ユーグレナ(2931)の株価が、なぜ上がらないのか理由を知りたいです。下落の要因はなんですかね?
2012年12月の上場以降、株価は下落し続けているようですが、ユーグレナ株は大丈夫か?…という声も。株は買いですか?
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
- ユーグレナの株価がなぜ上がらない?|株価の状況は?
- 配当と株主優待は?
- ユーグレナ株は大丈夫?株価の推移は?
- ユーグレナの株価はなぜ上がらないのか?
- ユーグレナの株価の下落要因は?将来性は?今後の株価を予想
ユーグレナの株価が2012年上場以降、下落し続けています。株価はなぜ上がらないのか?
ユーグレナはミドリムシの健康食品やバイオ燃料事業を手がけていますが、
- 多額の研究開発費
- バイオ燃料事業の収益化の遅延
により収益が圧迫、営業利益の赤字決算が続いていることが要因です。夢のある企業ですが将来の業績は若干厳しいものがあります。
ユーグレナ株は大丈夫なのか?という声が出るのも理解できます。
そんなユーグレナの株は買いなのか?徹底分析していきます。ぜひ最後までご覧ください。
自分は、投資歴20年を超えており日本株を中心に 1,500万円以上の資産を運用しています。
今回は、これらの経験も踏まえて記事を書きました。
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目次
ユーグレナ(2931)はどんな会社?
”ミドリムシは世界を救う” ユーグレナの現社長である出雲充氏の言葉です。
何のことかさっぱりわからないですよね。だけどこれって、全然大げさなことじゃないんですね。
実はミドリムシは食料、エネルギー、環境などの世界的な問題を解決するカギになることが期待されているんです。
ユーグレナは世界で初めて、このミドリムシの大量培養に成功した会社です。
ミドリムシは有望な食料源
豊かな日本に住んでいると気づきませんが、世界73億人のうち10億人が食糧不足で苦しんでいます。
これらの人々に新鮮な肉や野菜を届けることは現実的には不可能と言って良いでしょう。
しかし、ミドリムシは植物と動物、両方のいいとこ取りをしている微細藻類で、59種類もの栄養素を含んでいます。
この栄養豊富なミドリムシの粉末カプセルを毎日5粒届けることができれば、栄養失調で苦しむ人をなくすことができる。
ということで、このミドリムシの製造・販売を行う会社がユーグレナです。
健康食品事業は、ビールメーカー最大手のキリンもファンケルと共同して取り組むなど成長が期待される分野です。
ミドリムシはジェット機も飛ばす!
ミドリムシはエネルギー問題の解決にも役に立ちます。何とミドリムシからジェットエンジンの燃料を作り出すことができるんです。
そもそも石油は動植物の死骸から長い年月をかけてつくりだされているもの。なので動物と植物両方の性質を持つミドリムシは飛行機の燃料となり得ます。
ユーグレナは、この”バイオジェット燃料”事業について2020年までに事業化することを目指しているんですね。
既にホンダジェットなどミドリムシを活用した燃料を利用してのフライトが実現していることもあり、実験から実用化の段階に移りつつあります。
この様に、夢と希望にあふれた事業を展開しているユーグレナ。しかし株価は大きく下落しています。
なぜ株価が上がらないのか、下落要因は何なのか、以下詳細に見ていきます。
ユーグレナの株価はなぜ上がらない?|株価と配当の状況とは?
ユーグレナの株価データ(2024年1月25日現在)を簡単にまとめました。
ユーグレナは利益がマイナスの赤字状態で配当金を出していないので、PERや配当利回りを算出することができません。
今は配当などの株主還元よりも成長に資金を回すという考えなのでしょう。
ユーグレナは、2005年に設立されたベンチャー企業なので、しばらくは無配の状態が続くものと考えられます。
将来の成長に期待する会社ということですね。
なお日本株の中にも減配せずに増配する”累進配当”を目指す方針の企業があります。それらの企業の中から高配当銘柄をまとめました。
ユーグレナの株主優待は?
現時点で無配のユーグレナですが、何とユーグレナ製品が割引で購入することができる株主優待制度があるんですね。
その内容は、ユーグレナ社が指定する商品を特別割引価格で購入可能な株主優待専用オンラインカタログというもの。
以前は、ユーグレナの自社製製品がもらえたのですが…割引価格で購入できるタイプの優待に変更されましたね。
しかし、正規の価格で購入するのは躊躇する方でも、割引で買えるなら、ちょっと試してみたいと言う方も多いのではないでしょうか。
続いて、ユーグレナの株価推移と業績を見ていきましょう。
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ユーグレナの株価の推移(チャート)は?
次にユーグレナの株価推移を見ていきますね。
ユーグレナの長期チャート
以下のチャートはユーグレナが株式を上場した2012年12月以降の株価推移です。
長期的には完全な下落傾向と言って良いですね。
2012年12月のIPO当初は公開価格1,700円(分割前)が初値3,900円と2倍以上の価格を付けて始まりました。
この頃は、アベノミクス全盛ということもあり、投資家の期待の高かったユーグレナ株に買いが集中したということです。
その後、株価は短期間で急上昇しましたが失速。2015年ごろまで乱高下を繰り返したのち、7年以上キレイに下落していますね。
デンソーとのバイオ燃料事業の連携することが好感され2019年5月ごろに700円 → 1,150円程度まで上昇しましたが、その後に600円程度の水準まで下落しています。
あとで取り上げますが、2019年9月期本決算の赤字幅が75億円にまで拡大した失望決算により株価が窓を開けて急落…。
2019年末にはサポートラインだった800円の大台を切ってしまい、さらにコロナショックの影響もあり600円を一時割り込んで下落しました。
ユーグレナの短期チャート
以下がユーグレナの約1年間のチャートです。
2020年以降は1000円の大台に回復するタイミングもありますが、株価は下落傾向が続いていますね。
このように、株は値動きが大きくリスクが高い、コロナショックみたいな株価暴落が怖い…という方もいると思います。
そういう方は1株価からの少額投資から初めてみてはどうでしょう?少額投資でリスクを低く運用を行うことが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。
この状況はしばらく続くのか?次にユーグレナの業績を見ていきます。
ユーグレナの業績推移は?
ユーグレナの売上高と利益の推移は以下のとおり。意外と売り上げは検討していますね。
売上高は伸びているものの…ずっと業績は赤字決算が続いています。
2021年は、連結子会社化した青汁大手であるキューサイの売り上げが計上されたことが要因で、過去最高の売上高となる233億円(前年同期から約100億円増)と大幅に拡大しました。
ユーグレナはミドリムシを配合した健康食品や化粧品の売れ行きが好調で、2017年9月までは増収増益を続けていたんですね。
他方、2018年10月にバイオジェット燃料を製造するための実証設備が完成。
建設費、研究開発費がかさんだことから2018年以降、利益はマイナス(赤字)となっています。
ユーグレナの今後の業績は、このジェット燃料事業の成否にかかっていると言っても過言ではありませんが、今のところ成果は乏しいようです。
キャッシュフローもマイナスが続いており、財務的にもかなり厳しい状況です。
このようにユーグレナはまだ事業が成長段階にある企業。まだ事業が順調に推移しているとは言えませんが、日本株の中には業績が急成長している企業が多くあります。
将来有望な成長株をまとめましたので、ぜひご覧ください。
ユーグレナの株価はなぜ上がらないのか?
ユーグレナの株価がなぜ上がらないかは、
- 投資家からの成長期待が高すぎ
- ジェット燃料事業の研究開発費が業績を圧迫
です。以下、クイックに見ていきます。
投資家からの成長期待が高すぎ
ミドリムシで世界を変えるという理念の下、夢のある事業を展開しているユーグレナですが、投資家の期待が先行している感が否めません。
売り上げの大半は食品や化粧品販売によるものであり、現状のユーグレナはミドリムシ入りの健康食品や化粧品を販売する会社ということになります。
投資家からの期待は高いものの、未だジェットエンジン事業は実証段階の施設が完成したのみで収益化の見込みが立っていません。
この実証プラントが順調に操業したとしても、1週間に当該プラントで生成できる量は東京~大阪間の1往復分の燃料しか⽣産できないことから、バイオジェット燃料事業の黒字化は困難であると見る機関投資家もいます。
なので上場当初の期待が高すぎた分、現実の成長が投資家の期待に追いついていないという見方もできます。
ジェット燃料事業の研究開発費が業績を圧迫
業績推移のところでも述べましたが、ジェット燃料事業の研究開発がかさんでおり、ユーグレナの利益を圧迫しています。
2018年9月期の利益はマイナス。
この事業の黒字化は5年後としていますが、この計画通り進むのかどうか疑念を抱く機関投資家もいます。
2021年6月に、ユーグレナ社製造のバイオジェット燃料を世界で初めて使用したフライト・飛行検査が実施されました。
ユーグレナ製バイオ燃料のブランド名が”サステオ”に決まったところであり、今後、2025年の完成に向けて実験段階から実用化に順調に進むのかどうか注目です。
株価が上がらないユーグレナの株は買い?ヤバい?
現状の業績を考えると、ユーグレナへの投資は様子見と考えます。
自分は、これまでバイオジェット事業の収益化はまだまだ先の話で不透明感があるものの、ミドリムシの将来性を考えれば少量の株を長期に保有して値上がりを期待するのは有りだと考えていました。
しかし、将来を期待するジェット燃料事業の燃料供給が計画よりも遅れていて未だ実用化されていない状況で、業績悪化が止まりません。
バイオジェット燃料の商業プラント完成は2025年に予定されていて、まだ先ですね。
ミドリムシの大量生産という独自技術が強みですが、現状では収益化が全く見込みづらい状況。ユーグレナへの投資は、もはや博打に近いと言っても良いと考えます。
他方、ユーグレナは夢のある企業ですので収益化の見込みが見えてくるまで様子を見て、業績の改善が見えてきた段階で、投資を検討するので良いと考えます。
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「ユーグレナの株価はなぜ上がらないのか」まとめ
今回は、ユーグレナの株価はなぜ上がらないのかということで、株価の推移(チャート)、配当実績や株主優待、株は買いかなどについて述べてきました。
現状、ジェット燃料事業が収益化されていないことから、売り上げの大半はミドリムシ入りの健康食品からということになります。
なのでユーグレナの株が上がらないのは社長の理想や投資家の期待に、実際の事業や業績が追いついていないことに要因があると考えます。
ユーグレナは、ミドリムシの大量生産という独自技術のある会社。現在取り組んでいるバイオ燃料事業が軌道に乗れば、長期的に夢のある事業を展開している企業であることは間違いありません。
しかし、現状ではユーグレナへの投資は博打に近いものがあり、業績の改善が見えてきた段階で、投資を検討するので良いと考えます。
最後に賢く株式投資や資産運用するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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