SQQQは米国のナスダック100指数と逆の値動き連動するレバレッジ型ETFと聞いたけど、構成銘柄や特徴・利回り、どこで買えるかについて知りたいです。
SQQQは長期投資に向いているんですか?今後の投資はありですかね…
今回は、このような疑問を持つ方に向けてブログ記事を書きました。
- SQQQとは?株価と特徴
- SQQQの株価の推移(チャート)
- SQQQの活用法
米国経済の高い成長率を支えているのは、Apple、Amazonやグーグルなどの大型のグロース企業の売り上げが爆発的に伸びているからです。
一方、22年に入って米国の金融政策が大きく転換され、金利が大幅に上昇していることもありグロース企業を中心に株価が大きく下落しています。
そんな米国の成長企業の株価が下落した時にレバレッジをかけて利益を得ることができるETFがSQQQです。2022年11月からネット証券最大手であるマネックス証券で取り扱いが開始されたこともあり、今後利用者がかなり増えそうなETFです。
今回は、このSQQQへの投資はありなのか?特徴や構成銘柄はどうなっているのか?活用法などについて深掘りしてきます。
自分は、投資歴20年でレバレッジ型ETFであるSPXLやCUREを保有して資産運用を行っています。
その経験を踏まえて記事を書いています。
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目次
SQQQとは?
SQQQ(ProShares UltraPro Short QQQ)は日々の値動きが、ナスダック100指数の300%のパフォーマンスの反対となる投資成果を目指すベア3倍のレバレッジ型米国ETFです。
なので「ナスダックが大きく下落しそう」といったときに、SQQQを購入するといった使い方をするわけです。
「空売り」するという感覚に近いですね。
”ナスダック100指数”はナスダック市場でも時価総額が大きい100社で、情報技術のアップル、マイクロソフト、Eコマースのアマゾンやテスラ、グーグルなどで構成されます。
- 株 価:11.02ドル(24年2月22日現在)
- インデックス: ナスダック100指数の3倍
- 52週値動き :10.94〜42.57ドル
- 委託経費率 : 0.95%
- 分配金利回り: –
- 配当実績 : –
SQQQはナスダック100指数の1日の値動きに対して”逆張り”するレバレッジETFです。値動きは3倍なので、ナスダック100指数が下落すれば、その下落幅の3倍の収益を得ることができるんですね。
分配金は支払われていませんが、SQQQはレバレッジ型ETFですから、分配金による定期的な収益ではなく、大きな値動きにより利益を狙うことになります。
経費率は約0.95%ということで、0.1%以下が普通の米国ETFにしては割高に見えるかもですが、レバレッジETFという特殊性を考えると妥当なところです。
SQQQが連動するナスダック100の構成銘柄とセクター比率は?
続いてSQQQの連動インデックスとなっているナスダック100指数のセクター比率と構成比率を見ていきます。
セクター比率
ナスダック100のセクターは情報技術関連企業が中心となっています。AppleやMicrosoftの構成比率が高いからですね。
構成銘柄上位トップ10
SQQQはナスダック100の値動きと”逆”連動することになるので、米国の主要銘柄の株価推移と逆の値動きとなります。
ナスダック100指数で組み入れている銘柄のトップ10は、以下のとおりです(2024年2月現在)。
情報技術セクターのAppleやMicrosoftの時価総額が高いこともあり、この2銘柄だけで構成比率20%を超えています。
他にもAmazon、Alphabet(google)、Tesla、NVIDIAなど世界的に存在感を増している成長企業で構成されている指数というのがわかります。
ちなみに、SQQQ以外にも米国ETFには魅力的なレバレッジタイプのETFが存在します。主要ネット証券で購入することができるレバレッジETFをまとめいるので、ぜひご覧ください。
SQQQの株価推移は?
次にのチャートを見ていきます。
株価の値動きを比較するため、ナスダック総合指数についても掲載しています。
株価の推移:長期(5年)
以下の株価推移はSQQQの5年チャートです。
赤:SQQQ 青:ナスダック指数
過去5年でナスダックが右肩上がりで上昇していますが、SQQQは節目節目で激しく上下しつつ、指数とは正反対に下落しているのがわかります。
正確に3倍というわけではありませんが、長期的に見ても綺麗に指数の反対のパフォーマンスなっていますね。
・2018年末のアップルショック
・2020年2月のコロナショック
の際には短期的にSQQQの株価が急上昇しているのがわかります。
一方、レバレッジ型ETFは、日々の値動きの3倍となるよう設計された商品なので、レンジ相場のときは指数との乖離が大きくなる性質があることは覚えておいて良いと思います。
株価の推移:短期(1年)
次に短期(1年)の株価推移です。レバレッジETFの特徴を良く表しているのではないでしょうか。
22年に入って世界的な金融引き締めで米国株式市場は下落傾向で、ナスダックが下落するタイミングで、SQQQの株価が上昇しているのがわかると思います。
赤:SQQQ 青:ナスダック指数
短期的な値動きを見ると、指数と反対の値動きをするというSQQQの特徴が綺麗に出ています。
レバレッジが効いているというのは、上にも大きく上がれば、下にも大きく下がるということです。レバレッジ型ETFはそういう金融商品ということです。
SQQQの利回り・リターンは?
次にSQQQの年率リターンを見ていきましょう(2022年9月30日現在)。
2010年2月の設定以来年率利回りマイナス51%と信じられないぐらい低いパフォーマンスです。
ナスダック100指数は長期的に大きく上昇しており、過去リターンを見ると長期的保有には向かないETFと言えるでしょう。
(参照URL:ProShares社HP)
レバレッジ型ETFのデメリットとは?
レバレッジ型ETFの最大のデメリットは、時間と共に指数から乖離していくということです。
SQQQはナスダック100指数の値動きと逆の収益を目指すレバレッジ型ETFですが、指数に対して綺麗に3倍となっていません。特に長期になると乖離が大きくなります。
これは、レバレッジ型ETFは、あくまでも1日の値動きについて3倍になるようにしているためで、長期的な値動きに連動するよう設計されていないんですね。期間が長くなると乖離が大きくなります。
日本取引所グループHPに、レバレッジ型ETFの特徴について解説がありましたので、以下に引用します。
ざっくり言うと、
・投資期間が長くなればなるほど、指標と乖離する。
・レンジ相場になるとインデックスに比べてパフォーマンスが悪くなる。
ということです。
レバレッジ型指標は、相場の下落局面においては原指標よりも大きく下落していきますが、2営業日以上離れた日と比較した場合は、想定した変動率とは異なる下落率となってしまう点、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性が高まる点に留意が必要となります。
相場の方向感が定まらず、原指標が上昇や下落を相互に繰り返した場合、レバレッジ型指標は複利効果によって、原指標と比較してパフォーマンスが逓減して行くという特性がありますので留意が必要です。
出典:日本取引所グループHP
このような知識を含め、株式投資で勝率を高めるためには、しっかりとした投資理論を身に着ける必要があります。
以下の記事では、初心者向けのものから古典まで、おすすめの米国株投資本を紹介しています。
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SQQQの株価推移を踏まえた活用法とは?
これまで見てきたTQQQの株価推移や特徴を踏まえた活用法は、
- 短期トレードで大きな値幅を狙う
と考えます。以下、クイックに見ていきます。
活用法①:短期トレードで大きな値幅を狙う
レバレッジ型ETFは短期だと指数との乖離が少ないため、一般的には短期トレード向きの商品と言えるでしょう。
2022年のように中央銀行であるFRBの金融政策が引き締めに転換されたタイミングなど、株価が大きく下落する状況で、短期的に大きな収益を狙うという使い方です。
特に日本では米国株の信用取引ができる証券会社がほとんどないこともあり、短期的に高い値動きが期待できるインターネット関連企業のレバレッジ取引は魅力が高いといえます。
レバレッジ型ETFは、株価の値動きが激しいリスクの高い金融商品です。そのため、短期トレードは大きな損失が発生することが十分にありえるため、おススメできません。特に初心者は手を出すべきではありません。
長期保有はありえない
SQQQの株価推移で見てきたとおり、
・設定来リターンが大幅にマイナス
・ナスダック100指数自体が長期的に大きく上昇
しています。年率でマイナス50%を超えており、過去のデータからSQQQを長期保有するというのは、あり得ないですね。
やはり株価が短期的に下落する局面で購入して、収益を狙うといった使い方になります。
SQQQはどこで買える?
これまでSQQQは海外の証券会社でしか取り扱いがありませんでしたが、2022年11月より、マネックス証券で購入が可能となりました。
主要ネット証券でも購入できるということで、個人投資家でも買いやすくなりましたね。
「SQQQとは?構成銘柄・利回りは?」まとめ
今回は、ナスダック100指数の値動きと逆に連動するレバレッジ型ETF SQQQの特徴と株価推移(パフォーマンス)や年率リターンについて見ていくと共に、活用法について述べてきました。
SQQQの特徴をまとめると、
- レバレッジをかけて投資できる
- 短期で大きなリターンが期待できる
- 株価が下落する局面で収益を上げられる
- 長期的には大きくマイナスになっている
- 株価の値動きが激しい
ということです。
SQQQは、長期的にはインデックスとの乖離が大きくなり、かつ長期パフォーマンスは年率でマイナスになっているため、完全に短期トレード向きの商品といえます。
新興銘柄の株価が下落する局面で、短期的に大きな収益を狙う…SQQQはそんなETFと言えそうです。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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