VTとVTIを比較して、どっちに投資すべきか知りたいです。呼び方は似ているETFですが違いは何ですか?
結局、儲かるのはどっちなんですかね?
このような疑問を持つ方にむけて記事を書いています。
- VTとVTIとは?との違いは?
- VTとVTIの比較①:基本データは?
- VTとVTIの比較②:構成銘柄とセクター比率は?
- VTとVTIの比較③:パフォーマンスは?
投資歴20年のかいまるです。VTIも含め米国株を中心に1500万円以上の資産を運用しています。
VTとVTI、どちらも投資家からの人気は絶大で非常にパフォーマンスに優れたETFです。
日本でも知名度の高いETFである一方、どっちに投資すべきか迷われている方も多いのではないかと思います。
甲乙つけがたいですが、結論をまとめると、
- VTは世界中の9000銘柄、VTIは米国企業4000銘柄
- 経費率、リターン→VTI
- 分配金利回り→VT
- 成長力の米国市場に集中投資→VTI
- 地域の分散性を重視したい→VT
ということになります。
リーマンショック以降、米国株に集中投資するVTIの方がパフォーマンスが良かったことは確かですが、あくまでも過去の実績です。
地域の分散を図る観点からはVTの方が優れていると言えるでしょう。
今回の記事では、VTとVTIの基本データや過去のパフォーマンスについて徹底比較していきます。
米国株や世界株への投資に興味のある方必見です。
なお米国株に関連するお得な情報や役に立つ情報のページについて、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
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目次
VTとVTIとは?その違いは?
VTもVTIも米国の資産運用会社であるバンガードが販売・運用しているETFで、日本の投資からも絶大な支持をほこる大人気商品です。
VTはバンガード・トータル・ワールド・ストックETFという名称。バンガード社が販売する世界株インデックスに連動するETFですね。
米国、日本、欧州や中国などの新興国を含む全世界の株式市場に丸ごと投資することができます。
VTだけで世界中の株式に投資できるんですね。世界の株式市場の約98%をカバーする株価指数への連動を目指しています。
参考記事⏬
世界株ETF VTの魅力とは?
一方、VTIの構成銘柄は米国の企業4000社に分散投資されています。
インデックスに採用されている”CRSP USトータル・マーケット・インデックス”は米国の株式市場で投資可能とされる銘柄のほぼ100%をカバーしているんですね。
VTIを一本購入すれば小型の銘柄も含めて米国株式市場の全ての銘柄に投資をするのと同じことになります。
参考記事⏬
全米株式にまるっと投資!VTIとは?
VTとVTIの比較①:基本データは?
まずはVTとVTIの基本データを比較していきます(2023年12月末現在)。
VT | VTI | |
---|---|---|
インデックス | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
運用総額 | 404億ドル | 3,489億ドル |
構成銘柄数 | 9500 | 4100 |
経費率 | 0.07% | 0.03% |
配当利回り | 2.08% | 1.43% |
設定日 | 2008年 | 2001年 |
バンガード社の人気ETF VTとVTI。
特にVTIについては投資家からの人気も絶大で運用総額は日本円で何と40兆円を超えており、流動性や実績共に文句なしですね。
経費率は新興国が含まれていて構成銘柄が多い分、VTが0.07%と若干高くなっていますね。VTIの経費率は0.03%となっていて、全ての米国ETFの中で最も経費率が低いです。
しかし、VTも100万円運用して年間経費は700円ということですから、ほとんど経費はかからないと言って良いですね。
なお、VTやVTIは株式に投資をするETFですが、債券に投資することのできるETFも安定したインカムをGetできて人気です。
おすすめの債券ETFをまとめています。
最も大きな違いは銘柄の構成地域
VTとVTIの1番の違いは銘柄の構成地域です。
VTIのインデックスに採用されている”CRSP USトータル・マーケット・インデックス”は米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーしています。
構成銘柄数は4000を超えていて、中小型株も構成銘柄に含まれるんですね。
一方VTのインデックスは世界47カ国で構成されているので、世界中の株式約9000銘柄に分散投資することができます。
VTの方が米国以外の地域に広く投資していることもあり、VTIよりも分散性が優れいていると言えるでしょう。
なお、地域や銘柄を分散して投資するのがなぜ優れているのか、多くの本でも解説されています。
以下の記事に、おすすめの本をまとめています。
分配金利回りはVTが高めの傾向
分配金利回りは株価によって日々変化しますが総じてVTもVTIも1.2%〜2.5%程度です。
米国の新興企業や小型株の比率が高いVTIの配当は低めの傾向です。配当に資金をまわすよりも成長に向けた投資を行うからですね。
ただ大きな差はないので、気にしなくても良いレベルかと思います。
ちなみに米国株の魅力は高配当でかつ連続増配を続けている個別銘柄が多いことです。50年以上連続増配している銘柄や6%超えの利回りの銘柄も。
おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。
VTとVTIの比較②:構成銘柄とセクター比率は?
構成銘柄Top10
構成銘柄の上位10社(2021年12月30日)は構成比率に若干の違いがあるだけで同じです。
VTの構成銘柄
VTIの構成銘柄
VTもVTIも時価総額に加重平均されますのでアップル、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディアなど今をときめく巨大ハイテク企業が上位をしめていますね。
資産総額に占める上位10社割合を比較すると
VT:15.6%
VTI:25.2%
となっています。VTの方が構成銘柄数が圧倒的に多いということもあり上位銘柄の比率が低くなっているんですね。
VTの60%超えが米国株
VTIは米国株のみで構成されていますが、世界中の企業で構成されているVTの構成銘柄のうち60%程度は米国株で構成されています。
時価総額の大きい企業の構成比率が大きくなるため、株価の上昇が続く米国企業の構成比率が高くなっているんですね。
VTもVTIも構成比率の上位を占めるのは大型のグロース銘柄。米国ETFの中には高成長のナスダックに連動するものや、グロース銘柄にまるっと投資できるETFもあります。
主要なものをまとめていますので、ぜひご覧ください。
セクター比率
続いてセクター比率です。セクター区分の考え方に若干の違いがありますが傾向は同じと言って良いと思います。
VT
VTI
情報技術、一般消費財、金融の比率が高いですね。米国経済の強さの象徴ともいえる3セクターと言っても過言じゃないですね。
ちなみにこれらのセクターにまるっと投資できるセクターETFも、S&P500よりもパフォーマンスの良いセクターもあり人気となっています。
おすすめのセクターETFをまとめています。
VTとVTIの比較③:パフォーマンスは?
ここでは
- 長期チャート
- 2020年暴落時チャート
を見ていきます。コロナショックの影響はどうだったのか、クイックに確認です。
長期10年チャート
2013年からの10年チャートです。
赤:VT 水色:VTI
10年の長期で比較するとVTIの方が、圧倒的にパフォーマンスが良いですね。2倍以上の差が開いています。
2008年のリーマンショック以降、米国の大型ハイテク株が大きく成長したこともあり、米国株式市場が絶好調でした。
一方、先進国株や新興国株が過去10年でそれほど上昇していないこともあり、VTのパフォーマンスを引き下げましたね。
ある意味、VTの株価が上昇しているのは構成比率7割を超えている米国企業が牽引したと言って良いと思います。
2020年コロナショック後のチャート
2020年のコロナショック前後のパフォーマンスを比較したのが以下のチャートです。
赤:VT 水色:VTI
コロナショック直後のパフォーマンスは、それほど大きな差はないですね。
ただ、4〜5月ごろはAmazonやAppleなどの大型ハイテク銘柄の株価が急回復したこともありハイテクの比率が高いVTIの方がパフォーマンスが上です。
22年に入って急速な金融引き締めにより、株式市場が調整局面に入りましたがVTやVTIも大きく下落しているのがわかります。
過去のチャートを見ると、米国市場のみで構成されているVTIの方が長期的にも、短期的にもリターンが高くなっています。
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なお、オックスフォードインカムレターの特徴や無料メルマガのメリットについては以下の記事にまとめています。
「VTとVTIの比較は?」まとめ
今回は、VTとVTIの比較ということで、株価の推移(チャート)、分配金、構成銘柄などについて比較しました。
結論をまとめると、
- VTは世界中の9000銘柄、VTIは米国企業4000銘柄
- 経費率、リターン→VTI
- 分配金利回り→VT
- 成長力の米国市場に集中投資→VTI
- 地域の分散性を重視したい→VT
ということですね。
コロナショックで大きく株価は下落しましたが、長期的には世界中の株式市場全体もしっかりと上昇しています。
22年に入って株式市場は調整局面に入っていて、全世界株も全米株も大きく下落しましたが、2023年は大きく上昇。
過去の実績を見てみると、成長性の高い米国市場のみで構成されているVTIの方がリターンが高くなっています。しかし、これは過去の実績であり、米国に集中投資するというリスクをとった結果とも言えるわけです。
将来的に米国経済が悪化する可能性もゼロではないため、投資の基本である地域の分散をしつつ長期投資をしたいという方は世界株インデックスのVTが適していると言えるでしょう。
最後に米国株を賢く運用するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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