米国生活必需品セクターETF VDCの株価や配当、構成銘柄について知りたいです。
高配当ETFやS&P500に連動するETFもありますが、これらに比べてVDCに投資するメリットは何ですか?配当実績についても知りたいです。
今回は、このような疑問を持つ方にむけて記事を書いています。
- VDC:株価の基本データと特徴は?
- VDCの構成銘柄とセクター比率は?
- VDCのチャートとリターンは?コロナでも強みを発揮!
- VDCの配当実績と増配率は?
VDCの株価やチャートの特徴に関して、以下のツイートをしました。
自分はグロース株やセクターetfには投資してないけど
・QQQ(ナスダック)
・VDC(生活必需品)
・VHT(ヘルスケア)
の3つは歴史的にs&p500よりパフォーマンスが良く投資候補です。
特にVDCは
・金融ショックにも株価が下がりづらい
・景気後退時にも業績が落ちない
ので長期保有候補の筆頭ETFです。— かいまる (@leverage_toushi) September 4, 2019
自分はグロース株やセクターetfには投資してないけど
・QQQ(ナスダック)
・VDC(生活必需品)
・VHT(ヘルスケア)
の3つは歴史的にs&p500よりパフォーマンスが良く投資候補です。
特にVDCは
・金融ショックにも株価が下がりづらい
・景気後退時にも業績が落ちない
ので長期保有候補の筆頭ETFです。
上記を掘り下げます。
自分は、20年以上投資を続けていて米国ETFも保有しています。今回は、この経験も踏まえ記事を書きました。
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目次
VDCとは:株価の基本データは?
VDCはバンガード・米国生活必需品セクターETFという名称です。
米国の生活必需品セクターの大型株、中型株、小型株で構成されているインデックスと同じ投資成果を目指すETF。
生活必需品セクターの企業は、売り上げが景気動向に左右されずらい”ディフェンシブ銘柄”に位置付けられています。
景気が悪くなったとしても飲料水やシャンプーなどの日用品は売れ続けるからですね。
基本データ
不景気時にも業績が悪化しづらい生活必需品セクターETF VDC。株価データは以下のとおりです(2024年4月現在)。
- インデックス:MSCI USインベスタブル・マーケット・生活必需品25/50インデックス
- 株価(52週レンジ):172.75 〜 204.80ドル
- 信 託 経 費 率 : 0.1%
- 配 当 利 回 り : 2.52%
- 配 当 実 績 : 5.07ドル
- 組 入 銘 柄 数 : 102銘柄
- 設 定 日:2004年1月26日
手数料が0.1%とVTIやVOOの0.03%に比べてちょっと高くなっていますね。バンガード社のセクターETFは一律この経費率ですね。
セクターETFという特殊性を考えれば妥当なところですし、十分に低い手数料といえます。
なお、VDCは生活必需品セクターETFですが、米国ETFには他にも魅力的なセクターが多くあります。
おすすめのセクターETFをまとめました。
VDCの構成銘柄とセクター比率は?
VDCの構成銘柄
構成銘柄上位10社(2024年3月31日現在)は以下の表のとおりです。
VDCは生活必需品セクターで構成されていることもあり、どちらかというと成熟した企業が多くなります。
新型コロナ拡大でも株価が大きく上昇しているP&Gがトップで構成比率が12%超えと高くなっています。
「P&Gの今後の見通しは?」の記事でも解説したとおり、新型コロナ拡大の影響で衛生意識が高まり洗剤・家庭用品部門がの売り上げが伸びているんですね。
その他コカ・コーラやペプシといった清涼飲料水メーカーや、ウォルマート、アルトリアあたりが上位に入っていますね。
GAFAなどのIT企業に比べて地味な存在ですが、業績の手堅い企業ばかりです。
「新型コロナでもP&Gの業績堅調」や「コカ・コーラの業績は悪化してるの?」の記事にも書いたとおりアマゾンの影響やプライベートブランドの品質向上などで、P&Gやコカコーラの売り上げが落ち込んだ時期がありましたがブランド再編などによって業績が回復しています。
構成銘柄は手堅い業績を期待できる企業。これがVDCに投資するメリットの一つです。
なお資産総額に占める上位10社の割合は6割を超えているんですね。構成銘柄が少ないこともあり、かなりの割合を占めています。
生活必需品セクターには、タバコ株のアルトリアや小売株のコストコも含まれており、人気の銘柄です。
株は買いなのか、分析をしていますので、ぜひご覧ください。
VDCのセクター比率
続いてセクター比率です。
家庭用品、清涼飲料、スーパーマーケットと景気が悪くなっても売り上げが落ち込まない業種が並んでいますね。
これらはIT企業のように大幅に成長することはないので株価が急上昇することはないです。ただ、相場が悪くなったり金利が下がってくると見直されてくる。そんな銘柄ということですね。
また米国の生活必需品セクターの企業は、米国以外の国や地域でビジネスを展開しています。
世界的に人口が増えることが間違いないので、毎年の売り上げが着実に伸びるのは確実といえます。
(参照URL:バンガード社HP)
VDCのチャートとリターンは?
VDCの長期チャート(コロナショック前)
以下はVDCの設定来チャートです。比較のためにS&P500のチャートも掲載しています。
赤:VDC 青:S&P500
設定されてから約15年程度ですがS&P500と同じぐらいのパフォーマンスということがわかります。
最も注目すべきはリーマンショックのあった2008年ごろ、株価の落ち込みがS&P500に比べて半分程度ということです。
リーマン前の2007年末の株価水準に回復するのに、
・VDC:約3年
・S&P500:約6年
かかっています。落ち込みが少なかったぶん株価の回復も早かったということですね。
金融ショックや不景気時に強い。これが生活必需品セクターETF VDCの特徴を最もよく表している部分だといえます。
他方、直近5年チャートを見ると景色が変わってきますね。
赤:VDC 青:S&P500
5年という短期間ではS&P500の方が若干ですがパフォーマンスが良くなってます。
チャイナショックのあった2015年ごろはVDCの方が良かったですが、トランプ景気に沸いた2017年以降に完全に逆転されてますね。
特にこの頃は米国の金利も上昇して配当利回りの高い生活必需品セクターの魅力が相対的に下がった時期。
景気がよくなると金融やITなどの景気敏感株を含んでいない分、パフォーマンスが悪くなるということです。
VDCの短期チャート(1年)
22年以降、短期的に株式市場が調整局面を迎えています。1年チャートを見ていきます。
赤:VDC 青:S&P500
S&P500と比較すると生活必需品セクターが、S&P500に比べて株価は堅調であることがわかります。
22年に入って世界的な金利上昇局面を迎えていて、ハイテク株などのグロース銘柄を中心に大きく売られていることもあり、S&P500の方がパフォーマンスが悪くなっているからですね。
2023年は、急速な金利上昇もあり景気後退は確実と言われています。しばらくは、ハイテク銘柄よりも生活必需品株のパフォーマンスに期待できるかと思います。
なお米国ETFには、高い分配金を期待できるものや安定した分配金を期待できるものなど、魅力的なものがたくさんあります。
VDCのリターンは?
VDCの配当金も含めたトータルリターン(2024年3月31日現在)は以下のとおりです。
リーマンショック前に設定されたETFで、かつコロナショックもあったにもかかわらず設定来リターンは年率約10%です。
株式の期待リターンはインフレ率を抜いて7%程度ということを考えれば、十分すぎる結果といえます。
生活必需品セクターのリターンが高いことは米国株に関する投資本などにも分析されています。しっかりとした投資理論を知ることは投資の勝率も高まるということ。
おすすめの米国株投資本については、以下の記事にまとめていますのでぜひご覧下さい。
VDCのこれまでの配当実績と増配率は?
VDCは他の多くのETFと同様に四半期に一度配当金が分配されます。配当実績は以下のとおり。
売り上げが鉄板のディフェンシブ銘柄ETFというだけあって、配当の伸びはおおむね右肩上がりです。
VDC配当利回りは2%台半ばとまずまずの値。過去5年の推移を見ても2.25〜3%程度となっています。
順調に配当金が伸びていることを考えれば長期的にもインカムを期待できるETFといえますね。
VDCの配当も期待できますが、米国株の魅力は連続増配銘柄が多いことですね。個別銘柄の中にも素晴らしい銘柄が米国にはたくさんあります。以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
VDCへの投資:ちょっとだけ考察
業績鉄板・株価堅調の生活必需品セクターですが懸念材料がないわけではありません。むしろ最近では、この不安が顕在化してきています。
具体的には、
・アマゾンイフェクト
・プライベートブランドの品質向上
ということですね。
アマゾンを初めてとしたEコマースの発展により、スーパーやショッピングモールに行かなくても手軽にものが購入できるようになりました。
その影響をもろに受けているのがウォルマートやコストコなどの小売業。さらにプライベートブランドの品質が年々向上していて、P&Gやコカコーラなどの市場を侵食してますね。
日本でもイオンのトップバリューやセブンイレブンのセブンプレミアムの売り上げが伸びています。
これは発展途上国でも見られる傾向で、地元の小売業などがプライベートブランドを展開してるんですよね。
以前は口に入る食料品や日用品は信頼性の高いナショナルブランド製品が圧倒的な強さを誇りました。
しかしネットの口コミとかである程度品質は確認できますから、ナショナルブランドにこだわらない人が増えてきています。
ここ数年のVDCの増配率や株価の伸びが鈍化が一過性のものなのか、それとも今後も続く傾向なのか注視していく必要があると思います。
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米国株への投資を考えている方には”取引手数料ゼロ”のDMM株が圧倒的にお得でおすすめです。
米国株は、大手のネット証券であるSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入することが可能ですが、手数料は3社横並びで約定代金の0.45%(最大20ドル)。
日本株の売買手数料よりも、かなり割高な状態なんですよね。
その点、DMM株なら取引手数料ゼロで米国株を購入することが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。
「米国ETF VDCの株価」まとめ
今回は、米国生活必需品セクターETF VDCの株価とチャートということで、その特徴と株価の推移(チャート)、配当金の推移等について見てきました。
VDCの特徴をまとめると、
- ディフェンシブ銘柄を中心に構成
- 過去10年間で3倍のパフォーマンス
- 過去15年で10%の高いリターン
- 金融ショックや景気後退時に強い
- インカムの伸びだけじゃなく値上がり益も期待
ということですね。
配当の伸びも値上がり益も期待できる非常に優秀なETFであることには間違いありません。
現にリーマンショックを挟んだ過去15年の株価推移は、S&P500よりもパフォーマンスが良いです。
他方、鉄板の業績を誇った生活必需品セクターもEコマースの進展やプライベートブランドの品質向上により影響をもろに受けています。
近年の株価は配当の伸びが鈍化してきているのも、その影響と言えるでしょう。ただ金融ショックや景気後退に強い傾向は、これからも変わらないと考えます。
なのでポートフォリオのコアとしてではなく、ポートフォリオ全体をよりディフェンシブにするために購入するETFと言えます。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
S&P500や米国株にレバレッジ取引
株価指数、外国株、金、原油…などなど。いろんな商品に気軽に投資ができるCFD。最大の魅力はFXのようにレバレッジをかけて取引できること。
特に株価指数CFDはレバレッジをかけたインデックス投資なので、長期的に高いリターンが期待できます。
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なお米国株や資産運用に関連するお得な情報について、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
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