ヤクルト本社の株に興味があります。株価は下落傾向でしたが、短期的に株価は上昇しているようです。その理由はなんですか?
今後の株価の予想や、株主優待などについても知りたいです。株は買いですか?
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
- ヤクルト本社(2267)の株価の状況は?
- ヤクルトの配当と株主優待は?
- ヤクルトの株価の推移(チャート)はどうなる?上昇の理由とは?
- ヤクルトの株は買い時?今後のヤクルト株の展望は?
乳酸菌飲料トップのヤクルト。乳酸菌飲料の売り上げが堅調ということで、株価も上昇していましたが、
- 競合他社が乳酸菌飲料に力を入れ出した
- 好調だった海外事業が人件費増で収益圧迫
により、2020年の株価は1年で40%近く大幅下落となりました。
しかし、22年に入って海外飲料・食品が為替によるプラス効果で増益、そして高単価の「ヤクルト1000」の売り上げが前年比で2.7倍にまで拡大しており業績を押し上げています。
そんな、ヤクルトの株は買いなのかどうか分析していきます。ぜひ最後までご覧ください。
自分は、投資歴20年を超えており日本株を中心に1,500万円以上の資産を運用しています。
今回は、これらの経験も踏まえて記事を書きました。
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目次
ヤクルト本社(2267)はどんな会社なの?
ヤクルトといえば商品名にもなっている乳酸菌飲料”ヤクルト”があまりにも有名ですね。乳酸菌飲料メーカーの中では国内最大手。
ヤクルトレディ(女性訪問販売員、国内外8万人超)による宅配による飲料「ヤクルト」販売を中核に、医薬品(抗がん剤)・化粧品(ヤクルトビューティエンス)事業を展開しています。
国内中心と思いきや国外売上比率は意外と高くて約5割を占めています。海外では40カ国・地域に進出して、世界販売本数は1日約4000万本です。
国内では、高単価の機能性表示食品「ヤクルト1000」シリーズが大きく売り上げを伸ばしている他、海外飲料も円安による押し上げ効果もあり、業績が好調です。
プロ野球チーム「東京ヤクルトスワローズ」の親会社で、知名度も抜群な飲料メーカーです。
今回は飲料メーカー最大手のひとつヤクルトを取り上げます。
ヤクルトの株価の状況は?
では早速ですがの株価データ(2023年12月6日現在)を見て行きましょう。 2023年9月30日を基準日として、1株につき2株の割合で株式分割されました。
株価の指標に関しては、パッと見た感じ”あまり良くないな”というのが率直な感想。配当利回りが低いですね。
配当利回りは1.7%程度と、日本株の中でも低い水準。
また、PERの目安は13~15倍ぐらいですから 19倍というのは若干割高な水準ですね。
同じく健康食品を販売するユーグレナや飲料メーカーのキリンも、業績は底堅いですね。株は買いか分析しています。
ヤクルトの配当実績は?
続いて配当実績を見ていきますね。
以下がヤクルトの配当金の実績です。
2016年3月期は記念配当20円が加算されているために配当金が50円となっています。普通配当は30円ですね。
なのでヤクルトは過去8年間で普通配当の減配は一度もないということで、23年も18円の増配、そして24年も21円の増配を予定しています。
過去5年で16%〜30%程度と余力十分。全く無理がありません。
ヤクルトの配当方針を見ると、
継続的な増配を目指すことを最優先とし、そのうえで、将来の事業拡大や収益向上を図るための資金需要および財政状況ならびに当期の業績などを総合的に勘案して配当金額を決定
としているので、数値目標はないものの基本は増配を方針としています。現在の配当性向が20%台前半なのでもう少し上昇余地はありそうです。
安定的な業績や余力十分な配当性向を考えると減配される可能性は低いと考えます。
なお日本株の中にも減配せずに増配する”累進配当”を目指す方針の企業があります。それらの企業の中から高配当銘柄をまとめました。
ぜひご覧ください。
ヤクルトの株主優待は?
乳酸菌飲料メーカートップのヤクルト。株主優待はどうなっているのでしょうか?
やはり自社サービスや商品の優待が改悪されるリスクが少なくて良いですよね。
関連記事 >>
吉野家(9861)の株主優待はいつ届くの?【優待券を使える店舗のまとめ】
コメダの株価と株主優待は?高配当で業績好調|隠れ株主優待?もあるんです。
株主優待の内容
ヤクルトの株主優待はもらってうれしい商品の詰め合わせとヤクルトスワローズ公式戦の入場券がもらえます。
保有株式が1000株を超えると内容がグレードアップです。
<3月>
・ 100株:商品詰め合わせ7品目
・1000株:商品詰め合わせ11品目
<9月>
ヤクルトスワローズ公式戦「入場券引き換えID・パスワード」の提供
長期保有株主向け優待制度
3年以上継続して100株以上保有する株主には、保有株に応じて薬用ハンドソープ又は”リベシィ”という乳酸菌由来の基礎化粧品がもらえます。
女性にはうれしい内容となってますね。
・ 100株:<医薬部外品>ポッシュママ 薬用スキンクリーム
・1000株:リベシィ ローション
参考URL:ヤクルト公式HP
次にヤクルトの株価推移と業績を見ていきましょう。
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ヤクルトの株価の推移(チャート)は?株の展望は?
続いてチャートを確認していきましょう。これまでの株価推移はどうなっているのでしょうか?
ここでは過去10年の長期チャートと短期チャートを見ていきます。
ヤクルトの長期チャート
以下は過去10年のチャートです。
長期的に株価がしっかりと伸びていますね。
2012年ごろまで1000円程度だった株価が、アベノミクスもあり2015年ごろに4000円程度の水準まで上昇していますね。
3年程度で株価4倍ですから十分すぎるパフォーマンスといえるでしょう。
その後2015年以降は、いったん調整して2500円をきる水準まで下落。2016年半ばごろから再び上昇し、再度4000円を超える水準まで株価は上昇しているのがわかります。
ヤクルトの短期チャート
以下が直近1年間のチャートです。2023年に入って1万円の大台を突破しました。
短期的な株価は、下落傾向ですね。5000円の大台に載せていた株価が、4000円を切る水準にまで下落しています。
チャート的には3500円サポートラインとなっているので、このラインを維持できるかどうかですね。
一方、高単価で利益率の高い「ヤクルト1000」の売り上げが急拡大していますが、原材料費の高騰や人件費・広告費の増加が業績を圧迫しています。
短期的に見ても株価の推移は荒いですね。株はリスクが高い、コロナショックみたいな株価暴落が怖い…という方もいると思います。
そういう方は1株価からの少額投資から初めてみてはどうでしょう?少額投資でリスクを低く運用を行うことが可能です。詳しくは以下の記事にまとめています。
この状況はしばらく続くのか?次にヤクルトの業績を見ていきます。
ヤクルトの業績は?
続いてヤクルトの業績を見ていきます。以下が過去5年の売上高、経常利益、純利益の推移です。
2021年3月期の業績が多少落ち込んでいるものの、業績は底堅いですね。新型コロナの影響もあり減収減益となりましたが、その後の業績は回復しています。
ヤクルトの国内事業は苦戦しているものの、中国やインドネシアなどのアジア諸国を中心に国際事業の売れ行きが好調。そして、高機能・高単価の「ヤクルト1000」の売り上げが急拡大しており業績を押し上げています。
株価が上昇している理由も、海外事業が堅調という業績に裏打ちされていたということですね。
話が横道にそれてしまいますが、ヤクルトは営業利益が500億円程度と、わりと規模の小さい会社なんですね。
ちょっと意外です。この規模でプロ野球の球団が持つことができるのだから、ホリエモンやZOZOの前澤前社長も球団経営に興味を持つ理由もわかります。
ソフトバンク、楽天、DeNaもプロ野球に参入してから明らかに知名度が全国区になりましたよね。宣伝効果は計り知れません。
なおキャッシュフローは、コロナで厳しい状況でもしっかりとプラスとなっているので、財務的には問題はないですね。
ヤクルトは国内で健康飲料を販売していることもあり業績は底堅いですが、景気の動向に敏感な商社株や銀行株も人気のセクターです。
特徴をまとめていますのでぜひご覧になってください。
株価が上昇から調整局面のヤクルト。株は買いか?
ヤクルト1000の売り上げ拡大で、業績好調のヤクルト。株は買いでしょうか?
結論としては、ヤクルト株の購入は様子見と考えています。
ヤクルトの強みは乳酸菌飲料ですが、全体的に見て国内事業はかなり苦戦しています。競合も厳しくなっているし、乳酸菌以外の食品事業への展開が必ずしもうまくいっているとは言えないですね。
配当利回りも1%に満たないなど、株主優待を考慮したとしても積極的に買いたいと感じる銘柄ではありません。
株価は最近の調整局面を持ってもPERが高く、割高水準と言えます。
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「ヤクルトの株価が上昇する理由」まとめ
今回はヤクルトの株価分析ということで、株価の推移、配当実績や株主優待、今後の株は買いかなどについて述べてきました。
海外事業好調で乳酸菌飲料トップのヤクルト。しかし、その海外事業も中国やベトナムの工場の人件費増により収益が圧迫されています。
国内事業も競合他社が乳酸菌飲料を強化していることもあり、”乳酸菌一本足”の経営では苦戦しているということでしょう。
株主優待は魅力的なものの配当利回りは1%に満たなく、業績にも陰りが見えていることから、ヤクルト株は積極的に購入したいと考える銘柄ではないですね。
最近の業績悪化が一時的なものなのかどうか、ここら辺を見極めてから購入を検討しても遅くはないと考えます。
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