ソフトバンク(9434)の株価が2018年12月のIPO以降、冴えないです。IPO初日に暴落してから公募価格付近でくすぶってますよね。
なぜ上がらないんですか?かなりの高配当ですが株は買うべきかな…
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
- ソフトバンク(9434):株価と株主優待は?IPO初日に暴落
- ソフトバンクのIPO以降の株価推移(チャート)は?
- ソフトバンクのIPO初日の株価暴落の理由は?
- ソフトバンクの株価暴落以降、IPO価格を超えられない理由は?
- ソフトバンクの最近の業績と今後の見通しを予想。
2018年12月に親会社から携帯通信事業が分離されて上場したソフトバンク。IPO初日に公開価格1,500円を大きく割り込んで以降、なかなかこの価格を超える事ができません。
一方、業績は堅調で新型コロナ拡大や菅政権により携帯料金引き下げ圧力があっても21年は増収増益。直近の決算も悪く有りません。
配当利回り5%超えと魅力的な水準であり、長期保有前提なら買い候補の銘柄かと思います。
今回は、そんなソフトバンクについて株は買うべきかどうか、IPO時に株価が暴落した理由は何か見ていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
自分は、投資歴20年以上で、現在日本株や米国株を中心に1,500万円以上の資産運用を行っています。今回は、この経験を踏まえて記事を書いています。
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目次
ソフトバンク(9434):IPO以降の株価は?
ソフトバンクといえば、NTTドコモ・KDDIに次ぐ第3位の規模を誇る携帯通信サービスの大手です。2018年12月に通信携帯事業が独立して東証に上場しました。
”白戸家”のCMでもおなじみで、知名度はかなり高いです。
現在は、Zホールディングス(ヤフー)の連結子会社化により5Gやビッグデータ、AIビジネスに力を入れてますね。
では、早速ですが株価データをみてみましょう。ソフトバンクの株価データ(2021年11月19日現在)を簡単にまとめました。
やはり、注目すべきは配当利回りが5%以上と、高水準にあることですね。
ソフトバンクは、純利益に対する配当性向85%程度を目安に配当を行う方針ですので配当利回りが高くなっています。
ソフトバンクは携帯通信会社ですが、親会社は孫正義社長が率いるソフトバンクグループ(SBG)です。最近はアラブ政府と組んで10兆円ファンドを立ち上げてAIや自動運転の企業などに投資をする投資会社となっています。
株は買いか動向をまとめていますので、ぜひご覧ください。
ソフトバンクの株主優待は?
ソフトバンクの株主優待は、2020年1月現在でありません。が、いずれ株主優待制度を導入してくると思います。
というのは、親会社であるソフトバンクグループ(SBG)が、2019年5月に通信料金が割引になる株主優待の廃止を発表しました。
これは、子会社であるソフトバンクが携帯通信事業を引き継いでいるための廃止ですよね。
この親会社の株主優待廃止により、通信料金の割引などの株主優待の開始が期待されます。
ソフトバンクグループの過去の株主優待
- ソフトバンク携帯・タブレットの利用料金 6ヶ月間割引(500円 / 1,000円)
- ワイモバイル携帯利用料金 6ヶ月間割引(500円)
- インターネット利用料金 6ヶ月間割引(372円~最大1,490円)
(注)既に廃止されています。
なお、株主優待目的で日本株に投資しようと思っても、どんな優待銘柄を買えば良いか迷うこともあるかと思います。
以下の記事で、優待銘柄を検討する時に本当に役に立つおすすめ本3選と雑誌を紹介しています。ぜひご覧ください。
ソフトバンクの株価の推移(チャート)は?
以下のチャートは上場以来の株価推移です。
IPO初日に暴落して以降、株価は横ばい傾向ですが、2021年末にやっと公募価格の1500円を突破しています。
2019年5月に発表した2018年度決算の内容が良かったことから株価は上昇。2019年9月ごろにIPO公募価格である1,500円を超えたものの、その後下落。
その後、コロナショックのあった2020年2月はなんとか乗り切りましたが、菅政権が誕生した2020年半ば以降に株価は大きく下落。
だいたい1,200円~1,550円程度のレンジで株価が推移していて公募価格をなかなか超えられないですね。
公募価格を超える局面では売りが出ているということです。
なお、株は値動きが大きくリスクが高い、コロナショックみたいな株価暴落が怖い…という方もいると思います。
そういう方は1株価からの少額投資から初めてみてはどうでしょう?少額投資でリスクを低く運用を行うことが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。
ソフトバンクのIPO初日の株価暴落の理由は?
ソフトバンクのIPO(新規株式公開)は公開価格1500円に対して、
初値:1,463円
と公開価格を2.5%下回りました。その後も一本調子に株価を下げ、
終値:1,282円
と何と公開価格から-14.5%安の暴落で初日の取引を終えました。
暴落の要因その1:公開価格が割高
この要因の一つとして指摘されているのが、公開価格の1,500円が割高だったということ。
例えば、2019年7月の通信大手各社のバリュエーションの比較ですが、ソフトバンクのPBRが突出して高かったことがわかります。
ソフトバンク | KDDI | ドコモ | |
---|---|---|---|
株価 | 1,445.5円 | 2,875.0円 | 2,642.5円 |
PER | 14.4倍 | 10.8倍 | 15.2倍 |
PBR | 5.54倍 | 1.61倍 | 1.63倍 |
利回り | 5.88% | 3.82% | 4.54% |
ROE | 38.50% | 14.80% | 10.70% |
PBRは、1株あたりの純資産に対する株価の倍率を示してますから、この指標を見る限りは、KDDIやドコモに比べて株価は割高と言えますね。
暴落の要因その2:通信障害及びHUAWEI製品の排除による業績不安
ソフトバンクにとってタイミングが悪かったのは、IPOのあった2019年12月に、
・12月6日に大規模な通信障害
・安全保障上の観点からファーウェイ製の排除
があったこと。
この通信障害は、エリクソン製のデータの交換機の不具合により約3,000万回線が利用できなくなりました。
もともとソフトバンクは、ドコモやKDDIに比べて通信品質やセキュリティが不安視されているんですよね。
また、米中貿易摩擦の余波で、日本政府が情報漏洩など安全保障上の懸念から、中国ファーウェイ製などの通信機器の調達を排除する指針をまとめたことを受けて、通信各社は中国製の通信設備を使用しない考えを示しました。
ソフトバンクは現行の「4G」の一部にファーウェイなどの中国製の設備を使っているので、大手3社の中では最も影響が大きいと考えられました。
なので、通信障害や中国製品の排除による投資家の不安が、IPO初日の売りにつながったのは間違いないでしょう。
ソフトバンクの株価がIPO価格を超えられない理由は?
IPO価格が超えられず低迷している理由は、
- 携帯通信事業の成長不安
- 楽天の参入による競争激化
- 政府からの値下げ圧力
の2つですね。以下、クイックに見ていきましょう。
理由①:携帯通信事業の成長不安
日本の人口が減少に転じていることを考えると、携帯通信事業の成長は頭打ちなので、携帯事業の売上げを伸ばすことは難しくなっているといえます。
IPOにより得られた2兆4千億円は携帯通信事業への投資ではなく、親会社であるソフトバンクグループがAIなどの事業に投資するためや借金を返すためなどに使われるんですよね。
現に、2019年2月に親会社のソフトバンクグループ(SBG)が、SBGの株を6,000億円自社株買いすることを発表しましたが、これの原資は子会社であるソフトバンクのIPOで得られた資金が使われています。
なので、親会社であるソフトバンクグループも、AIなどに比べて携帯通信事業の成長について疑問視しているということですね。
理由②:楽天の参入による競争激化
これは細かい説明は不要ですが、楽天が2019年秋に携帯事業に参入しました。
これまで長らくドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社で市場を寡占してきましたが、その状況が崩れるわけです。
楽天は既存3社よりも、安くてわかりやすい料金体系にしていることもあり、競争激化で売り上げに影響が出るのは間違いないですね。
理由③:政府からの値下げ圧力
菅政権の誕生で政府からの携帯料金値下げ圧力が強まったこともあり、2020年夏以降株価が大幅に下落しました。
「大手3社が寡占状況にあり、事業者間で競争が働く仕組みをさらに徹底する」と菅前首相が持論を展開。
参考記事:携帯料金引き下げ「競争環境を整備」(日経新聞)
ソフトバンクの業績は?
ここでは、
- ヤフーの連結子会社化による業績向上
- 過去5年の業績推移は堅調に推移
をクイックに見ていきます。
ヤフーの連結子会社化による業績向上
2019年5月、ソフトバンクはヤフー(現LINEヤフー)の全発行株式の44.64%を保有することで連結子会社化しました。
以下がソフトバンクが発表した2019年度業績予想ですが、ヤフーの業績を取り込むことにより、
・売上高:3兆7千億 ⇒ 4兆8千億
と、大幅に業績が向上することを見込んでいます。この予想通りになるかはわかりませんが、株価は1,200円台から1,400円台へと素直に反応していますね。
なお、このヤフーは現在LINEなどを傘下に持つLINEヤフーと名前を変えてITプラットフォーマーとして存在感を高めています。
株は買いなのか記事をまとめていますので、ぜひご覧ください。
過去5年の業績は堅調に推移
過去5年の業績推移をみると堅調に売り上げや利益を伸ばしていますね。
コロナ拡大の状況下や菅政権からの携帯通信料金下落圧力があったにも関わらず2021年は増収増益。22年も増益を予想しています。
今後の業績はヤフーや新規事業のPayPay次第か?
携帯通信事業は楽天の参入や、人口減を考えると売り上げを大きく伸ばすことはできないので、今後の業績の伸びは、その他事業や新規事業にかかっているといえます。
ヤフー(現LINEヤフー)を子会社化したのも、携帯通信事業だけでは成長が鈍化するという危機感が背景にあるのは間違いないですね。
なので、ソフトバンクでは5Gやキャッシュレス社会となることを見据えてPay Payなどへの出資も行っています。
このような他分野への投資は、ソフトバンクだけではありません。例えばKDDIは、カブドットコム証券やじぶん銀行への出資などで、金融事業への参入を進めてるんですよね。
携帯事業が頭打ちになる中、ソフトバンクの今後の業績は、5Gへの投資、子会社化したヤフーやこれらの新規事業がどれほど売り上げに貢献するかにかかっているといえます。
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「ソフトバンクの株価の暴落」まとめ
今回は、ソフトバンクの株価が暴落ということで、株価の推移、IPO初日の株価が暴落した理由、最近の業績と今後の見込みなどについて述べてきました。
IPO初日は暴落しましたが、ソフトバンクの好調な業績やヤフーの子会社化により、株価は上昇傾向です。
他方、ソフトバンクは親会社のソフトバンクグループに配当の形で売り上げの大半を”搾取”される構造となっており、ドコモやKDDIに比べて成長不安が大きいですね。
今後、楽天の参入により競争は間違いなく激化するので、ソフトバンクの業績は5Gや新規事業への投資が成功するのかどうかにかかっているといえます。
最後に賢く株式投資や資産運用するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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詳細は以下の記事にまとめてますんで、ぜひご覧ください。
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