SPXLとは、どんな特徴の米国ETFですか?株価の推移や構成銘柄、配当実績などについて知りたいです。
S&P500に連動するレバレッジ型の米国ETFですが、長期保有はやめといた方が良いですか?
このような疑問を持つ方に向けて記事を書きました。
- SPXLの株価の推移(チャート)と特徴とは?
- SPXLとS&P500の株価推移(チャート)比較
- SPXLの配当実績とは?
- レバレッジ型ETFのSPXLを長期投資の観点からどのように活用するか?
投資歴20年のかいまるです。米国株を中心に1千万円以上の資産を運用しています。
結論からいうと、
・コロナショック前はS&P500よりも長期のパフォーマンスは良い
・ポートフォリオの一部にSPXLを含めることで高いリターンを期待できる
です。レバレッジETFはハイリスク・ハイリターン商品。株式市場が大きく上昇する局面では、10年間で20倍近くになるほどの大きな収益を期待できますが、コロナショックのような暴落局面では株価が1ヶ月程度で4分の1になるぐらい下落します。
最大のメリットは資金効率が高くなる点で、リスクをコントロールできればSPXLなどのレバレッジ型ETFへの長期保有もありと考えています。
今回の記事は、SPXLの特徴や株価の推移(チャート)、どのように活用するかなどをまとめています。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
米国ETF SPXLとは?
SPXLは、Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETFという名称で、このS&P500指数の日々の値動きの3倍を目指すレバレッジ型の米国ETFです。ETFは指数に連動した投資成果を目指すものですが、その対象指数の数倍の投資成果を目指すETFということです。
SPXLの基本データは以下のとおりです(23年10月25日現在)。
- インデックス:S&P500×3倍
- 株価52週レンジ:57.23 〜 99.20ドル
- 委 託 経 費 率 : 1.11%
- 分配金利回り:− %
- 設 定 日:2008年11月21日
インデックスで用いられているS&P500は、米国の代表的な株価指数の一つで、ニューヨーク証券取引所やNASDAQ等に上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価をもとに算出されているもの。
(参考記事:いまさら聞けない?S&P500とは?)
アップル、アマゾン、マイクロソフト、ボーイング、コカ・コーラ等々の銘柄が組み込まれています。
それにしても、過去1年の株価幅が16〜76ドルと凄まじく動いてますね。2019年末の米国株式市場の過去最高値から、2020年2月のコロナショックもあり過去1年間の値動きの大きさが半端ないです。
経費率は1%程度。S&P500に連動する米国ETFであるVOOは0.03%と比較すれば高く感じるかもです。
ただ、信用取引には金利などのコストがかかることや、そもそも大部分の日本の証券会社では米国株の信用取引ができないことを考えると、妥当なところといえます。
レバレッジETFは、SPXL以外にもITセクターに連動するものや長期国債に連動するものなど多種多様です。
日本の主要ネット証券で購入することができるETFをまとめました。ぜひご覧ください。
SPXLの構成銘柄とセクター
以下がSPXLの構成銘柄ですが、S&P500をベンチマークとしていますので、構成銘柄は基本的に同じです。
構成銘柄の上位10社は以下のとおりです(22年12月31日現在)。
やはりアップル、アマゾン、マイクロソフト、テスラなどの時価総額の大きいIT企業が上位を占めています。
ちなみに4位と6位にあるAlphabetはグーグルの親会社で、ClassAとClassCの違いは議決権があるかどうかだけの違いなので、実質的に構成比率の3%がグーグルということになります。
ここ数年で、これらのIT関連企業の株価が好調ということもあり、情報技術のセクター比率が25%を超えていますね。
(参考URL:Direxion社公式HP)
SPXLの株価の推移(チャート)は?
以下がコロナショック前後の2年のチャートです。
2016年から2019年末まで節目節目で上下に値動きしながら、綺麗な右肩上がりだったんですよね。2019年末はFRBの政策金利引き下げにより米国株は史上最高値圏にあったので、SPXLのパフォーマンスも大変良くなっていました。
しかしコロナショックによる70%以上の大幅下落で、5年間の上昇幅をほとんど吐き出してしまいました。凄まじく値動きが大きいことがわかります。
しかしコロナ後は米国政府の景気刺激策や中央銀行による金融緩和などもあり株式市場は大幅上昇。
S&P500も2020年末には史上最高値を更新するなど好調に推移していることもあり、SPXLの株価も短期的に大きく上昇しています。
一方、22年に入って世界的な金融引き締めの影響もあり、SPXLの株価も大きく下落しています。
コロナショックでSPXLの株価が暴落!
新型コロナウイルスの拡大による、経済への影響によって世界同時株安が進行。いわゆる”コロナショック”により米国株式市場も大暴落となり、ダウ平均株価も2週間程度で37%も下落する異常事態となりました。
そのような状況の中、以下のチャートのようにSPXLの株価も大きく下落。
2月19日の直近高値からわずか1ヶ月程度で
・2月19日:75.83ドル
・3月23日:17.55ドル(▼76.9%)
となり、1ヶ月程度で株価が4分の1にまで暴落となりました。レバレッジ型ETFなので値動きが大きいのは当然とはいえ、やはりとんでもないハイリスク商品であるということです。
株価は3月23日にの安値を付けてから一旦反発しており4月の段階で30ドル台まで回復しています。
SPXLとS&P500とのパフォーマンス比較は?
ここではS&P500とSPXLについて
- 過去10年の長期チャート
- 2020年の年初来チャート
について比較します。
過去10年長期チャート
2011年からの10年チャートを比較するとSPXLの値動きが本当に激しいので、S&P500の値動きがなだらかに感じるほどですね。
赤:SPXL 水色:S&P500
コロナショックでSPXLは大きく下落していますが、それでもS&P500よりも高いパフォーマンスを示していますね。2011年以降、2023年2月までで株価は11倍程度まで上昇しています。
S&P500のチャートには配当金が組み込まれていないので、実態より若干低い値となっていますが、それを考慮したとしてもSPXLは大きくS&P500をアウトパフォームしています。
短期2年チャート
以下の2年チャートを見ると、2022年以降、SPXLが暴落しているのがわかります。
赤:SPXL 水色:S&P500
2022年はインフレや金融引き締めによる景気減速の影響もあり、米国の株式市場が急落。
短期的に株価が大きく下落する局面では、当然ですがSPXLのパフォーマンスは大きく悪化するということです。
なお、今回比較したS&P500ですが、この指数に連動するETF VOOの特徴については以下の記事にまとめています。
SPXLの配当実績と推移は?
SPXLはレバレッジETFですが、配当金がでるんですね。過去3年の配当実績です。この推移を見ると、あまり安定していないですね。
2019年の実績で配当利回りは1%程度ありましたが、23年実績では0.27%。ちょっと少ないように感じますが、大きな値上がり益を期待するというレバレッジ型ETFの特徴を考えれば十分すぎるといえます。
なお、米国株に投資する魅力は高配当で長期間連続増配している個別銘柄が多いことです。中には7%を超える銘柄や60年以上連続増配している銘柄も。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。
SPXLの年率リターンは?長期保有向き?
ここでは、SPXLの配当金も含めた年率リターンとレバレッジETFの注意点を見ていきます。
SPXLの年率リターン
年率リターンは以下のとおりとなっています(2023年9月30日現在)。
2022年に米国の株式市場は下落相場とな理ましたが、長期的にはSPXLはしっかりとした年率リターンとなっています。
10年の長期で見ると年率22%を超えているので、長期保有であれば大きなリターンが得られたことになりますね。
なのでS&P500が長期的に右肩上がりで上昇するのであれば、大きなリターンを期待できるということです。
注意点:SPXLのリターンは時間と共に指数から乖離する
SPXLはS&P 500の3倍の収益を目指すものですが、綺麗に3倍になるものではありません。あくまでも1日の値動きについて3倍になるようにしているもので、期間が長くなると乖離していきます。
日本取引所グループHPに、レバレッジ型ETFの特徴について解説がありましたので、以下に引用します。 ざっくり言うと、
- 投資期間が長くなればなるほど、指標と乖離する。
- レンジ相場になると指標に比べてパフォーマンスが悪くなる。
ということです。
レバレッジ型指標は、相場の下落局面においては原指標よりも大きく下落していきますが、2営業日以上離れた日と比較した場合は、想定した変動率とは異なる下落率となってしまう点、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性が高まる点に留意が必要となります。
相場の方向感が定まらず、原指標が上昇や下落を相互に繰り返した場合、レバレッジ型指標は複利効果によって、原指標と比較してパフォーマンスが逓減して行くという特性がありますので留意が必要です。
出典:日本取引所グループHP
なのでコロナショックの時のように株価が乱高下したりすると、指数との乖離が大きくなります。ここがレバレッジETFの最大のデメリットといえます。
なお、株式投資で勝率を高めるためには、しっかりとした投資理論を身に着ける必要があります。以下の記事では、初心者向けのものから古典まで、おすすめの米国株投資本を紹介しています。
SPXLの活用法とは?長期保有はやめとけ?
ハイリスク・ハイリターンのSPXL。活用法としては、
- SPXLを長期保有する
- レバレッジと調節することでリスク管理
ということですかね。詳細に見ていきます。
活用法①:SPXLは長期投資でも活用できる
長期的にSPXLを保有することで大きな収益が期待できると思います。株式は、長期的には正の期待値を持つものであり、歴史的にもS&P500は年率10%以上のパフォーマンスを示してきたからです。
もちろん、下にも3倍振れてしまうので、短期的にはS&P 500よりもパフォーマンスが悪くなる期間があると思います。
昨年末の株価下落の際に、SPXLは3倍以上大きく値を下げましたが、最近ではS&P500と同じぐらいのレベルまで戻してきました。
時間をかけて保有すればS&P500よりも良いパフォーマンスを期待できるということです。
活用法②:レバレッジを調節することでリスク管理
レバレッジ商品は、リスクが高いので長期投資には向かず、短期取引で大きなリターンを目指すものというのが定説です。
しかし、レバレッジがかかるものの、株価指数のインデックスに投資をするわけですから、基本的には長期で保有すれば収益を期待できるものだと思います。短期間では昨年末のようにマイナスに大きく振れてしまうのですから、むしろ長期での保有を前提に考えるべきです。
ただコロナショックのような乱高下が続く状況での投資はおすすめできませんが、株価が上昇局面に入った状況でSPXLに順張で投資するのは、収益性を大きく高めると考えます。
どれだけレバレッジをかけることができるかは、投資期間や投資資金にもよりますので、一概に言えませんが、資金全てをSPXLに投入することはお勧めしません。
大きな含み損がでる可能性があり、それに耐えられなくなるからです。債権、米国株、日本株を保有しつつ、資産全体を低いレバレッジで長期運用するというのが合理的な手法だと考えます。
なおウェルスナビを活用して長期投資すれば、ロボアドバイザーが世界中の市場の株、債券、金、不動産などに分散投資してくれます。忙しい会社員や主婦の方に特におすすめです。
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SPXLはNISA口座で取引できるの?
最後に1つ。SPXLは、米国株ETFなのでNISA口座で取引可能。SBI、楽天、マネックスと主要なネット証券で売買できます。
(参考記事 >>> NISAでSPXLを購入するメリットとは?)
ちなみに、SPXLは直近10年間(2020年4月現在)で年率10%となっているので、NISA口座で運用していれば運用益に税金がかかりません。
「米国ETF SPXLの株価推移」まとめ
今回はレバレッジETFであるSPXLの特徴について紹介するとともに、長期投資の観点からどう考えるかについて述べてきました。
大部分の投資家は、時間と資金が限られています。しかし、今回紹介したレバレッジ商品を活用することで、手軽に資金効率を高め、ある意味”時間を買う”ことができるのです。
もちろん、レバレッジ商品ですからリスクが高くなるのは間違いありませんので、過剰なリスクは取るべきではありません。しかし、レバレッジを調節することで、リスクを抑え収益を加速することは可能です。
自分も、コロナショックが落ち着いて相場が上昇基調になった際には、SPXLに投資し収益の加速化、最適化を図りたいと考えています。
お得にSPXLを取引するには?
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米国株は、大手のネット証券であるSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入することが可能ですが、手数料は3社横並びで約定代金の0.45%(最大20ドル)。
日本株の売買手数料よりも、かなり割高な状態なんですよね。
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S&P500や米国株にレバレッジ取引
株価指数、外国株、金、原油…などなど。いろんな商品に気軽に投資ができるCFD。最大の魅力はFXのようにレバレッジをかけて取引できること。
特に株価指数CFDはレバレッジをかけたインデックス投資なので、長期的に高いリターンが期待できます。
自分もS&P500CFDに長期投資しています!
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