米国株のアッヴィ(ABBV)への投資を考えています。株価の見通しや今後の予想を知りたいです。新型コロナ拡大の影響で株価が急落したようですが…
株価の推移や特徴はどんな感じですか? 今後、アッヴィの株は買い時ですか?
このような疑問を持つ方に向けて記事を書いています。
- アッヴィって何の会社?
- アッヴィの株価の推移と特徴は?コロナショックで下落
- アッヴィの配当金の推移は?
- アッヴィの今後の予想は?成長期待で株は買いか?
投資歴20年のかいまるです。米国株を中心に2000万円以上の資産を運用しています。
バイオ製薬大手のアッヴィ。医療用製薬の中で世界で最も売り上げのある抗リウマチ薬ヒュミラによって2013年の分社化以降も業績を伸ばし続けています。
他方、このヒュミラの特許は既に2016年に切れており、今後この売り上げが激減することは確実な情勢l。
今回は、そんな米国のバイオ製薬最大手アッヴィについて銘柄分析をしていきます。
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目次
アッヴィ(ABBV)ってどんな会社?
アッヴィ(Abbvie、ABBV)といえば、2013年にアボット・ラボラトリーズから、医薬品事業の新薬部門が分社化して誕生したヘルスケア企業ですね。会社の規模は大きく、世界70以上の国や地域で3万人程度の従業員がいて、日本にも拠点があります。
日本ではあまり聞かない製薬企業かもですが、売上高は年間で3.5兆円となっていて製薬企業の中では世界第8位の規模。日本最大の製薬企業である武田製薬の売り上げが2兆円にとどかないことを考えると、アッヴィが如何に巨大かがわかります。
アッヴィはバイオ系の医薬品企業であり、医療用医薬品の世界売上高No.1であるヒュミラを持ちます。このヒュミラはリウマチ・関節炎の治療薬で、アボット・ラボラトリーズから承継されたものです。
2012年から連続で売上高No1となっていますが、今後の売り上げは減少することが予想されます。ちなみに2011年までトップだったのが、JNJとメルクが開発したレミケードという抗リウマチ薬。
医薬品業界というのは、ヒットする新薬が開発できるかどうかでメーカーの勢力図が大きく変わって来るんですね。ヘルスケアセクター全体の成長性は高いものの、競争が激しく、訴訟リスクのあることから、個別企業への投資は難しいセクターと言えるでしょう。
なお、メルクやファイザーも米国の医薬品メーカーですが、業績は堅調です。株は買いか記事をまとめていますので、ぜひご覧ください。
次に株価や最近の動向について見ていきます。
アッビィの株価の状況は?
では早速ですが、アッビィ(ABBV)の株価の状況をみていきましょう。ここでは株価データと銘柄の特徴について取り上げます。
アッヴィの株価データ(2024年4月8日現在)を簡単にまとめました。
PERが思いのほか高いですね。売り上げが抗リウマチ治療薬のヒュミラに依存していることやアラガンの巨額買収などがあり、業績がイマイチということもあるのでしょう。
配当利回りは3.5%を超えていることもあり、配当狙いの投資先としても面白いですね。
アッヴィの株価の推移(チャート)は?
次にアッヴィの長期チャート(10年)を見ていきます。以下が過去10年のチャートで、比較のためにS&P500も掲載しています。
赤:ABBV 水色:S&P500
主力製薬のヒュミラが好調ということもあり、分社化した2013年以降の株価は上昇傾向で、パフォーマンスも年率10%のS&P500と遜色ありません。
ただ2018年に最高値をつけてから半年程度で50%以上急落しています。これは、2018年に入ってヒュミラと同等の効果を持つ”バイオシミラー”の販売が開始されたことによるもの。
アッヴィのCEOは2018年の決算で2019年のヒュミラの売上は米国で10億ドル増加するが、海外市場で20億ドル減少すると述べました。要するにヒュミラの成長は止まったということ。
ちなみにヒュミラの特許は2016年に既に切れていますが、米国における”バイオシミラー”の販売は2023年から。なのでアッヴィの将来の業績は、2023年までにヒュミラレベルの新薬を開発できるかにかかっているといえます。
また以下のチャートは24年4月までの2年チャートです。
赤:ABBV 水色:S&P500
このように銘柄の特徴には違いがありますから、その違いを踏まえ投資先を検討することで投資の勝率を高めることにつながります。投資理論を知るための、おすすめの米国株投資本については、以下の記事にまとめていますのでぜひご覧下さい。
コロナショックで株価下落!
新型コロナウイルスの拡大による、経済への影響によって世界同時株安が進行。いわゆる”コロナショック”により米国株式市場も大暴落となり、ダウ平均株価も2週間程度で37%も下落する異常事態となりました。
そのような状況の中、以下のチャートのようにアッヴィの株価も大きく下落。
2月19日の直近高値からわずか1ヶ月程度で
・2月21日:94.96ドル
・3月23日:64.50ドル(▼32.1%)
となり、30%以上の急落となりました。この期間におけるダウ平均株価の下落幅は35%程度なので、他の多くの銘柄と同様にコロナショックによる下落幅が大きかったといえます。
ただ、株価は3月23日に安値を付けてから反発しており6月中旬の段階で90ドルを超える程度にまで上昇。すぐに暴落前の水準に回復しました。
新型コロナ拡大による外出制限があっても、医薬品の売り上げにはさほど影響がないこともあり株価も堅調ということなのでしょう。
新型コロナ拡大によって、ボーイングやデルタ航空などセクターによっては経営危機に陥る企業も出ている中、アッヴィの業績は堅調です。
以下、アッヴィの会社概要、株価の状況、業績などを見ていきます。
アッヴィの配当実績は?
次にアッヴィの配当実績をみていきましょう。分社化して以降過去7年間の実績となっていて、綺麗な右肩上がりです。
配当金は右肩上がりですが、配当利回りも3.5%を超えていることもあり株価の上昇だけでなくインカムも期待できる銘柄と言えますね。
アッヴィも素晴らしいですが、米国株には他に多くの高配当や連続増配銘柄があります。配当利回り7%超えの銘柄や60年以上連続増配しているなど素晴らしい銘柄が米国にはたくさんあるんですね。以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
アッヴィの売上高や利益は?
次にアッヴィの業績をみていきます。以下のグラフは、売上高、営業利益、純利益、営業利益率の推移となっています。
売り上げは10年で2倍以上。利益も上昇傾向で21年も絶好調です。一方、14年、18年、20年に減益ととなっています。
特筆すべきは営業利益率で、年によってばらつきはありますが30%を超える年もあります。新薬の開発には莫大な研究開発費がかかるものの、開発に成功して人気薬になると、特許に守られ長期間高い収益を生み出してくれるということですね。
ちなみにアッヴィの事業別の収益内訳は、ざっくりと
製薬売り上げ内訳
- ヒュミラ:60%
- イブルチニブ(リンパ性白血病):10%
- マビレット(C型肝炎):10%
となっていて、抗リウマチ薬のヒュミラの依存度が極めて高いんです。先ほども記載したとおり、ヒュミラの特許は2016年に切れていて、欧州では同様の効果が期待できる薬(バイオシミラー)の販売が始まっています。
米国でもこの”バイオシミラー”の販売開始が2023年から見込まれていて、ヒュミラの売り上げが激減することが確実な情勢になっています。
そこでアッヴィが起死回生の一手として実施したのが2019年6月にアイルランドの医薬品・医療機器大手のアラガンの買収です。約6.5兆円にのぼる巨額買収であったため発表後の株価は大幅に下落。
アラガンは、シワ取り薬で大成功をおさめていて、美容医薬品の分野で大きなシェアを占めています。この美容医薬品は今後の先進国の高齢化に伴い大きな成長を見込める分野。
なので米国でバイオシミラーが販売される2023年までに、ヒュミラに変わる新薬を開発できるか、他の製薬の売り上げを伸ばせるかがアッヴィの今後の業績を左右すると言えそうです。
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アッヴィの株価の予想は?
ヒュミラの売り上げが今後5年で半減することが確実な中、アッヴイの業績や株価はこの落ち込みを如何に挽回できるかにかかっていますね。
そういう意味では、2019年のアラガン買収は社運をかけた判断ということで、今後のアッヴィの業績を大きく左右しそうです。
製薬企業の業績は新薬の開発状況や訴訟などに大きく影響を受けるので、将来的な業績予想は専門家でも難しいと言われています。
なのでアッヴィの株価は、ヒュミラ以外の製薬がどこまで伸びるか、新薬の開発の状況やアラガン買収が成功となるかによって大きく影響を受けることになりそうです。
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アッヴィの株は買い時か?まとめ
今回はアッヴィ(ABBV)の銘柄分析ということで、株価の推移(チャート)や特徴、株は買いかについて述べてきました。
米国のバイオ製薬大手のアッヴィ。医療用製薬の中で世界で最も売り上げのある抗リウマチ薬ヒュミラによって2013年の分社化以降も業績を伸ばし続けています。
他方、このヒュミラの特許は既に2016年に切れており、今後この売り上げが激減することは確実な情勢。
アッヴィの業績や株価は、2019年のアラガン買収などによってヒュミラに変わる新薬を開発することができるかどうかにかかっていると言えそうです。
最後に米国株やETFに賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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なお米国株や資産運用に関連するお得な情報について、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
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