レバレッジ型ETF CUREは米国ヘルスケアセクターに投資できると聞いたけど、過去の株価の推移(チャート)と特徴を知りたいです。
配当はどの程度でるんですか?
このような疑問を持つ方に向けて記事を書きました。
- レバレッジ型ETF CUREとは?
- CUREの株価の推移と特徴とは?
- CUREをどのように活用するか?
投資歴20年のかいまるです。米国株や米国ETFを中心に1000万円以上の資産を運用しています。
結論からいうと、
- レバレッジ型ETF CUREは、S&P500よりも株価のパフォーマンスが圧倒的に良い。
- ヘルスケアセクターは景気動向に影響を受けないセクターなので、長期運用で高いリターンが期待できる。
ということです。今回は、ヘルスケアセクターの3倍に連動するレバレッジETF CUREの特徴について見ていきます。
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目次
レバレッジ型ETF CUREとは?
Direxion デイリー ヘルスケア株 ブル3倍 ETF(CURE)は、米国のヘルスケアセクター株指数の株価の値動きの3倍を目指すレバレッジ型の米国ETFです。
基本データは以下のとおり(2024年3月22日現在)。
- 株価:120.14ドル
- 指数:S&Pヘルスケア セレクト セクター指数
- 株価(52週レンジ):75.39 〜 127.50ドル
- 分配金利回り:1.59%
- 経費率:約1%程度
経費率は1%超えとちょっと高めですね。
米国のヘルスケアセクター株に連動するETFであるVHTの経費率0.1%と比較すれば高いかもしれませんが、レバレッジ商品ということを考えれば妥当なところだと思います。
なお、このヘルスケアセクターにレバレッジなしでまるっと投資できるのが米国ETF VHTです。
特徴をまとめていますので、ぜひご覧ください。
CUREが連動するヘルスケアセクターとは
米国株の業種(セクター)は、情報技術、金融、生活必需品、公益事業など、11セクターに分類されており、ヘルスケアセクターもその一つとなっています。
ヘルスケアセクターは、景気が悪い時でも医療費が削られにくく、売り上げを見込めるためディフェンシブセクターとして有名です。
実際、リーマンショックの時も、情報技術や金融などの他のセクターよりも下落幅が小さく、持ち直しも早かった実績があります。
また、他のセクターに比べてパフォーマンスも良く、ジェレミー・シーゲル氏の著書「株式投資の未来」によれば、1957~2003年のヘルスケアセクターのリターンは14.19%となって、S&P500の10.85%を上回り全セクター中でトップとなっています。
米国の医療費は年間330兆円と言われる世界で最も大きなマーケットとなっています。米国のヘルスケア産業は巨大であり、人の健康を扱うという意味で生活の基盤になっているといえるセクターです。
なお、S&P500及び情報技術セクターにレバレッジをかけて投資できるETFが、それぞれSPXLとTECLです。
株は買いか分析していますので、ぜひご覧ください。
CUREの構成銘柄とは?
CUREのインデックス上位銘柄(Top10)は以下のようになっています(23年12月31日現在)。
構成比率のTopは世界最大の医療保険会社であるユナイテッドヘルスです。保険事業は景気の動向に左右されづらい銘柄です。
他にもディフェンシブ銘柄の代表格であるジョンソン・アンド・ジョンソンから、ファイザー、メルクなど、日本の米国株投資家に人気の銘柄が並んでいます。
米国ETF CUREの株価推移(チャート)とは?
CUREの長期チャート(10年)
S&P500とCUREの株価を単純に比較したのが以下のチャート(10年)となります。
赤:CURE 水色:S&P500
2011年6月の設定以降、CUREは節目節目で激しく上下していますが右肩上がりを示しており、過去10年で約7倍の上昇となっております。
やはり値動きは激しいですね。S&P500の値動きがなだらかに感じるほどです。
S&P500のチャートには配当金が組み込まれていないので、実態より若干低い値となっていますが、それを考慮したとしても10年程度で大きくS&P500をアウトパフォームしています。
コロナショック時の短期チャート
以下がコロナショック時を含む短期チャート(1年)です。
赤:CURE 水色:S&P500 緑:XLV
コロナショック以降、CUREの株価は力強く回復していますね。S&P500を大きく上回るパフォーマンスです。
良くも悪くも指数の3倍の値動きを行うレバレッジETF CUREの特徴を良く表しているのではないでしょうか。
レバレッジが効いているというのは、上にも大きく上がれば、下にも大きく下がるということです。
ちなみに、今回比較したS&P500ですが、この指数に連動するETFのVOOの特徴については以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
米国ETF CUREの配当実績とは?
CUREはレバレッジETFですが意外なことに分配金が支払われます。過去3年間の配当実績は以下のとおり。
過去1年間の分配金利回りは1.8%程度で、それほど分配金には期待できません。
まあ、値上がり益を期待するというレバレッジ型ETFはの特徴を考えれば、分配金はオマケみたいなもんですね。
ちなみに米国株の魅力は高配当でかつ連続増配を続けている個別銘柄が多いことです。お宝銘柄を保有し続けるのも投資の醍醐味ですね。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。
レバレッジETF CUREのリターンは?
次にCUREの株価リターンを見ていきましょう(2024年2月29日現在)。
2011年の設定来で年率が約30%という驚異的なリターンを上げていますね。S&P500の過去10年リターンが10%程度ですから、それと比較しても圧倒的です。
注意点:時間と共に指数から乖離する
CUREは米国ヘルスケアセクター指数の3倍の収益を目指すものですが、あくまでも1日の値動きについて3倍になるようにしているもので、期間が長くなると乖離していきます。
日本取引所グループHPに、レバレッジ型ETFの特徴について解説がありましたので、以下に引用します。 ざっくり言うと、
- 投資期間が長くなればなるほど、指標と乖離する。
- レンジ相場になると指標に比べてパフォーマンスが悪くなる。
ということです。
レバレッジ型指標は、相場の下落局面においては原指標よりも大きく下落していきますが、2営業日以上離れた日と比較した場合は、想定した変動率とは異なる下落率となってしまう点、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性が高まる点に留意が必要となります。
相場の方向感が定まらず、原指標が上昇や下落を相互に繰り返した場合、レバレッジ型指標は複利効果によって、原指標と比較してパフォーマンスが逓減して行くという特性がありますので留意が必要です。
出典:日本取引所グループHP
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CUREをどのように活用するか?
株価推移からは長期投資も面白い
過去の実績からは、長期的にCUREを保有することで大きな収益が期待できると思います。
株式は長期的には正の期待値を持つものであり、歴史的にも代表的な指数であるS&P500は年率10%以上のパフォーマンスを示してきたからです。
ただし、下にも3倍振れてしまうので、短期的にはS&P500やXLVよりもパフォーマンスが悪くなる期間があると思います。コロナショックのような暴落の際には短期的にCUREはS&P500よりもパフォーマンスが悪くなります。
リーマン後の上昇相場の時に時間をかけて保有すればS&P500よりも良いパフォーマンスを期待できるということです。
低レバレッジの運用を
どれだけレバレッジをかけることができるかは、投資期間や投資資金にもよりますので、一概に言えませんが、資金全てをCUREに投入することはお勧めしません。
大きな含み損がでる可能性があり、それに耐えられなくなるからです。債権、米国株、日本株を保有しつつ、資産全体を低いレバレッジで長期運用するというのが合理的な手法だと考えます。
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なお米国株や資産運用に関連するお得な情報について、以下にまとめました。よろしければご覧いただければと思います。
「米国ETF CUREの株価推移」まとめ
今回はレバレッジETFであるCUREの株価推移や特徴、配当実績について紹介するとともに、CUREの活用法についてまとめました。
CUREはディフェンシブセクターであるヘルスケアセクターに連動するレバレッジ型ETFですので、長期に保有することで、よりリスクの低い運用を期待できます。
もちろん、レバレッジ商品ですからリスクが高くなることは間違いありませんので、過剰なリスクは取るべきではありません。ただ、ポートフォリオ全体のレバレッジを調節することで、リスクを抑え収益を加速できると考えます。
最後に米国ETFや米国株に賢く投資するための方法について紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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