優待は?
- JR東日本のチャートは?
- JR東日本の株は買い時?
JR東日本の営業エリアは1都16県と最大規模で、北陸・上越・東北・山形・秋田の5新幹線の他、70近い在来線を手掛けています。
世界の鉄道各社と比較しても、年間の輸送人員が約6,500万人の数字を誇り、2位以下とは、3倍以上の差をつけた世界最大の交通インフラ企業ですね。
これらの鉄道業以外にも、流通・サービス事業として駅スペース活用、ショッピングセンター、不動産・ホテル事業、電子マネー「Suica」などを展開しています。
在宅勤務とリモート会議の急速な普及でこれまでとはちがった年となった2020年。その後、コロナも収束し通勤客や外国人旅行客も本格的に戻ってきています。
JR東日本の株は買い時なのか?株価と業績について分析していきます。
自分は、投資歴20年を超えており日本株を中心に2000万円以上の資産を運用しています。今回は、これらの経験も踏まえて記事を書きました。
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目次
東日本旅客鉄道(JR東日本)はどんな会社?
JR東日本は日本最大の鉄道会社であるものの、鉄道系の企業ということで地味な印象を持つ方も多いかもしれません。
実は、次々と新しいビジネスを生み出し、新型コロナ拡大までは、安定的に最高益を更新していた好業績銘柄でした。
好調な業績を支えていたのが新幹線。人口の増えない日本で、鉄道は成熟産業と見られていましたが、外国人旅行客の増加などによる新幹線収入の拡大で、JR各社は最高益を更新していたんですね。
在来線や新幹線や核とする鉄道業はもちろん、観光・不動産・小売・金融ビジネスなどなど各分野が安定的な収益を生み出していましたが、2020年の新型コロナ拡大で一変しました。
増収をけん引してきた外国人観光客は姿を消し、テレワーク・リモート会議の急速な普及によって、近距離も長距離輸送も、鉄道収入が大幅ダウンに追い込まれたんですね。
2022年10月に海外旅行客の受け入れが本格化。新型コロナ収束で、旅行客やビジネス利用客の数が回復するのか要注目です。
JR東日本(9020)の株価の状況は?
JR東日本の株価は2019年ごろまでは10,000~11,000円で推移していました。
鉄道は景気変動の影響を受けにずらく、業績が安定したディフェンシブ銘柄ということもあり安定した株価推移が特徴の銘柄でした。
しかし、2019年10月の大型台風被害により緩やかに株価が下落。新型コロナ拡大により緊急事態宣言で株価は急落し、一時、高値から半値の水準まで下落しました。
2024年1月11日現在の株価の状況は以下のとおりです。
株価の指標に関しては、あまり良くないなというのが率直な印象ですね。新型コロナ拡大前は連続配当銘柄でしたが、業績の悪化により2020年は減配。
配当水準は戻ってないですが、それでも配当利回りは1.3%程度をまだ保っています。PERは13~15倍目安ぐらいですから24倍程度は、若干割高な水準ですね。
ちなみに同業のJR西日本の業績も悪化しています。株は買いか記事をまとめていますので、ぜひご覧ください。
JR東日本の配当実績は?
続いて配当実績を見ていきます。
以下がJR東日本の配当金の実績です。
2019年までは、安定した業績を背景に配当金額を徐々に増やしている連続増配銘柄でしたが、コロナ拡大により業績悪化で2021年3月期に減配。
2021年も前年と同額を予定。コロナ収束で人の移動が正常化するまでは、増配は期待できないですね。
なお日本株の中にも減配せずに増配する”累進配当”を目指す方針の企業があります。それらの企業の中から高配当銘柄をまとめました。
ぜひご覧ください。
JR東日本の株主優待は?
JR東日本は、株主優待として運賃・料金の割引券などや、自社施設等の割引利用券などを提供しています。
コロナ拡大で国内・海外とも旅行が制限されていることもあり、株主優待の利用価値も低下していますが、コロナ収束後には、また価値が戻ることと思います。
株主優待①:運賃料金の割引券(40%割引)
100株 | 1枚(100株増えるごとに1枚追加贈呈) |
1,000株 | 10枚(200株増えるごとに1枚追加贈呈) |
10,000株 | 55枚(300株増えるごとに1枚追加贈呈) |
20,000株 | 100枚 |
50,000株 | 250枚 |
100,000株 | 500枚 |
株主優待②:自社施設で利用できるサービス券
株主サービス券として以下の施設で利用できます。
- JRE-POINT引換券(JRE POINT 500ポイント)1枚
- 鉄道博物館入館券(50%割引)2枚
- 東京ステーションギャラリー入館券(50%割引)2枚
- ホテル宿泊券(宿泊20%割引・宿泊10%割引)各3枚
- ホテル内レストラン・バー利用券(10%割引)3枚
- GALA湯沢スキー場 リフト券(50%割引)
- レンタル利用券(20%割引)各3枚
- 駅レンタカー利用券(20%割引)3枚
- ベックスコーヒーショップ・ベッカーズ ドリンク券(100円引き)3枚
- リラクゼ 利用券(15%割引)3枚
※詳細は公式HPを参照願います。
次にJT東日本の株価推移と業績を見ていきましょう。
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JR東日本の株価のチャートは?
続いてチャートを確認していきましょう。日本の鉄道最大手のJR東日本ですが、これまでの株価推移はどうなっているのでしょうか?
ここでは過去の長期チャートと直近1年の短期チャートを見ていきます。
JR東日本の長期チャート
以下は過去のチャートです。
2019年10月の大型台風被害から緩やかな株価の下落が始まり、新型コロナによる緊急事態宣言で一気に急落しました。
その後も業績改善の見通しが立たないまま、株価は高値から半値の水準まで下落し、2020年中頃からようやく反転しているところになります。
ただ2022年後半に入って、やっと海外旅行客の受け入れが本格化したものの、株価の戻りは鈍いですね。
1年短期チャート
以下がJR東日本の1年短期チャートです。
感染者数の減少を背景に株価は回復傾向を示し、底値から”半値戻し”を実現。
22年に入って海外旅行客の本格受け入れ開始するなど、人の移動の回復に伴い、元の株価に向けて上昇がすることが期待されます。
なお投資初心者の方には、株はリスクが高い、コロナショックみたいな株価暴落が怖い…という方もいると思います。そういう方は1株からの少額投資はどうでしょうか?
少額投資でリスクを低く運用を行うことが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。
次にJR東日本の業績を見ていきます。
JR東日本の業績推移は?
過去5年の売上高、営業利益、純利益の推移は以下のとおりです。
2019年まで安定した業績で推移してきたものの、21年3月期は新型コロナ拡大により大幅赤字になっています。人の移動の制限、在宅勤務・リモート会議の普及で売上高に直接影響が出ました。
売り上げが40%も減少すれば赤字転落もやむなしですね。2023年3月期は黒字転換を見込んでいますが、新種のオミクロン株の流行もあり2期連続の赤字です。
売り上げが大きく落ち込んでおりキャッシュフローもマイナス。公共性の強いサービスを提供していることもあり、すぐに経営破綻することはないですが財務的にはかなり厳しいですね。
23年3月期業績はV字回復
JR東日本が発表した2022年4~12月期連結決算は、純損益が725億円の黒字(前年同期は837億円の赤字)となり、4~12月として3年ぶりの黒字でした。
新型コロナ拡大に伴う行動制限がなくなり、海外旅行客を含めて鉄道利用客が回復して業績を押し上げています。
JR東日本の株は買い時?それとも売り時?
JR東日本の株価の底はすぎたと考えます。
新型コロナの影響長期化を受け、JR東日本は、年間2000億円近いという大胆なコストダウンを実施しています。
広告宣伝費削減、人件費削減などのコスト削減に着手。長期的な施策としては、駅業務の改革、オンライン販売の拡大、自動運転化の拡大等に取り組むとしています。
これらの施策がうまくいけば、コロナ収束後により効率的な経営ができる体制に進化し、配当・株価の維持に資することが期待されます。
さらに、鉄道利用客の回復予想として、民間の調査会社の調査結果をみると2022年7月にコロナ前の水準に回復すると見込まれています。
以降旅客数は、横ばいが続くとされていますので、大規模コスト削減の構造改革とあいまって、株価の高値更新も期待できるかと考えます。
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「JR東日本の株は売り時?」まとめ
今回はJR東日本の株価の分析ということで、株価の推移、配当実績や株主優待、今後の株の仕込み時などについて述べてきました。
2022年3月期になっても、業績の回復は鈍いと考えられるため、短期的には、株価は上値の重い展開が予想されます。
しかし、中期的な成長力を考えれば、JR東日本は好材料をたくさん持っていると考えられます。
- コストダウンや経営の効率化
- 国内旅行需要回復
- 駅前不動産等の純資産が多く財務健全
日本の不動産価格は、JR駅前が一番高く、駅から遠ざかるにつれて安くなる傾向があります。
JR東日本は、日本で最も地価の高い首都圏においてJR駅周辺に豊富な土地・建物を大量に有しておりますので、不動産会社として最強といえる資産を持っているといえます。
コロナが収束して経済活動が正常化した瞬間に、人の移動、外国人観光客の復活が一気に復元され、業績改善が期待できると考えます。
最後に賢く株式投資や資産運用するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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